第47回  二発屋を探せ! 

 

わらべ クリスタルキング サーカス 大橋純子

 

一発屋ではなく、2曲だけヒットを当てて、あとは売れなかったという二発屋アーティストがどれだけいるのかを探る企画です。2曲が突出しているだけでなく、その2曲の間隔が連続していないのが理想で、なぜなら1発当てた後の次の曲というものは、比較的勢いである程度は売れる傾向にあるからで、印象的に2曲がヒットしたアーティストを取り上げて、実際に二発屋といえるのか、そしてその「美しさ」を見てみたいと思います。

 今回は1980年前後の4組をみてみます。

 

【わらべ】  

対象として考えたのは「めだかの兄妹」と「もしも明日が…。」ですが果たして… 

■売上枚数 ベスト3  

1 もしも明日が…。 97.0万枚

2 めだかの兄妹 88.5万枚

3 時計をとめて 15.4万枚

 

■最高順位 

1位 … もしも明日が…。  

3位 … めだかの兄妹

6位 … 時計をとめて 

 

確かに2曲の売上が凄いのですが、そもそも4枚しかシングルを出しておらず、うち1枚は企画もの。実質3つのシングルで、3番目の「時計をとめて」も売上こそ差があるものの、一応6位になっているのですよね。

結論:二発屋という感じではない

 

【クリスタルキング】 

対象曲は「大都会」「蜃気楼」を考えました。

 

■売上枚数 ベスト3  

1 大都会 118.1万枚

2 蜃気楼 54.6万枚

3 処女航海 12.0万枚

 

■最高順位 

1位 … 大都会  

2位 … 蜃気楼 

14位 … 処女航海 

 

確かに売れたのは2曲だけ(私の好きな「セシル」がいい曲で売れるかと思ったのですけれど…ね)。ただこの2曲が続いているというのがネックで、3番目に売れたのもさらにその次の曲ということで、一発当てた後の下降ライン上にあっただけといわれたらそれまでなのです。2発屋というよりは、1発屋プラスα的な売上推移といった感じなのです。

結論:一応二発屋にはなるでしょうが、一発の勢いで二発目がくっついてきた感はあり

 

【大橋純子】 

対象としては「たそがれマイ・ラブ」と「シルエット・ロマンス」を想定していますが、どんな感じになるでしょうか。

■売上枚数 ベスト3  

1 たそがれマイ・ラブ 51.7万枚

2 シルエット・ロマンス 42.8万枚

3 愛は時を越えて 21.3万枚

 

■最高順位 

2位 … たそがれマイ・ラブ  

7位 … シルエット・ロマンス 

30位 …  愛は時を越えて

最高順位をみるとトップ10入りが2曲のみで、次点が30位。トップ10入りの2曲の発売が約3年の間隔となっていて、確かに二発屋的なのですが、気になるのは売上枚数。次点の「愛は時を越えて」がかなり健闘していて、20万枚をオーバーしていて2位曲の約50%売り上げているのが、二発屋断定委員会(?)としては気になるところなのです。

結論:二発屋といって問題はないのですが、美しさ(?)がもう一歩足りない 3位曲の売上がやや高すぎる

 

【サーカス】

対象としては「Mr.サマータイム」「アメリカン・フィーリング」。ほかにあまりヒット曲を知らないので、期待してみましょう。

 

■売上枚数 ベスト3  

1 Mr.サマータイム 65.2万枚

2 アメリカン・フィーリング 47.6万枚

3 愛で殺したい 10.6万枚

 

■最高順位 

1位 … Mr.サマータイム  

5位 … アメリカン・フィーリング 

28位 …  愛で殺したい

 

こちらも順位では完全に「Mr.サマータイム」と「アメリカン・フィーリング」の2強は間違いないところ。売上枚数では3番手の「愛で殺したい」が10万枚をわずかに超えたところで気にはなりますが、大ヒットの次の曲ということで、勢いである程度売れるところですし、2位曲の1/4以下ですので、2曲が突出しているということで問題ないでしょう。そして「Mr.サマー・タイム」と「アメリカン・フィーリング」の間に2曲挟まっているのも、まあいい感じです。

結論:かなり美しい二発屋です