80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.68

 

見岳章(作曲家)

一風堂のメンバーとして『すみれ September Love』をヒットさせた後にグループは解散。その後ソロ活動を開始しましたが、作曲・編曲家としての活動がメインになり、80年代にはおニャン子やとんねるずなど秋元康肝いりのアーティストを中心に作品を生み出しました。なんといっても1位曲を作ったというこれだけでも功績は大といえるでしょう。演歌系の曲も結構作っているところが面白いところです。

 

見岳章作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 ついて行けない -がんばれボーイフレンド- ゆうゆ 

(6位 3.7万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1988年)

ゆうゆのコミカルなイメージを前面に打ち出した4thシングルで、ゆうゆがチャートのトップ10に入るのはこれが最後。ファンなら買うかもしれませんが、という程度の楽曲です。

 

9位 あじさい橋 城之内早苗 

(1位 15.5万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1986年)

おニャン子から演歌歌手が誕生し、演歌として初めての初登場1位を達成したという事で話題になりました。演歌専門の作家ではなくて、とんねるずで実績のあった見岳章を起用したというところが、やっぱりおニャン子なんだなという感じでしょうか。爽やかな演歌です。

 

8位 やぶさかでない とんねるず 

(2位 17.5万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1986年)

当時のとんねるずは、ジャンルにとらわれず、次はどんな手を繰り出してくるのかというところが楽しみでしたが、このシングル曲は映画との絡みもあり、いまひとつはじけなかった印象はあります。

 

7位 ぽろり物語 CHA-CHA 

(13位 4.4万枚 作詞 及川眠子 作曲 見岳章 1989年)

タイトルだけ聞くと変な想像をしてしまいそうですが、本音が「ぽろり」という歌です。CHA-CHAの根幹である喜劇的な作品を系統していて、歌謡曲テイストのメロディーは見岳章の得意とするところでしょう。

 

6位 私は里歌ちゃん ニャンギラス 

(1位 17.7万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1986年)

こんな歌が人をおちょくったような歌がオリコン1位を獲得してしまうのですから、今考えるとおおらかで呑気な時代です。見岳章作曲ですが、どういう思いでこの仕事に関わっていたのか、聞いてみたいものはあります。

 

5位 恋はくえすちょん おニャン子クラブ 

(1位 12.3万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1986年)

おニャン子全盛のこの頃は、メンバーのソロ曲の方が話題の中心で、全体での歌の方がむしろ注目度は低かったように思います。作品的にも、それまでの曲と比べると大人しめの印象は否めませんし、まあなんでもよかったのでしょうね。

 

4位 一気! とんねるず  

(19位 11.0万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1984年)

とんねるずが世の中に浸透し始めた頃に出されたシングルで、まださほど注目度が高かったわけではないので、売れる売れないよりも、好き放題やっている感じですね。勢いは充分に感じられます。

 

3位 歌謡曲 とんねるず

(2位 25.0万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1986年)

タイトルからして遊びまくっているのですが、まあその通りの歌謡曲です。一風堂のイメージからはかけ離れたほぼ演歌の世界ですが、どうも作曲家としての見岳章はそっちのジャンルの方が得意だったように見受けられます。なかなかいい曲だと思います。

 

2位 雨の西麻布 とんねるず 

(5位 22.1万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1985年)

こちらのヒットで味をしめて、次作『歌謡曲』でも同じ路線を敷いたとんねるず。ちょっとお茶らけながらも、演歌としても聴かせる曲に仕上げ、特に木梨憲武の芸達者ぶりが際立っています。

 

1位 川の流れのように 美空ひばり 

(8位 41.8万枚 作詞 秋元康 作曲 見岳章 1989年)

やはりなんといっても作曲家見岳章としてのトピックはこの曲になるでしょう。美空ひばりが亡くなってかなりの年月が過ぎた今でも歌い継がれるスタンダードナンバーを作曲したのが見岳章なのですよね。今回の10作中4曲が演歌・歌謡曲系の曲ということで、見岳章の歌謡曲的センスが最大限に生かされた作品となりました。