80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.82

 

網倉一也(作詞・作曲家)

作曲家としてよくあるシンガーソングライター崩れ(言い方悪いですが…)で作曲家に専念し、多くのヒット曲に携わってきた網倉一也。特に田原俊彦と郷ひろみには多くのシングル曲を提供するなど、男性アイドルとの相性が良かったように思えます。

 

網倉一也作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 ガラスの夏 柏原よしえ

(21位 10.3万枚 作詞 松田侑利子 作曲 網倉一也 1981年)

柏原芳恵のブレイク前の曲ですが、初めて10万枚を超えるセールスを残すなど、着実にステップアップしている中での一曲です。作品としては地味で、特にサビに行くまでが結構暗い。それでも彼女の歌唱を生かした作品で、この2曲後のブレイクの踏み台となったことには違いないでしょう。

 

9位 サニーサイドコネクション 三原順子

(14位 16.9万枚 作詞 竜真知子 作曲 網倉一也 1981年)

三原順子デビュー時からのクールでアダルトな路線の中の一曲で、求められるものをそのまま素直に吐き出したらこんな感じになったという気がします。

 

8位 顔に書いた恋愛小説 田原俊彦

 (1位 25.1万枚 作詞 三浦徳子 作曲 網倉一也 1984年)

ちょっと変わったタイトルが目を引くこの作品は、演奏が途中で一瞬とまって音がなくなるトリッキーなところが印象に残ります。田原俊彦にはたびたび曲を提供していて、この曲はオリコン1位を獲得しています。

 

7位 誘惑スレスレ 田原俊彦

(1位 38.3万枚 作詞 宮下智 作曲 網倉一也 1982年)

いきなり♪男は顔じゃないよ というフレーズでグッと掴まれてしまいますが、いかにも歌謡曲っぽいコーラスをつかって盛り上げたりと、なかなか面白い作品です。

 

6位 白いハンカチーフ 堀ちえみ

(7位 14.2万枚 作詞 大津あきら 作曲 網倉一也 1984年)

それまでの堀ちえみの作品よりもややハードめの印象の作品でしたが、ひとつひとつ歌手としての幅を広げていこうという中で、網倉一也が新しい一面をうまく引き出したというところでしょう。

 

5位 ピエロ 田原俊彦

(1位 33.0万枚 作詞 来生えつこ 作曲 網倉一也 1983年)

それまでの甘いイメージから、ちょっと男っぽくなったトシちゃんをアピールするにはもってこいの一曲。サビのメロディーがカッコよくて好きです。

 

4位 How many いい顔 郷ひろみ

(8位 29.9万枚 作詞 阿木燿子 作曲 網倉一也 1980年)

これぞ郷ひろみというど真ん中のメロディーラインに、阿木燿子らしいちょっとドキッとさせるような歌詞がマッチして、アイドル郷ひろみの中期の代表曲の1つになっています。歌いやすいのでカラオケで歌っても気持ちよいです。

 

3位 南風 -SOUTH WIND- 太田裕美

(22位 11.5万枚 作詞・作曲 網倉一也 1980年)

作詞も担当したこの曲は、キリンオレンジのCMに使われましたが、その映像にもピッタリとはまって、爽やかな南風を感じる聴き心地のよい1曲になっています。この爽やかさは、今回の網倉一也の作品ラインアップの中ではやや異色の感はありますが、紅白でも歌うなど、順位以上に印象に残る作品でした。

 

2位 マイレディー 郷ひろみ

(8位 34.9万枚 作詞・作曲 唐沢晴之助 1979年)

唐沢晴之介名義になっていますが、こちらも網倉一也の別名ということで、4位曲と同様にTHE 郷ひろみの世界を完璧に創り上げています。カラオケで歌うと、♪あ~このままでは胸がはりさけそうだ の冒頭部分でいきなり自己陶酔の中に入り込め、そしてサビでは気持ちよ~く歌いまわせて、好きです。

 

1位 悲しみ2ヤング 田原俊彦

(2位 38.0万枚 作詞 網倉一也 作曲 網倉一也 1981年)

グリコのCMソングとして起用されて話題になった作品で、英語のセリフを言った後砂浜のつもりでグラウンドを走り回るということをよく友達と真似していたものです。哀愁を秘めながらも、ちゃんとかっこいいメロディーは網倉一也のナンバー1でしょう。