80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.71

 

小田裕一郎(作曲家)

キャッチーでポップな作品を得意にしているイメージの小田裕一郎。特に石川秀美、デビュー直後の松田聖子、田原俊彦といった特定のアイドルとの関りが強い印象です。個人的にも好きな曲が多くて、今回のランキングの作成もなかなか楽しい作業となりました。

 

小田裕一郎作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 CAT‘S EYE 杏里 

(1位 82.0万枚 作詞 三浦徳子 作曲 小田裕一郎 1983年)

アニメとの相乗効果で大ヒットとなった一曲を小田裕一郎が作曲しています。ポップでスピード感のあるノリの良い作品が、アニメのイメージにも合致して、多くの人々に支持されることになります。小田裕一郎最大のヒット曲。杏里には『オリエンタル・ローズ』も提供しています。

 

9位 哀しみのブリザード 石川秀美 

(29位 5.4万枚 作詞 麻木かおる 作曲 小田裕一郎 1982年)

2ndシングルの路線を引き継いだ石川秀美3rdシングル。このあたりから、石川秀美=夏の海、サーフボード、といったイメージが強くなっていくのですよね。そしてこの作品は♪ひらく ひらく ひらく のたたみかけるところがなんといってもポイントでしょう。

 

8位 風は秋色 松田聖子 

(1位 79.6万枚 作詞 三浦徳子 作曲 小田裕一郎  1980年)

松田聖子3rdシングルで、この曲までを小田裕一郎が作曲をしています。前作の大ヒットに気をよくしてか、敢えて前作にちょっと似せて作ったような作品です。ポップで聴きやすく、サビもきちんとインパクトを残してくれる手堅いシングルです。

 

7位 涙のペーパームーン 石川秀美  

(15位 13.2万枚 作詞 麻木かおる 作曲 小田裕一郎 1983年)

石川秀美4thシングルはポップで楽しい楽曲となり、初めてオリコンのトップ20入りと10万枚越えを果たした作品。デビュー直後から続けて石川秀美のシングルを担当してきて、ようやく花が開いてきたという感じの頃ですね。石川秀美にはこうした明るい感じの曲が合っているように思いました。

 

6位 恋=Do! 田原俊彦  

(1位 59.8万枚 作詞 小林和子 作曲 小田裕一郎 1981年)

トシちゃんの3rdシングルで、歌って踊って楽しいアイドルポップスに仕上がっています。ここで小田裕一郎を起用してきたということは、やはりこういったポップでノリの良い路線を狙って起用したのでしょうね。

 

5位 青い珊瑚礁 松田聖子 

(2位 60.2万枚 作詞 三浦徳子 作曲 小田裕一郎 1980年)

デビュー曲『裸足の季節』に続き、松田聖子が大爆発した出世作を作曲していたのが小田裕一郎。当時の松田聖子の伸びやかな声が最大限に生かされたサビのメロディーが秀逸です。輝く未来に向けて大きな海が開けていくような希望しか感じられません。

 

4位 ゆ・れ・て湘南 石川秀美

(29位 8.7万枚 作詞 松本隆 作曲 小田裕一郎 1982年)

石川秀美の2ndシングルですが、彼女のパブリックイメージに一番近い作品がこの曲ではないでしょうか。ただ底抜けに明るい夏の海の歌というわけではなく、去りゆく夏、去り行く思い出、去り行く君への思いを切々と綴った実はけっこう寂しくて悲しい作品なのですよね。

 

3位 Sea Loves You~キッスで殺して 石川秀美 

(10位 6.2万枚 作詞 売野雅勇 作曲 小田裕一郎 1985年)

石川秀美の中ではこの曲が一番好きなのですよね。時期としてはちょっと年上の女性のラインで模索している時期ですが、その中でもとりわけポップで明るいのがこの曲。変にセクシー系に行かず、カラッとした感じで歌っているのが好きです。今回挙げた以外にも『妖精時代』『バイバイサマー』『めざめ』『夏のフォトグラフ』など多くの曲を石川秀美には提供しています。

 

2位 アメリカン・フィーリング サーカス 

(5位 47.6万枚 作詞 竜真知子 作曲 小田裕一郎 1979年)

この曲が小田裕一郎にとっての最初のヒット曲になるのでしょうか。サーカスを世に送り出した『Mr.サマータイム』のもんもんと鬱屈した背徳ソングから一転、爽やかでスケール感のあるラブソングが出来上がり、サーカスにとって2年連続の大ヒットとなりました。

 

1位 グッドラックLOVE 田原俊彦

(3位 49.5万枚 作詞 小林和子 作曲 小田裕一郎 1981年)

1~3位は僅差で日によって変わってきそうなのですが、悩んで選んだのが曲。同名の主演映画の主題歌ということもあり、トシちゃんにとって『悲しみ2ヤング』に続くシリアス路線。この曲、とにかくメロディーが好きなのですよね。そしてアレンジもドラマティックに仕上がっていて、サビにいくまでに気持ちがぐんと入り込んでいくのです。歌っても気持ちいいですし。好きです。その他トシちゃんには『エル・オー・ヴイ・愛・N・G』も提供。