第26回 代表曲と売れた曲は一致するのか

 

ウルフルズ

 

なかなか他には似たバンドがいない独自性の高いバンドという認識で、タイトルにもインパクトのあるものが多いですね。

 

【潜伏期】  1992~1995年

「やぶれかぶれ」「借金大王」「SUN SUN SUN’95」など

最初はまったく売れませんでしたが、コンセプトは最初から確立されていて、それを崩さずに貫いたことで、世の中に見つけられて、ブレイクに繋がったのでしょう。私自身この頃は彼らの存在を知らなかったですし。8th「SUN SUN SUN’95」がようやくヒットチャートの100位以内に顔を出しますが、これが次の予兆だったのでしょうか。

 

【ブレイク】  1995年

「ガッツだぜ!!」

そしてとうとう9thシングルが大ブレイク。彼らの存在を知らなかった者からすると、突如出てきたようなところはありましたが、じわじわとチャートを上がっていき、6位にまで上昇。この曲で紅白歌合戦にも出場することになりました。今までなかったような個性的な楽曲でインパクトは絶大、「ガッツだぜ!!」はまあ売れるでしょうねと言った印象で聴いていました。

 

【人気絶頂期】  1996~1997年

「バンザイ~好きでよかった~」「そら」「ブギウギ’96(ツギハギブギウギ)」

「コマソンNo.1」「それが答えだ!」「かわいいひと」

続く「バンザイ~好きでよかった~」も最高13位ながらも、50万枚を超えるヒットとなり、そこからはトップ10の常連バンドとなっていきます。まさに絶頂期といえる状態で、セールス的にも20万枚前後をキープしていくわけです。

 

【マンネリ期】  1997~1999年

「しあわせですか」「まかせなさい」「あそぼう」「ヤング ソウル ダイナマイト」「夢」

しかしながら、聴いている方にもやや飽きが見え始めたのか、16th「しあわせですか」以降はセールスも停滞し、トップ10からはしばらく遠ざかっていきます。個性が強い分、一通り聴くと、似た感じに思えてしまうようなところがあったのではないかと推測しますが、売上も10万枚を切るようになり、メンバー脱退などもあって、次なる手を模索していたような感じかもしれません。

 

 

【大復活】  2001年

「明日があるさ」

ところが2001年、坂本九のカバー曲としてリリースした「明日があるさ」が、吉本オールスターズ的なRe:Japanとも競作になったこともあり、話題を呼ぶことになります。ウルフルズとしては1997年以来のトップ10入りを果たしただけでなく、過去最大の売上を残し、紅白にも再出場と、まさに大復活となったわけです。

 

【安定期】  2001~2006年

「笑えれば」「がむしゃら」「ええねん」「バカサバイバー」

「暴れ出す」「サムライソウル」など

復活を果たしたウルフルズは枚数的には目立った実績はないものの、オリコン10~20位で安定した順位を掻くシングルが残し、力がいい感じに抜けて、ウルウルズらしい印象に残る作品を次々に送り出していくことになります。

 

【CD末期】  2007年

「情熱 A Go-Go」「両方 For You/泣けてくる」「たしかなこと」

この頃になると世の中的にもCDを売ることが難しくなっていき、売上枚数が低調に。以降ウルフルズは配信でのシングルリリースが中心になっていくのでした。

 

 

■売上枚数 ベスト5   

1 明日があるさ 69.8万枚

2 ガッツだぜ!! 66.3万枚

3 バンザイ~好きでよかった 51.5万枚

4 ブギウギ’96(ツギハギブギウギ) 23.8万枚

5 コマソンNo.1 21.7万枚

上位3曲が抜けていますが、その3曲はわりと競っている印象です。「明日があるさ」を除く4曲は1995~1996年に発売された作品で、やはりこの時代が一番強かったということになるでしょう。その中で「明日があるさ」が1班売上を残したということに、彼らの底力のようなものを感じました。

 

■最高順位 

2位 …  ブギウギ’96(ツギハギブギウギ)

4位 …  明日があるさ 

5位 …  コマソンNo.1、かわいいひと

6位 … ガッツだぜ!!

最高順位でみたときのラインアップがちょっと意外な形にならんでいます。最高は「ブギウギ’96(ツギハギブギウギ)」の2位で、以下をみても、必ずしも売上枚数とリンクしていません。売上枚数3位の「バンザイ~好きでよかった~」は10位にすら入っておらず、ウルフルズのヒットというものは、勢いで短期間に売り上げるというよりは、じわじわと長期にわたって積み重ねていくという作品が多かったということでしょう。

 

 

■代表曲

1 ガッツだぜ!! 

2 明日があるさ、バンザイ~好きでよかった

売上枚数で抜けているこの3曲がやはり代表曲といっていいでしょう。
その中でどれか1曲と言ったら、ブレイクした「ガッツだぜ!!」になるでしょうか。2番目3番目は微妙で、オリジナルで認知度が高い「バンザイ」をとるか、カバー曲だけれど売上1位の「明日があるさ」をとるか、迷うところです。4番目以降は人によってあれこれ変わってきそうなので省略します。

 

 

■好きな曲 ベスト5

1 暴れだす

2 ええねん

3 笑えれば

4 かわいいひと

5 ガッツだぜ!!

私が好きなのは2,000年代前半に出された作品で、力みが消えてややソフトになったような感じが心地よく感じられます。

 

ウルフルズの売上枚数上位3曲「ガッツだぜ!!」「バンザイ~好きでよかった」「明日があるさ」がそのまま代表曲ということでよいでしょう。ただシングルチャートの順位とは必ずしもリンクしないという部分あります。

結論:基本的に売れた曲は代表曲と一致する。ただ週間最高順位だけでみるとかならずしもそうはなっていない。