80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.66

 

ちあき哲也(作詞家)

作詞家として最初からスタートしているようで、演歌もアイドルもニューミュージックもと幅広いジャンルの歌に歌詞をつけていました。特に矢沢永吉との関りは深く、たくさんの歌詞を提供しています。

 

ちあき哲也作詞曲・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 ヨイショ! 近藤真彦  

(1位 19.1万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 長沢ヒロ 1985年)

時々シングルのラインアップにコミカル路線を挟んでいた近藤真彦ですが、この曲もそんなライン上にある作品。合いの手のようなコーラスが印象的ですが、内容よりも言葉のインパクトを重視した歌詞となっています。

 

9位 モンテカルロで乾杯 庄野真代 

(5位 31.4万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 筒美京平 1978年)

前作の大ヒットで注目されたシングルは、同じ作家のコンビでこちらもまたヒット。海外を舞台にした大人のラブソングはどこか映画のシーンを思わせるような雰囲気があり、そこが受けて続けてのヒットに繋がったのでしょう。

 

8位 国道ささめ雪 狩人 

(38位 6.6万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 杉本真人 1978年)

国道の冬道を走りながらいろいろと思いをめぐらす男の胸の内が、背景とともに浮かんでくるような味わいのある歌詞になっています。

 

7位 吾亦紅 すぎもとまさと  

(2位 34.6万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 杉本眞人 2007年)

紅白で歌って火が付いた作品で、ベテラン作詞家ならではの説得力のあるなかなか重い歌詞になっています。母親のことを思って歌った歌詞は、心にぐっと響くものがあります。

 

6位 Joy 石井明美 

(19位 7.6万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 筒美京平 1987年)

別れに際してもまだ相手の男のことを思う女心が切なく伝わってくる佳曲です。悲しげで寂しいながらも一方でどこか清々しさを感じさせる味わい深い歌詞で、石井明美にとってもそれまでのイメージと異なる挑戦となった作品でした。

 

5位 姫様ズーム・イン 森川美穂

(36位 3.7万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 小森田実 1986年)

ポップで明るいメロディーとは対照的に、かなり上から目線で男に対して文句を言いづつけている風変わりで面白い歌詞になっています。強気な女言葉の歌詞はちあき哲也の歌詞の中ではかなり個性的。

 

4位 YES MY LOVE 矢沢永吉

(8位 34.3万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 矢沢永吉 1982年)

矢沢永吉はプロの作詞家に歌詞を依頼することが多く、松本隆、秋元康、売野雅勇、大津あきら、松井五郎など有名どころには一度は必ず関わっているのですが、その中でもちあき哲也は回数が多いです。そしてちあき哲也作詞曲の中で最もヒットしたのがこの作品。言葉の数は少ないのですが、それがどっしりゆったりとした味わいになって、心地よい作品に仕上がっているのですね。

 

3位 飛んでイスタンブール 庄野真代 

(3位 46.3万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 筒美京平 1978年)

庄野真代の代名詞となったヒット曲。サビの部分で踏んでいる韻が聴いていて気持ち良いので、自分もトルコへ飛んで行っているような気分になる歌詞が秀逸です。

 

2位 仮面舞踏会 少年隊 

(1位 47.8万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 筒美京平 1985年)

御存じ少年隊のデビュー曲で、ちあき哲也の作詞したシングルの中で最も有名な曲かもしれません。とにかくいきなりセンセーショナルにデビューした少年隊の登場に、ひと役買っていたことは間違いありません。歌詞もメロディーも、それまでのジャニーズとは違って、いきなりちょっと大人っぽいところからスタートしたことが戦略的にもうまくいったように思います。

 

1位 ベガサスの朝 五十嵐浩晃 

(2位 42.9万枚 作詞 ちあき哲也 作曲 五十嵐浩晃 1980年)

無名だったカーリーヘアの青年を一躍ヒット歌手へと押し上げた爽やかな一曲です。わりと重めな歌詞が多い印象のちあき哲也ですが、こちらは恋とも友情ともつかない男女の関係を爽やかな綴っていて、とにかく歌っていても聴いていても心地よいのです。CMにもぴったりとはまって、ヒットの一助となりました。