第16回 この人たちは本当に一発屋なのか
伊藤敏博、五輪真弓、池田聡、あみん
今回は1曲が大ヒットした印象が強い4組のアーティストの一発屋か否かの検証です。
伊藤敏博 対象曲「サヨナラ模様」
国鉄職員ということでも話題になり、制服姿でテレビで歌っている姿が思い浮かびます。
■売上枚数 ベスト3
1 サヨナラ模様 47.9万枚
2 青春18 6.0万枚
3 秋終記 3.9万枚
「ねえねえ」の繰り返しが強く印象に残り、2ndシングルが大ヒットし、国鉄職員の兼任歌手という特異性もあって注目されました。がその後も「景子」などの佳曲をはじめ、シングルも多く発売しましたが、ヒットせず。圧倒的に「サヨナラ模様」が売れて、そこからはだんだん低下。典型的な一発屋歌手の推移をたどっています。
■最高順位
5位 … サヨナラ模様
24位 … 青春18
36位 … 秋終記
まったく売上枚数と同じ順番となっていて、「サヨナラ模様」が際立っています。
結論:一発屋の典型です。
※個人的には「景子」という曲が気に入っています。
五輪真弓 対象曲「恋人よ」
ニューミュージック界の大御所というイメージですが、シングルのヒットとしては、あの偉大な曲がどうしても目立ってしまいますがはたして…
■売上枚数 ベスト3
1 恋人よ 96.1万枚
2 さよならだけは言わないで 26.4万枚
3 リバイバル 12.9万枚
「恋人よ」がミリオンに近い超大ヒットで際立ちますが、10万枚以上売っているのが5曲もあるのですよね。貫禄を感じて、当時から大御所感満載といったアーティストでした。
■最高順位
1位 … 恋人よ
13位 … さよならだけは言わないで
24位 … リバイバル
売上枚数の順番とこちらも全く同じですが、トップ10に入ったのが「恋人よ」一曲というのが、一発屋感を漂わせている要因なのでしょう。
結論:ヒットチャート順位的には一発屋っぽいですが、アルバムを含めた売上枚数実績と漂う大御所感を考慮し、敬意をこめて一発屋からは外しましょう。
池田聡 対象曲「モノクローム・ヴィーナス」
対象曲を引っ提げて伸びやかなボーカルですい星のように現れたボーカリストですが、実際のところはどうだったのてじょうか。
■売上枚数 ベスト3
1 思い出さない夜はないだろう 29.5万枚
2 モノクローム・ヴィーナス 22.8万枚
3 濡れた髪のLonely 8.8万枚
なんと、「モノクローム・ヴィーナス」よりも枚数を売った作品があったとは…。発売当時の音楽界の環境が違うとはいえ、印象とは違う結果にちょっとびっくり。
■最高順位
8位 … 濡れた髪のLonely
9位 … モノクローム・ヴィーナス
14位 … j・e・a・l・o・u・s・y
Before
なんと、「モノクローム・ヴィーナス」よりも順位が上だった作品があったとは…。知名度ゼロから出てじわじわ上り詰めた作品と、知名度が上がってから発売されて一気に買われたシングルとで、瞬間風速的なものの状況が違ったということでしょう。個人的には「j・e・a・l・o・u・s・y」が好きなんですよね~
結論:数字を見ると、一発屋とはいいにくい状況
あみん 対象曲「待つわ」
ポプコンでグランプリを獲得してのデビュー曲「待つわ」は社会現象的なヒットとなりましたが、その後の活躍はどうだったのでしょうか。
■売上枚数 ベスト3
1 待つわ 109.0万枚
2 琥珀色の想い出 17.4万枚
3 心こめて愛をこめて 7.4万枚
デビュー曲「待つわ」が社会的現象となる大ヒットとなり、注目された次の「琥珀色の想い出」が期待されてそこそこ枚数的には残してしますが、落差は大きく、「琥珀色の想い出」をヒット曲といえるのかどうかが微妙な感じではあります。
■最高順位
1位 … 待つわ
9位 … 琥珀色の想い出
18位 … 心こめて愛をこめて
4曲のみのシングルリリースで解散してしまったということで、すい星のように現れて、あっという間に消えてしまった印象。それでもトップ10には2曲目を入れているのですよね。
結論:印象的には一発屋なのですが、次曲もある程度健闘していて、楽曲的にも人気があることに免じて、一発屋の断定はしません。