80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.86
松本隆(作詞家)
いよいよ大御所中の大御所、偉大な作詞家の松本隆をとりあげます。あまりに作品数が多くて、多数もれてしまうのは残念ですが、それでも少しでも多く拾いたいので、ランキングは80年代限定の20曲、プラス70年代、90年代以降をおまけに作成しました。
90年代はKinKi Kidsへの提供が目立ちます。
10位 ローレライ ゴスペラーズ (11位 2008年)
9位 薄荷キャンディー KinKi Kids (1位 2003年)
8位 ボクの背中には羽根がある KinKi Kids (1位 2001年)
7位 ときめいて 西田ひかる (7位 1991年)
6位 魂を抱いてくれ 氷室京介 (2位 1995年)
5位 シンデレラ・クリスマス KinKi Kids (1位 1998年)
4位 ジェットコースター・ロマンス KinKi Kids (1位 1998年)
3位 CRESCENT MOON 中島美嘉 (4位 2002年)
2位 二人静 中森明菜 (3位 1991年)
1位 硝子の少年 KinKi Kids (1位 1997年)
70年代から幅広いアーティストへ歌詞を提供してのがわかります。
松本隆作詞曲・ベスト10 70年代篇
10位 パープル・シャドウ 高田みづえ (16位 1978年)
9位 ポケットいっぱいの秘密 アグネス・チャン (6位 1974年)
8位 愛染橋 山口百恵 (10位 1979年)
7位 東京ららばい 中原理恵 (9位 1978年)
6位 赤いハイヒール 太田裕美 (2位 1976年)
5位 むさし野詩人 野口五郎 (2位 1977年)
4位 てぃーんず ぶるーす 原田真二 (6位 1977年)
3位 セクシャルバイオレットNo.1 桑名正博 (1位 1979年)
2位 タイム・トラベル 原田真二 (4位 1978年)
1位 木綿のハンカチーフ 太田裕美 (2位 1975年)
さて本題へ移りましょう。
松本隆作詞曲・ベスト20 80年代限定
すべて=80年代発売
20位 内心、Thank You The 東南西北
(43位 2.7万枚 作詞 松本隆 作曲 久保田洋司 1986年)
期待されて評価も高かったものの、短い期間で消えてしまったバンドThe 東南西北の歌詞を松本隆が書いています。さよならを予感した切ない恋心を少ない言葉で見事に表現した歌詞に、久保田洋司のメロディーが染み入ります。♪三叉路で見つめあったまま 動けない影ふたつ…三叉路というのがいいですね。
19位 Rock‘n Rouge 松田聖子
(1位67.4万枚 作詞 松本隆 作曲 呉田軽穂 1984年)
普段は女性に慣れているふりでカッコつけているくせに、実は大してモテていないし、いざというときには緊張してしまう彼氏。そんな自分に夢中な彼氏を、本当は愛しく思っている感じをコミカルに描いていて、とっても可愛らしい歌詞がいいです。
18位 JINGI・愛してもらいます 中山美穂
(4位13.8万枚 作詞 松本隆 作曲 小室哲哉 1986年)
年下の男の子に対して、経験豊富なお姉さん的な上から目線で、私と付き合いたいなら力ずくではなくて、心から本気で好きな気持ちを表しなさい!的な感じが逆にとっても可愛らしくて好きです。
17位 探偵物語 薬師丸ひろ子
(1位84.1万枚 作詞 松本隆 作曲 大滝詠一 1983年)
こちらはまた言葉少なめなのですが、いろいろな心情を想像させる不思議な歌詞になっています。夏の前の海辺で恋人と二人でいる状況はわかるのですが、♪好きよ でもね 多分 きっと という曖昧な感じが、なんともいえない余韻を残すのです。
16位 卒業 斉藤由貴
(1位67.4万枚 作詞 松本隆 作曲 筒美京平 1985年)
すっかり名曲としての地位を獲得してしまった斉藤由貴のデビュー曲です。♪でももっと哀しい瞬間に 涙は取っておきたいの とか ♪過ぎる季節に流されて 逢えないことも知っている といった、すべてお見通しといった女の子の冷めた視線が、卒業ソングとしては斬新だったのではないでしょうか。
15位 君は天然色 大瀧詠一
(36位 9.1万枚 作詞 松本隆 作曲 大瀧詠一 1981年)
昔の彼女と過ごした楽しかった若き日々を懐かしむような、アルバムを眺めて想い出の中に入り込んで今頃彼女どうしているかなぁなんて思いを馳せているような、そんな感覚にさせてくれる歌詞が心地よいです。
14位 赤道小町ドキッ 山下久美子
(2位 40.8万枚 作詞 松本隆 作曲 細野晴臣 1982年)
山下久美子に初めての大ヒットをもたらした作品は、化粧品キャンペーンソングだけに、言葉一つ一つにインパクトと刺激がある歌詞になり、これぞ南の国といった熱い作品になっています。
13位 Lucky Chanceをもう一度 C-C-B
(3位 21.7万枚 作詞 松本隆 作曲 筒美京平 1985年)
意中のあの子をいよいよ口説き落とそうかという瞬間に、ライバルだったり、ポリスマンだったりと邪魔が入り続けてそれ以上進むのを妨げられてしまうコミカルでトホホな歌詞がとにかくユニーク。♪君たちNo No No とボーカルの掛け合いも面白く、C-C-Bならでは作品になっています。
12位 不自然な君が好き C-C-B
(2位 14.5万枚 作詞 松本隆 作曲 関口誠人 1986年)
続けてのC-C-Bですが、サガンの小説だったり、シルクのブラウスだったり、スケッチブックのイラストとポエムだったり、とにかくこの女の子が浮世離れした感じで、二人の関係はいったい何なんだと想像を掻き立てる独特の歌詞になっています。
11位 スニーカーぶる~す 近藤真彦
(1位 104.7万枚 作詞 松本隆 作曲 筒美京平 1980年)
近藤真彦のデビュー曲でいきなりミリオンセラーを達成。青春時代をスニーカーとともに歩いてきた彼女との別れに、胸をかきむしられるような悲しみに襲われる心の内をキャッチーに描いた歌詞は、単なるジャニーズアイドルのヒット曲という枠を超えた名作ではないでしょうか。
10位以内は次回です。