第17回 代表曲と売れた曲は一致するのか

 

安室奈美恵

 

必ずしも得意な年代ではないので、取り上げるかどうか迷ったのですが、ネームバリュー的には外せないと、いうことで、今回は安室奈美恵。 SEPER MONKEY’Sからスタートし、小室哲哉と組んでトップに昇り詰め、社会現象にもなったアムラーを生み出し、その後も結婚、出産のあともコンスタントに作品を出し続け、そして惜しまれつつパッと引退してしまった潔さ。一時代を作ったシンガーといっていいでしょう。一番いい時の印象を残して消えていったので、それ以上に年をとらないというのも、伝説化しやすい要因でもあります。

【SUPER MONKEY’Sからソロ歌手へ】  1994~1995年

「PARADISE TRAIN」「TRY ME~私を信じて~」「太陽のSEASON」「Stop the music」

安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sとしてソロデビューという形になり、2曲目「TRY ME~私を信じて~」で爆発。ヒットチャートの常連歌手の仲間入りを果たしました。ノリの良い作品が続きましたが、どこかアイドルっぽさが残る楽曲ではありました。

 

【小室哲哉プロデュース時代 産休前】  1995~1997年

「Body Feels EXIT」「Chase the Chance」「Don't wanna cry」

「You're my sunshine」「SWEET 19 BLUES」「a walk in the park」

「CAN YOU CELEBRATE?」「How to be a Girl  」「Dreaming I was dreaming」

小室哲哉によるプロデュースが始まるとさらに売上は激増し、計5曲のミリオンセラーを達成、特に「CAN YOU CELEBRATE?」はダブルミリオンという超大ヒットとなります。同時にファッションでも若い女性たちに影響を与え、時代を代表する歌手へとなっていったわけです。そしてそこから結婚と出産という驚きのニュースもあって、一旦産休へと入るのでした。個人的には「Body Feels EXIT」の振りを覚えて、宴会で披露した思い出があります。

 

【小室哲哉プロデュース時代 産休後】  1998~2001年

「I HAVE NEVER SEEN」「RESPECT the POWER OF LOVE」「toi et moi」

「SOMETHING 'BOUT THE KISS」「LOVE 2000」「NEVER END」

「PLEASE SMILE AGAIN」「think of me/no more tears」

引き続き小室哲哉プロデュースが続きますが、セールス的にはやや落ち着きを見せ、トップ10には確実に入るものの、かつてのように出す曲出す曲1位ということはなくなります。その中で「NEVER END」がタイアップもあって売上が伸びました。

 

【脱小室時代】  2001~2007年

「Say the word」「I WILL」「Wishing On The Same Star」

「shine more」「Put 'Em Up」「Wishing On The Same Star」

「GIRL TALK」「WANT ME, WANT ME」「FUNKY TOWN」など

小室哲哉のプロデュースが終わり、セルフプロデュースなどで様々な作詞家作曲家と仕事をするようになっていきますが、順位的にはともかく、売上枚数的には10万枚を割り込むことが多くなります。コンスタントに作品は出し続けますが、目立った作品がなく、はた目からは停滞している印象の時期でした。

 

【復活から引退まで】  2008~2017年

「60s 70s 80s」「WILD」「Break It」「NAKED」

「Sit! Stay! Wait! Down!/Love Story」「Red Carpet」

「Hero」「Just You and I」など

21世紀になって音楽界の環境が変わり、CDの売上だけではヒットを測れない時代ではありますが、停滞状況から10年ぶりにオリコン1位を獲得したのが「60s 70s 80s」で、この曲にはそれまでの曲の雰囲気とはちょっと違っておやっ?と思わせるものがあったように思います。そして最後の1位獲得曲になったのが次の「WILD」でした。そして惜しまれつつ「Just You and I」を最後に引退となったわけです。

 

 

■売上枚数 ベスト5   

1  CAN YOU CELEBRATE? 229.6万枚

2  Don't wanna cry 139.0万枚

3  Chase the Chance 136.2万枚

4  You're my sunshine 109.9万枚

5  a walk in the park 106.7万枚

凄い数字が並んでいますが、この5曲は1995年後半から1997年前半の実質2年に集中しており、意外にピークが固まっている印象で、この時期がアーティストとしての絶頂にあったといってもよいでしょう。

 

■最高順位 

1位 …  Chase the Chance、Don't wanna cry、You're my sunshine、

                 a walk in the park、CAN YOU CELEBRATE?、 How to be a Girl、

                 Dreaming I was dreaming、CAN YOU CELEBRATE?(12cm)、

                 I HAVE NEVER SEEN、60s 70s 80s、WILD

 

11曲で首位を獲得していますが、特定の時期に固まっていて、1995~1998年に9曲、2008~2009年に2曲といったようになっています。

 

 

■代表曲

1  CAN YOU CELEBRATE?

2  Chase the Chance、Don't wanna cry、a walk in the park、

      NEVER END、Love Story、Hero など

 

1位は結婚式での定番曲で紅白での歌唱シーンが印象的だった「CAN YOU CELEBRATE?」でしょう。ただ次点が非常に混戦で、ヒット曲が多いだけに決めるのが難しいです。何曲か候補を考えてみましたが、聴く人によって違ってくるでしょうね。

 

■好きな曲 ベスト5

1    How to be a Girl

2  NEW LOOK (60s 70s 80s)

3  Chase the Chance

1位、3位はカッコよくて好き、2位は他の曲とは雰囲気が違うことで、別の魅力を感じられて好きです。

 

2曲、3曲といわれるとヒット曲や知名度の高い曲がたくさんあって迷いますが、1番のヒット曲はと問われると、これしかないという感じで「CAN YOU CELEBRATE?」なんですよね。

結論:一番の代表曲は1番売れた曲で問題なし。