80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.81
三浦徳子(作詞家)
80年代を代表する女性作詞家で、特にアイドルたちは男女問わず、ほとんどの人が一度はどこかでお世話になっています。とにかく送り出した作品数も数多く、当然ながらいろいろなタイプの歌を創り出していますが、2023年に亡くなられてしまいました。今回は20曲を選んでみました。
三浦徳子作詞家・ベスト20
★=80年代発売
20位 CAT‘S EYE 杏里 ★
19位 ZUTTO 永井真理子
18位 嵐の素顔 工藤静香 ★
17位 ベストセラー・サマー TUBE ★
16位 そばにいるね ribbon
15位 真夜中のドア~Stay With Me 松原みき
14位 クレイジーラブ 堀ちえみ ★
13位 6番目のユ・ウ・ウ・ツ 沢田研二 ★
12位 ラブ・シュプール 田原俊彦 ★
11位 てれてZin Zin 竹本孝之 ★
10位 モニカ 吉川晃司
(4位 33.9万枚 作詞 三浦徳子 作曲 NOBODY 1984年)★
大型新人として大々的にデビューした吉川晃司の最初の曲を作詞したのが三浦徳子。日本語を英語っぽく歌う独特の舌づかい(?)を最初から意識したのかしていないのかわかりませんが、まさにこの一曲だけで、吉川晃司の個性的な歌い方が確立されたという意味で、歌詞の役割は大きかったでしょう。
9位 処女的衝撃! シブがき隊
(3位 20.9万枚 作詞 三浦徳子 作曲 井上大輔 1983年)★
時々インパクトのあるフレーズやワードをぶっこんでくる(?)三浦徳子ですが、当時バリバリのアイドルの曲としてはちょっと刺激的ですね。しかしこれをきっかけにシブがき隊はこの強気で少しエッチな路線をしばらく進んでいくわけで、その点でシブがき隊のターニングポイントになった作品のような気がします。『ZIGZAGセブンティーン』も三浦徳子が作詞。
8位 渚のライオン 早見優
(10位 16.8万枚 作詞 三浦徳子 作曲 筒美京平 1983年)★
ブレイクした『夏色のナンシー』の次のシングルも三浦徳子が続けて作詞。この歌は1コーラスめの最後♪Bang Bang Bang のところが可愛らしくて好きです。こういった1か所で印象に残すというのも三浦徳子は上手ですね。そのほか『ラッキィ・リップス』『Me☆セーラーマン』も作詞しています。
7位 夏の扉 松田聖子
(1位 56.8万枚 作詞 三浦徳子 作曲 財津和夫 1981年)★
初期の松田聖子には三浦徳子の存在は欠かせませんでしたが、その中で最もアイドルソングらしい一曲がこれではないでしょうか。1台の車が、通りを歩く男女二人を道の両側に分け、その離れた距離で会話をする男女…このあたりの描写がさすがです。
6位 君に薔薇薔薇…という感じ 田原俊彦
(3位 36.5万枚 作詞 三浦徳子 作曲 筒美京平 1982年)★
この歌もタイトルがキャッチーで、それだけでグッとひきつけられる力があります。「バラバラ」と「薔薇薔薇」をかけた歌詞も聴いているだけで面白く、このあたりは作詞家としての遊び心にあふれています。トシちゃんには『シャワーな気分』『顔に書いた恋愛小説』も作詞しています。
5位 東京Sugar Town 堀ちえみ
(3位 14.2万枚 作詞 三浦徳子 作曲 芹澤廣明 1984年)★
夕立ちに降られた人影まばらなビーチから、部屋へ場所を移していく中で、二人の距離感にもどかしさを感じている女性側の気持ちをいろいろ想像させられる歌詞が面白いです。堀ちえみには他に『リ・ボ・ン』も作詞しています。
4位 パープルタウン 八神純子
(2位 56.4万枚 日本語詞 三浦徳子 作詞・作曲: Ray Kennedy・Jack Conrad・David Foster・八神純子 1980年)★
アメリカへのあこがれがまだまだ強く残る80年代初頭、恋人から離れて身を置いたニューヨークでの時間での思いを雄大に描いた歌詞が印象的で、大ヒットに繋がりました。他に『みずいろの雨』『想い出のスクリーン』『ポーラ・スター』なども作詞。
3位 ス・ト・リ・ッ・パ・- 沢田研二
(6位 36.4万枚 作詞 三浦徳子 作曲 沢田研二 1981年)★
刺激的な作品を送り続けたこの時代のジュリーですが、この曲はタイトルだけでもオッ!と思わせるものがあります。なにが「ストリッパー」なのかということが、歌詞を聴けばわかるよという、こういう技巧を凝らしたところは作詞家としての腕の見せ所。とにもかくにも印象的な歌詞です。他には『渚のラブレター』といった全く違ったタイプの作品も三浦徳子が作詞。
2位 お嫁サンバ 郷ひろみ
(6位 27.3万枚 作詞 三浦徳子 作曲 小杉保夫 1981年)★
当時はなんだこのふざけた歌詞はと思うところもあったのでしょうが、今になってもなお郷ひろみの代表曲として残り続けているところをみると、完全に作り手側の勝利でしょうね。とにもかくにも♪1、2、サンバ、 2、2、サンバ に尽きます。『もう一度思春期』『純情』『哀愁ヒーロー』も三浦徳子が作詞。
1位 チェリーブラッサム 松田聖子
(1位 67.4万枚 作詞 三浦徳子 作曲 財津和夫 1981年)★
松田聖子4枚目のシングルは、これから芸能界の中で大きく羽ばたこうとしている当時の彼女の状況にぴったりな歌になっています。まっすぐなラブソングではありますが、白いキャンバスに何でも好きなものを描けてしまうような明るい未来が開けている感じが、財津和夫のメロディーとあいまって、気持ちが高揚していくのです。『青い珊瑚礁』『裸足の季節』『風は秋色』も三浦徳子が作詞。
【上記で触れていない主な作品】
『気ままにREFLECTION』杏里、『万華鏡』岩崎宏美、『恋人たちのキャフェテラス』柏原よしえ、『大きな森の小さなお家』河合奈保子』、『ひとり街角』小泉今日子、『卒業』沢田聖子、『FOREVER』少女隊、『もう泣かないで』瀬能あづさ、『ミラクル・ガール』『やさしくなりたい』永井真理子、『リトル☆デイト』ribbon、『男のコになりたい』酒井法子、『笑ってよ』光GENJI など