第29回 イカ天出身バンドで出世頭は?

 

今回はイカ天出身バンドのうち、売上10万枚以上またはチャートトップ10入りを果たした作品を持つバンドをいくつか比較して、その中での出世頭はどのバンドか考えてみようかと思います。

 

1曲のインパクトとしてはたまの「さよなら人類」が最大でしょう。イカ天ではグランドイカ天キング、メジャーデビューしたらいきなりオリコン1位、紅白歌合戦出場、レコード大賞新人賞と、イカ天ブームのまさにシンボル的な存在でした。メンバーのキャラクターもまた強烈で、発売と同時に場バーッと売れたのですが、その分飽きられるのも早かったのかもしれません。

 

 

AURA

テレビのバラエティ番組でも活躍、派手ないで立ちに対して、親しみの持てるキャラクターとキャッチーな楽曲で人気を呼んだロックバンドです。一見 ヘビメタっぽく近寄りがたく感じられるのですが、そのギャップが楽しかったです。アルバムの中にもキャッチーでポップな作品があって、個人的には結構気に入っていました。

 

JITTERIN’JINN

無表情で歌う春川玲子のクールなボーカルと、同じメロディーを繰り返す独特のメロディーと歌詞、そして評価の高かった女性ドラマーと注目度も高く、3rdシングルでオリコン1位を獲得。個人的にも大好きで、当時は発売の度にシングルもアルバムも買い集めました。応援していたのですが、イカ天では1週のみ勝ち抜きでした。

 

PINK SAPPHIRE

イカ天ではあまり目立たなかったですが、ポストプリプリ的な存在として、メンバーを入れ替えてのデビュー曲がドラマとの相乗効果で大ヒット。キャッチーなメロディーと、ちょっとケばい(?)お姉さん的なイメージで、オリコン2位にまで上昇しました。

 

NORMA JEAN

こちらもガールズバンドということで、キングとして4週も勝ち抜いています。そこで人気を集めておいて、メジャーデビュー曲がいきなりのトップ入りと勢いよく飛び出しましたが、楽曲面でやや変化が乏しく、長くは続きませんでした。

 

FLYING KIDS

初代グランドイカ天として、番組出演時から玄人受けするバンドとして人気を呼びましたが、デビュー後しばらくむ苦戦したものの、次第に楽曲もこなれていき、一般にも受けやすい作品を作れるようになると、売上枚数も伸びていきました。「風の吹き抜ける場所へ」は名曲です。

 

BLANKEY JET CITY

6代目グランドイカ天キングとして、こちらは本格的なスリーピースロックバンドとして、存在感を示しました。あまり大衆に媚びを売るような感じではなく、メジャーデビュー後しばらくは苦戦しましたが、次第に支持を集め後半売上も上昇。イカ天での知名度を利用して、デビュー当初の実績が一番高いバンドが多い中、イカ天から離れた後に支持を増やして昇り詰めていった稀有な存在です。

 

BIGIN

他のバンドとはまったく個性を異にしたオリジナリティの強いバンドということで、番組内では2代目グランドイカ天キングを獲得し、デビュー後も数々の息が長く支持される名曲を送り出しています。たまに次いで2組目の紅白歌合戦出場も果たしています。

 

RABBIT

イカ天キングとしては3週勝ち抜きを果たしメジャーデビュー。しばらくはパッとしませんでしたが、ドラマ主題歌として起用された「Thank you my Girl」が20万枚を超えるヒットとなり、意地を示しました。ボーカルの童顔からくる可愛らしさと、ハードめな音楽とのギャップが印象的でした。トップ10入りはないので、参考扱いで、格付けの対象からは外します。

 

■最大売上枚数 ベスト3  

1 さよなら人類 たま 58.9万枚

2 P.S.I LOVE YOU PINK SAPPHIRE 45.2万枚

3 にちようび JITTERIN’JINN 31.9万枚

4 プレゼント JITTERIN’JINN 26.1万枚

5 Thank you my Girl  RABBIT 21.9万枚

たま、PINK SAPPHIRESとも最初の曲がかなり売れて枚数を稼ぎましたが、続けて売ったという意味では、JITTERIN’JINNが3位、4位と頑張りました。5番目にRABBITというのはやや意外でしたが、「Thank you my Girl」はいい曲でしたからね。

 

■最高順位 

1位 …  さよなら人類 たま、  にちようび JITTERIN’JINN

2位 …  P.S.I LOVE YOU PINK SAPPHIRE

3位 … プレゼントJITTERIN’ JINN、  夏祭り JITTERIN’JINN

4位 … 恋しくて BIGIN 

5位 … 抱きしめたい PINK SAPPHIRE、  ダンデライオン BLANKEY JET CITY 

 

結構上位に食い込んでいるバンドが多く、さすが一大ムーブメントを起こした番組だといったところです。その中でも1位を獲得したのはたまとJITTERIN’JINNの2曲ありました。

 

■トップ10入り作品数 

6曲  … BLANKEY JET CITY  

4曲 … JITTERIN’JINN、PINK SAPPHIRE

2曲 … たま 

ここではBLANKEY JET CITYが最多となっています。複数曲をトップ10に送り込んだのは以上4バンドで、AURA、NORMA JEAN、BIGINは1曲のみとなっています。

 

■10万枚以上売上作品数

3曲 … BLANKEY JET CITY、JITTERIN’JINN

2曲 … PINK SAPPHIRE

10万枚以上売ったシングルが複数曲あるのは3バンドのみと、2曲目に苦労していたバンドが多かったようで、プロとして売れ続けるというのはなかなか簡単ではないということなのでしょう。

 

■好きな曲

1 風の吹き抜ける場所へ FLYING KIDS

2 Thank you my Girl RABBIT

3 プレゼント JITTERIN’JINN

4 とまどいの時を越えて FLYING KIDS

5 HELLO GOODBYE PINK SAPPHIRE

番外 夢見る人形 AURA (アルバム収録曲)

こなれてからFLYING KIDSが好きで、上記2曲以外でも「暗闇でキッス」「Christmas Lovers」なんかは気に入ってます。あとAURAも見かけによらずメロディー自体はポップで、「ドリーミング・ナウ」「愛・オーランド」も実は結構好き。ただそれ以上にアルバム曲の「夢見る人形」がいいのですよね。JITTERIN’JINNはアルバムも結構買っていて、アーティストトータルとしては一番好き。ですから「夏祭り」がWhiteberryのものになってしまったような風潮(?)にはちょっと悔しさがあります。

 

一発の威力も確かにインパクトがありますが、やはり長い間活躍しているほうが、格としては上にしたくなる感情はあります。紅白にも2回出場し、売上枚数以上に多くに知られた曲の多いBIGIN、次いで紅白1回出場し今や伝説のバンドと化しているたま、さらにはいか天キング経験ありでチャート上位曲が複数あるJITTERIN’JINN、BLANKEY JET CITY…というようにしてみました

結論:1 BIGIN 2 たま 3 JITTERIN’JINN    

             4   BLANKEY JET CITY     5   PINK SAPPHIRE 

              6 FLYING KIDS