80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.69
大津あきら(作詞家)
47歳という若さで亡くなった作詞家です。俳優の根岸季衣さんと結婚していたとのこと。そもそもは劇団で使われる歌を作っていたということで、珍しいルートから作詞家になった印象です。奇を衒わないまっすぐで誠実な歌詞には好感が持てます。
大津あきら作詞曲・ベスト10
★=80年代発売
10位 夕焼けの歌 近藤真彦
(7位 7.6万枚 作詞 大津あきら 作曲 馬飼野康二 1989年)★
捨てるように故郷から都会へ飛び出してきたものの、冷たいアスファルトの中でふと弱気になりかける心を、いやいやとなんとか奮い立たせようとする気持ちがひしひしと伝わってきて、マッチの新しい魅力を引き出した作品です。
9位 愛の中へ 渡辺徹
(6位 21.0万枚 作詞 大津あきら 作曲 木森敏之 1982年)★
大ヒット曲『約束』も大津あきらが作詞していますが、よりダイナミックな愛を感じさせるこの曲の方が、個人的には好きなのですよね。♪街並 菫模様(すみれいろ) とか、♪光色のパークアヴェニュー といった色を感じさせるワードが作品自体に色気をつけているようで、私は好きです。
8位 心からオネスティー 稲垣潤一
(30位 3.0万枚 作詞 大津あきら 作曲 松本俊明 1990年)
恋人との別れを決めて、それぞれの道へ分かれて進んでいこうとするその瞬間の寂しさ、切なさ、感謝、願い、希望のようなものが入り混じった感傷にさせられる一曲です。誠実さが伝わってきます。
7位 白いハンカチーフ 堀ちえみ
(7位 14.2万枚 作詞 大津あきら 作曲 網倉一也 1984年)★
意外と女性アイドルへの提供が少ない大津あきらですが、この曲は10代の一途な恋愛をまっすぐに描いたアイドルソングになっています。大津あきらとしては貴重な女性アイドルに提供したトップ10ソングですね。
6位 さよならのオーシャン 杉山清貴
(4位 20.3万枚 作詞 大津あきら 作曲 杉山清貴 1986年)★
杉山清貴のソロデビュー曲で作詞を担当。オメガトライブ時代のイメージを大きく逸脱しない、海をテーマにしたリゾートソングになっており、まさに注文通りの仕事をしているといったところでしょう。
5位 マイ・クラシック 佐藤隆
(28位 14.6万枚 作詞 大津あきら 作曲 佐藤隆 1984年)★
独特の節回しのメロディーでスマッシュヒットとなった佐藤隆最大のヒット曲。次の『カルメン』と併せて大津あきらが作詞を担当。くせの強いメロディーを引き立てる女性を崇拝するような歌詞が、オリジナルな世界を創り出しています。
4位 輝きながら… 徳永英明
(4位 28.6万枚 作詞 大津あきら 作曲 鈴木キサブロー 1987年)★
徳永英明がブレイクするきっかけとなったこのCMソングは大津あきらが作詞していました。CMに出ている南野陽子も歌っている徳永英明にもぴったりの透明感ある作品ですね。続く『風のエオリア』も大津あきらが作詞。
3位 TIME ZONE 男闘呼組
(1位 35.4万枚 作詞 大津あきら 作曲 Mark Davis 1989年)★
男闘呼組のシングル曲の多くを大津あきらが作詞。その中でもCMソングとして起用され、その映像が印象的だったこちらを選んでみました。夢のために恋人と別れを告げて去っていく胸の内を描いた歌詞になっています。『DAYBREAK』『秋』『DON’T SLEEP』も大津あきらの作詞となっています。
2位 セシル クリスタルキング
(33位 7.2万枚 作詞 大津あきら 作曲 山下三智夫 1982年)★
過ぎ去った夏の日の恋を振り返りかつての恋人のことを懐かしむ歌詞が、せつなく美しいメロディーと透き通る声が見事に調和して、隠れた名曲になっています。もっと売れて欲しかったです。
1位 心の色 中村雅俊
(1位 69.7万枚 作詞 大津あきら 作曲 木森敏之 1981年)★
春夏秋冬、東西南北を進みまくり、サンセットやサンセットに出逢い続けるダイナミックでスケール感のある歌詞が、曲をさらにドラマティックに盛り上げています。個人的にも大好きな曲で、こちらを1位にさせていただきました。