第44回 歌手としての実績はどちら格上か

 

渡辺満里奈VS渡辺美奈代

 

同じ時期におニャン子クラブからソロデビューし、優劣つけ難い人気を集めた二人。年齢も1つ違いで同じ苗字ということで、何かと比較されることも多かったでしょう。今でも芸能界で活躍をしており、歩みのペースも似ています。今回は歌手ということに限定して、どちらが凄かったのかを見てみましょう。

 

美奈代

 

満里奈

 

二人のチャートの推移も似ていて、デビュー直後が最も山が高く、時間の経過とともに右肩下がりに。これはおニャン子勢全般に共通しているところなのですが、特に美奈代さんは一度も登りがない綺麗な下りの坂道になっています。

 

ただ歌う作品の感じはまったく違っています。美奈代さんは、いかにも“ザ・アイドル”的でありながら、彼女にしか歌えない作品が並んで、特に「TOO ADULT」「PINKのCHAO」「ちょっとFallin’Love」あたりは、いったい他に誰が歌えるの?と思うような個性的でかわいらしい作品になっています。一方の満里奈さんは、今の時代だったら乃木坂46にいてもおかしくないような静かで清楚なイメージで、作品にもそれが表れているように思います。

 

 

■作品別売上枚数 ベスト5  

1 瞳に約束 20.2万枚 美奈代

2 ホワイトラビットからのメッセージ 17.4万枚 満里奈

3 深呼吸して 17.1万枚 満里奈

4 雪の帰り道 16.6万枚 美奈代

5 TOO ADULT 15.1万枚 美奈代

唯一20万枚越えが美奈代のデビュー曲「瞳に約束」が1位で、2位、3位が満里奈。4位、5位が美奈代と、ここだけをみた限りでは、ほぼ互角の様相。比較されるのもわかります。

 

■オリコン1位獲得数

美奈代 5曲  瞳に約束、雪の帰り道、TOO ADULT、PINKのCHAO、アマリリス

満里奈 4曲  深呼吸して、ホワイトラビットからのメッセージ、

       マリーナの夏、夏休みだけのサイドシート

こちらも接戦で、それぞれデビュー曲から連続しての1位獲得。わずかに1曲だけ美奈代が多かったです。

 

■オリコントップ10入り作品数

美奈代9曲 1位獲得曲以外に

 ちいさなBreakin’ my heart、夏の短編、もう夢からさめないで

満里奈7曲 1位獲得曲以外に  

 ガールズ・オン・ザ・ルーフ、両手いっぱいのメモリー、ちょっと Fallin’ Love、抱いてあげる

こちらも2曲の差で美奈代に軍配。

 

■10万枚越えの数

美奈代 5曲 デビューから5曲連続

満里奈 3曲 デビューから3曲連続

 

■トータル発売枚数

単純に足していくと

美奈代 114.7万枚 > 満里奈 93.1万枚

とこちらも美奈代に軍配

 

■私の好きな曲

美奈代

1 抱いてあげる

2 恋愛紅一点

3 PINKのCHAO

4 ちょっとFallin’ Love

5 TOO ADULT

「抱いてあげる」は大好きで、その夏はヘビーローテーションで聴いていました。「恋愛紅一点」はセールスが下降してからの曲であまり陽が当たっていないですが、これも大好きな曲です。3~5位の3曲はまさに渡辺美奈代しか歌えない曲でしょう。

 

満里奈

1 夏の短編

2 夏休みだけのサイドシート

3 マリーナの夏

4 もう夢からさめないで

5 ちいさなbraekin’ my hearty

1位から3位までは夏曲が並びましたが、いずれもギンギンギラギラの夏というよりも、さわやかな海風の吹く夏という感じの曲。シーンが目の前に浮かんできそうな歌詞になっています。4位、5位のちょっと寂しげな作品も似合います。

 

いずれも接戦には違いないですが、引き分けにしてしまうのも面白くないし、

それぞれの項目で少しずつ美奈代さんが上回っているようで

結論:若干の差ではあるが、歌手としての実績では美奈代さんが優位