第4回 この人たちは本当に一発屋なのか
アラジン、飯島真理、石川優子、五十嵐浩晃
日本の音楽界、印象的な1曲の存在が目立ち、一発屋といわれる存在の歌い手さんが数多く表れましたが、本当に一発屋なのか、印象だけで言われていないか、そんなところを検証してみたいと思ってます。今回はこの4組。
アラジン 対象曲「完全無欠のロックンローラー」
■売上枚数 ベスト3
1 完全無欠のロックンローラー 29.9万枚
2 ロックンローラー大放送 4.5万枚
ポプコングランプリを引っ提げていきなりデビュー曲で大ヒット、ただ売れた曲の次の作品は普通勢いである程度売れるものなのですが、アラジンはこの成績。
■最高順位
1位 … 完全無欠のロックンローラー
45位 … ロックンローラー大放送
1位曲の次が45位ですから、次の作品に期待していたお客さん自体少なかったということ。3曲目には完全に消えてしまいました。
結論:まったく混じり気のない純度100%の一発屋!
飯島真理 対象曲「愛・おぼえていますか」
■売上枚数 ベスト3
1 愛・おぼえていますか 27.1万枚
2 1グラムの幸福 5.4万枚
3 セシールの雨傘 2.9万枚
結局「愛・おぼえていますか」の次の「1グラムの幸福」が2番目、その次の「セシールの雨傘」が3番目と、「愛・おぼえていますか」で興味を持った人たちが直後は手をのばしたものの、ヒット景気も長く続かず。とはいっても数年にわたってはトップ100に入り続けていたということで、一定のファンは掴んだともいえそう。個人的にもアニメに興味はなかったのですが、「愛・おぼえていますか」は好きでした。そして飯島さんももっとヒットして欲しかったのですけれどね。
■最高順位
7位 … 愛・おぼえていますか
22位 … 1グラムの幸福
25位 … セシールの雨傘
こちらも売上枚数と全く同じ傾向です。
結論:一発屋と呼んで差し支えないでしょう。
石川優子 対象曲「シンデレラ・サマー」
■売上枚数 ベスト3
1 シンデレラ・サマー 33.1万枚
2 真夜中のラブコール 5.2万枚
3 クリスタル・モーニング 4.7万枚
当時、我が県の地方ラジオ局で毎週日曜日に放送されていたベスト10番組で、なぜか石川優子が強くて、ブレイク前からランクイン。「シンデレラ・サマー」に至っては毎週ベスト3に入っているほど人気があったのですよね。それはともかく、その「シンデレラ・サマー」が枚数的には圧倒していて、他にヒットしたといえるレベルのものはないように感じます。
■最高順位
10位 … シンデレラ・サマー
29位 … 恋のトラブルメーカー
36位 … 真夜中のラブコール
ヒットした次のシングルが「恋のトラブルメーカー」、その次が「真夜中のラブコール」と、一発屋歌手の売上の落ち方の典型的な推移をしています。
ただ、石川優子の場合、ソロ意外にチャゲと歌ったデュエット曲「ふたりの愛ランド」という作品があるのですよね。これが最高3位、枚数43.8万枚という大ヒットで、今も時々テレビで流されたりしますしね。
結論:ソロとしては一発屋という見方もできますが、デュエット曲の大ヒットがあってそれは可哀そう。二発屋ということにしておきましょう。
五十嵐浩晃 対象曲「ペガサスの朝」
■売上枚数 ベスト3
1 ペガサスの朝 42.9万枚
2 ディープ・パープル 9.9万枚
3 街は恋人 8.8万枚
「ディープ・パープル」がもう少しで10万枚といったところで健闘はしていますが、やはり「ベガサスの朝」が突出しています。
■最高順位
3位 … ペガサスの朝
23位 … ディープ・パープル
36位 … 街は恋人
「ペガサスの朝」のヒットから約10年後に発売された「街は恋人」が健闘しているものの、トップ10どころかトップ20入りしている作品も1曲のみと、ここでも「ペガサスの朝」に接近するような作品は生まれていません。
結論:それなりに評価されている曲もあるにはありますが、数字面からすると一発屋の仲間といってよいでしょう。