第19回 この人たちは本当に一発屋なのか
イモ欽トリオ、イルカ、上田正樹
今回は大ヒットしたあの曲が印象的な3組で検証します。
イモ欽トリオ 対象曲「ハイスクールララバイ」
■売上枚数 ベスト3
1 ハイスクールララバイ 104.3万枚
2 ティアドロップ探偵団 19.7万枚
3 ティーンエイジ・イーグルス 3.5万枚
「ハイスクールララバイ」がミリオンを達成しているので、次点作「ティアドロップ探偵団」とのギャップが大きく見えてしまいますが、普通に20万枚近い売上を残していて、当時の人気の高さがうかがえます。
■最高順位
1位 … ハイスクールララバイ
6位 … ティアドロップ探偵団
39位 … ティーンエイジ・イーグルス
そもそもテレビ番組の企画ユニットなので、シングルは3曲のみ。最初の「ハイスクールララバイ」が大ヒットし、その勢いで2曲目もトップ10入りし、勢いが消えたのを3曲目で確認したら、潔く撤退といった感じでしょうか。
結論:そもそも企画グループなので一発屋というのがそぐわないし、そうでなくてももう一曲そこそこ売れた曲があり、一発屋とはいいにくい。
イルカ 対象曲「なごり雪」
■売上枚数 ベスト3
1 なごり雪 54.7万枚
2 雨の物語 34.1万枚
3 FOLLOW ME 15.0万枚
あまりに「なごり雪」が有名なので目立たないのですが、実は「雨の物語」も30万枚以上の売上と立派な実績を残していました。それ以外でも「海岸通り」「FOLLOW ME」も10万枚越え。
■最高順位
4位 … なごり雪
16位 … 雨の物語
24位 … 海岸通り
トップ10入りは「なごり雪」のみ。「雨の物語」は30万枚以上売ったにしては最高16位というのが、目立たない存在にしているのですが、売れ方として瞬間風速は大したことなくても長くじわじわとという形で、演歌的だったということでしょう。
結論:売上枚数の実績をみると、決して一発屋ではない。
上田正樹 対象曲「悲しい色やね」
■売上枚数 ベスト3
1 悲しい色やね 34.8万枚
2 わがまま 15.2万枚
3 TAKAKO 2.2万枚
「悲しい色やね」が突出していますが、意外に「わがまま」が健闘していて、15万枚を売り上げています。ただCDが売れている時代ということもあり、一般的な浸透度はどんなものでしょうか。「わがまま」がヒットしたと捉えることができるかどうか、微妙なラインではありますが。
■最高順位
5位 … 悲しい色やね
34位 … わがまま
67位 … TAKAKO
ヒットチャート上位に食い込んだのは「悲しい色やね」のみ。そしてその10年後にリリースした「わがまま」が辞典ですが、順位的には34位まで。
結論:存在感のあるアーティストではありますが、数字面からすると、まあ一発屋の範疇に入ってくる気はします。