80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.91

 

中崎英也(作曲家)

この企画も今回を含めてラスト2です。そこでとりあげたのは、私がかなり好きな作曲家の中崎英也。売れ線のメロディーをきちんと仕上げてくるという意味で信頼度が高く、作曲が中崎英也ときくと、とりあえずその曲を聴いてみたいきに駆られます。女性アイドルへの曲が多いですが、本格的なボーカリストへも多く曲を書いていて、さすが職業作曲家といった印象です。

 

中崎英也作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

番外 オレンジの河 今井美樹 (作詞 小林和子 作曲 中崎英也) 

   アルバム曲なので番外ですが、大好きな作品です。

 

20位 1・2・3 稲垣潤一

(76位 0.5万枚 作詞 稲垣潤一 作曲 中崎英也 1988年)

 

19位 濡れた髪のLonely 池田聡

(8位 8.8万枚 作詞 松井五郎 作曲 中崎英也 1987年)

 

18位 早春物語 原田知世

(4位 16.3万枚 作詞 康珍化 作曲 中崎英也 1985年)

 

17位 恋してカリビアン 荻野目洋子

(24位 6.6万枚 作詞 松井五郎 作曲 中崎英也 1985年)

 

16位 渚のダンスパーティー 少女隊

 (14位 7.1万枚 作詞 亜伊林 作曲 中崎英也 1985年)

 

15位 Bye-Byeガール 少女隊 

(13位 9.9万枚 作詞 秋元康 作曲 中崎英也 1985年)

 

14位 静かにきたソリチュード 今井美樹

(25位 3.0万枚 作詞 戸沢暢美 作曲 中崎英也 1988年)

 

13位 秋からのSummer Time 仁藤優子

(10位 3.5万枚 作詞 麻生圭子 作曲 中崎英也 1987年)

 

12位 もう涙はいらない 鈴木雅之

(8位 56.0万枚 作詞 西尾佐栄子 作曲 中崎英也 1992年)

 

11位 あなたのキスを数えましょう 小柳ゆき 

(7位 73.6万枚 作詞 高柳恋 作曲 中崎英也 1999年) 

 

 

10位 君は流れ星 西村知美

(5位 7.2万枚 作詞 売野雅勇 作曲 中崎英也 1986年)

「夢」3部作のおっとりとした曲調が3作続いた後で、それまでよりアップテンポな曲を持ってくることで、路線の転換を図ってきた西村知美4thシングルです。クラスで目立たない私が…というアイドルの初期にありがちな歌詞ですが、そこにテンポのあるメロディーが重なることで、明るくききやすい作品になっています。
 

9位 チェリームーンで踊らせて 少女隊

(88位 0.4万枚 作詞 森雪之丞 作曲 中崎英也 1988年)

少女隊には多くの曲を提供している中崎英也ですが、個人的にはポップで都会的な匂いのするこの作品が好きです。特にサビはキャッチーで、惜しむらくは少女隊の人気がかなり低下してからのリリースになってしまったことで、ほとんどセールスは伸びませんでした。

 

8位 こわれる 小川範子

 (6位 5.8万枚 作詞 川村真澄 作曲 中崎英也 1988年)

小川範子に歌唱力があっただけに、デビュー曲からじっくり聴かせるタイプのマイナーが続いていましたが、この曲で初めてオリコントップ10入り。タイトルのインパクトが強い作品ですが、作品全体としては正統派の歌謡曲といった印象で、ここでもきちんと小川範子のボーカルを生かしたメロディーに仕上げてきました。

 

7位 違う、そうじゃない 鈴木雅之

(9位 31.6万枚 作詞 朝水彼方 作曲 中崎英也 1994年)

鈴木雅之にはいくつかのシングルで作曲をしている中崎英也ですが、その中でも抜群にかっこいいのがこの曲。歌詞もインパクトがありますが、どんどんと何かが迫りくるような緊張感あるメロディーが特にカッコよく、鈴木雅之の代表曲の1つになっています。

 

6位 ガラスの幻想曲(ファンタジー) 島田奈美

(19位 4.2万枚 作詞 森雪之丞 作曲 中崎英也 1986年)

島田奈美のデビュー曲を中崎英也が作曲。一瞬ファンタジーの甘い世界を想像させるものの、実はヒリヒリするような緊張感が伝わるスリリングな作品になっています。

 

5位 遠い街のどこかで… 中山美穂

(3位 67.3万枚 作詞 渡辺美佳 作曲 中崎英也 1991年)

クリスマスで浮かれる街を傍目に、遠距離恋愛中の恋人への想いをとつとつと綴ったラブソングです。寂しさと愛しさの交錯する中でも、クリスマスらしいロマンティックな楽曲に仕上がり、主題歌となったドラマの相乗効果もあって大ヒット。

 

4位 涙をたばねて 小川範子

(13位 4.9万枚 作詞 川村真澄 作曲 中崎英也 1987年)

好きな人に存在を気付いてももらえない10代の片想いのせつなさをしっかりと歌った一曲。8位でも記しましたが、小川範子の歌唱力をいかせるよう、ちゃんと聴かせることができるメロディーです。

 

3位 70年代 中村雅俊

(30位 2.9万枚 作詞 売野雅勇 作曲 中崎英也 1987年)

それほど売れた曲ではないですが、1970年代に青春時代を送ったミュージシャンらしき主人公が甘くそして苦い日々を振り返る映画のような作品で、聴きごたえのある一曲になっています。シーンが浮かぶような歌詞とともに、サビに向かって盛り上がっていくメロディーも大好きです。

 

2位 I Don’t Know! BaBa

(5位 14.3万枚 作詞 森雪之丞 作曲 中崎英也 1987年)

洋楽カバーのデビュー曲に続く2ndシングルを中崎英也が担当。最初に聴いた時から、これは売れそうだなと思わせ、実際にもヒットした売れ線のメロディーで、BaBeの知名度を一気に上げました。ポップで明るくノリの良い、聴くと元気いっぱいになれるそんな万人受けしそうな一曲でした。

 

1位 Believe Again 浅香唯

(2位 17.8万枚 作詞 麻生圭子 作曲 中崎英也 1988年)

1988年に4曲のシングルを出した浅香唯ですが、そのどれもが出来栄えが良く、自身のアイドルとしての人気も絶頂期にありました。そんな1988年の浅香唯の最初のシングルは、しばらく続いたロック色が強めの重い感じの曲から一転、キャッチーでメロディー重視の曲へと転じてくるわけで、その起点となったのがこのシングルです。知名度も上がり、いよいよ大勢に向けて浅香唯をアピールしていこうと、万人受けしやすい曲で勝負をかけてきたなと思わせる作品でした。