80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.87
高見沢俊彦(作詞・作曲家)
THE ALFEEの楽曲ではもちろん多くのヒット曲を作り出していますが、他のアーテイストへの提供曲も結構あります。いかにも高見沢俊彦らしいちょっとくせのある感じの曲が、実は歌って気持ちよかったりするのですよね。
高見沢俊彦作曲作・ベスト10
★=80年代発売
10位 初恋に気づいて 後藤久美子
(10位 3.4万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1988年)★
ゴクミの2ndシングルはデビュー曲に続いての暗いマイナー曲ということで、当時の人気の割にはパッとしない結果で終わってしまいました。作詞も高見沢俊彦が手掛けていますが、いまいち面白みのない楽曲で、手堅く行きすぎた感はあります。
9位 Windy Boy 薬師丸ひろ子
(12位 4.4万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1989年)★
薬師丸ひろ子の透き通った声にぴったりな透明感ある作品です。歌詞も高見沢俊彦が手掛けていますが、THE ALFEEの楽曲の歌詞を彷彿させるような語句が多数出てきて、いかにも高見沢って感じの歌詞になっています。
8位 ツキ 猿岩石
(4位 40.6万枚 作詞 高井良斉 作曲 高見沢俊彦 1997年)
藤井兄弟の次はTHE ALFEEと人気アーティストに曲を提供してもらったということで、当時の猿岩石の勢いを感じさせます。枚数的にも結構出ているのですよね。作品そのものはまじめで教訓めいた歌詞になっていて、高見沢俊彦のメロディーも高見沢「らしさ」を強く感じる一曲ではないでしょうか。
7位 真赤なウソ 明石家さんま
(17位 8.0万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1987年)★
作詞作曲ともに高見沢俊彦が担った作品ですが、とにかく明石家さんまのための曲といった軽薄な女たらしの歌となっています。言い訳をつらつら並べてほざいた最後に一言で茶化しちゃうという、まあふざけた歌でもあるのですが、高見沢俊彦作詞作曲といわれると、なるほどと思ってしまうところがありました。
6位 若草の招待状 新田恵利
(3位 8.1万枚 作詞 秋元康 作曲 高見沢俊彦 1987年)★
ちゃんと聴くと、THE ALFEEっぽさを感じる新田恵利への提供曲。爽やかで耳なじみの良いアイドルソングにしっかりと仕上げています。
5位 し・の・び・愛 柏原芳恵
(9位 8.0万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1985年)★
こちらは同じアイドルへの提供でも、ねっとりしっぽりの不倫ソング。ということで作詞も高見沢俊彦が担当。柏原芳恵だったらこの曲を歌えるでしょうが、新田恵利にはちと無理でしょ。そもそも高見知佳が歌っていたのを、タイトルと詩を変えて柏原芳恵が歌って陽の目があたったもの。大人の歌でしたね。
4位 大きなお世話サマー とんねるず
(3位 11.6万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1987年)★
ダジャレをかましたタイトルと歌詞に、グループサウンズを彷彿させるメロディーで、遊び心に富んだ作品。まさにとんねるずにしかこの手の歌は提供できないでしょう。それでも高見沢俊彦らしさにあふれているのですよね。
3位 The Stardust Memory 小泉今日子
(1位 37.4万枚 作詞 高見沢俊彦、高橋研 作曲 高見沢俊彦 1984年)★
小泉今日子には何曲か作品を提供していますが、その中でももっとも正統派のアイドルソングっぽいのがこの作品。少女から大人になる時期の悲しい別れを、きれいに美しくくるんだような歌詞で、小泉今日子が少し大人っぽい曲へとシフトしていこうというような意図を感じました。
2位 木枯らしに抱かれて 小泉今日子
(3位 27.9万枚 作詞 高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1986年)★
小泉今日子の代表曲として人気の高い曲です。冬の寒さに切ない片想い中の心が染み入ってくるようで、1986年の年末からロングヒット。小泉今日子にとっても新境地のような楽曲となり、大きなきっかけになった作品ではないでしょうか。
1位 ハートブレイカー 小泉今日子
(6位 9.5万枚 作詞 高橋研、高見沢俊彦 作曲 高見沢俊彦 1985年)★
当時あった12インチシングルといわれたもので、通常シングルよりどうしてもセールス面で落ちてくるのは仕方ないのですが、とにかくメロディーがかっこいいのですよね。小泉今日子の3曲が上位独占になってしまいましたが、どれも違うタイプの曲というのが凄いところ。その中で最も高見沢俊彦らしさがあふれた曲がこちらではないでしょうか。