第50回 代表曲と売れた曲は一致するのか
1986オメガトライブ~カルロス・トシキ&オメガトライブ
ボーカル杉山清貴が抜けた後、新たに迎えたカルロス・トシキのボーカル時代のオメガトライブの代表曲とセールスの相関を見てみます。ギターの脱退とともに名前を改名していますが、ボーカルも路線も変わっているわけではないので、ここは一体とみなします。
【1986オメガトライブ時代】 1986~1987年
「君は1000%」「Super Chance」「Cosmic Love」
「Miss Lonely Eyes」「Stay girl,Stay pure」
杉山清貴&オメガトライブ時代は、どうしても杉山清貴の存在感が大きかったため、ボーカルが変わって果たしてやっていけるかという不安のようなものは、見ている者としてはあったのですが、それをいきなり払拭してくれたのが「君は1000%」で、結果として双方ともヒットの船出となったのでした。以降安定してヒットを出し続けて、“1986オメガトライブ”としては5曲のシングルをリリースしました。
【カルロス・トシキ&オメガトライブ時代】 1988~1990年
「DOWN TOWN MYSTERY」「アクアマリンのままでいて」「REIKO」
「どうして好きといってくれないの」「花の降る午後」「時はかげろう」
ギターの黒川氏が脱退し、その機会にカルロス・トシキを前面に押し出すバンド名に改名しますが、かといって曲調が変わるわけではなく、はた目には同じバンドの継続といった印象でした。ですから大きく売上傾向が変わることなく、緩やかな下降が改名後も続き、3年ほどで解散となってしまいました。
■売上枚数 ベスト5
1 君は1000% 29.3万枚
2 Super Chance 20.0万枚
3 Cosmic Love 13.2万枚
4 Miss Lonely Eyes 10.0万枚
5 アクアマリンのままでいて 9.1万枚
上位4曲は1986オメガトライブでのリリース順ということで、次第に緩やかに売上が低下している様子がうかがえるランキングになっています。その中で「アクアマリンのままでいて」が唯一カルロス・トシキ&オルガトライブになってからの作品で、この曲はドラマの主題歌になったこともあって、少しだけセールスを盛り返した感がありました。
■最高順位
2位 … Super Chance、Miss Lonely Eyes
3位 … アクアマリンのままでいて
1位獲得は残念ながらなくて2位曲が2作品、3位が1作品。この中に一番売れた「君は1000%」が入っていないのがやや意外なところです。
■代表曲
1 君は1000%
2 アクアマリンのままでいて
3 Super Chance
一応3位まで考えてみましたが、圧倒的に「君は1000%」でしょうね
■好きな曲 ベスト5
1 Super Chance
2 Cosmic Love
3 Miss Lonely Eyes
キラキラと光る波をデッキから眺めながら思うひと夏の恋の終わり…その切なさがたまらない「Super Chance」夜の都会に浮かぶ車のライトを見つめながら過ぎ去った恋に思いをはせる寂しさが染み入る「Cosmic Love」、こちらも夏のバカンスの終わりに一人海辺に残って君を想い返す「Miss Lonely Eyes」と、いずれもオメガトライブの真骨頂といった作品で、当時をついつい思い出しながら感傷的になってしまいそうな作品たちで好きです。
一番売れたのが「君は1000%」で、新ボーカルのカルロス・トシキの存在を一気に知らしめた作品でもあります。以降徐々に売上が低下していったことも考えると、議論の余地はなさそう
結論:一番売れた曲が一番の代表曲