80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.65
加藤和彦(作曲家)
ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして活躍後ソロに転向。そこから今度はサディスティック・ミカ・バンドを結成と、いろいろな形で音楽界に足跡を残していますが、作曲家として70~80年代にかけてたくさんのヒット曲を手掛けています。どこかフォークっぽいエッセンスをもった素朴で優しい曲が多いような印象はありますね。夫人だった安井かずみが作詞、作曲が加藤和彦という組み合わせがやっぱり多くなっています。
加藤和彦作曲作・ベスト10
★=80年代発売
10位 悲しみよこんにちは 高岡早紀
(15位 2.4万枚 作詞 真名杏樹 作曲 加藤和彦 1988年)★
高岡早紀の6thシングルまでのすべてを加藤和彦が作曲を担当しています。文芸的な匂いのする作品が多く、この作品もその流れにある3rdシングル。若干70年代っぽい雰囲気が漂う曲になっています。
9位 わたし・ドリーミング 西村知美
(3位 10.2万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1986年)★
ほんわかした西村知美の雰囲気にぴったりくるような穏やかで優しい作品になっています。この作品もフォークソングっぽい要素がありますね。
8位 ブルージーン・ピエロ 稲垣潤一
(30位 4.6万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1985年)★
稲垣潤一が独特のボーカルで歌うと、どんな曲も稲垣潤一ならではの曲になってくるもので、加藤和彦の作ったこのメロディーはけっして派手ではないですし、キャッチーでないのですが、稲垣潤一はしっかりと自分の作品に仕上げているのです。
7位 だいじょうぶマイ・フレンド 広田玲央名
(33位 4.6万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1983年)★
乃生佳之、そして加藤和彦自身との共作となった作品で、同名タイトルの映画とも連動し、当時そこそこ話題になりました。優しさを感じさせるゆったりとしたメロディーは加藤和彦の得意とするところという感じがします。
6位 愛してモナムール 岩崎良美
(25位 8.5万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1982年)★
メロディーはポップ、タイトルにもあるようなフランスっぽさに、日本の歌謡曲が織り交ざったような作品です。当時の岩崎良美はいろんなタイプの作品に挑戦しているようなところがあって、その中で加藤和彦には、この曲のほか『どきどき旅行』でも曲を提供してもらっています。
5位 夕暮れ物語 伊藤つかさ
(9位 20.4万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1981年)★
デビュー曲が大ヒットし、次の2ndシングルに選ばれたのがこの曲です。いかにも加藤和彦らしい作品ですが、その素朴さと伊藤つかさのキャラクターが重なったのでしょうね。純で素朴、そんな一曲になり、2曲続けてのトップ10入りを果たしました。
4位 あなたとハプニング 石川秀美
(8位 9.7万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1985年)★
ちょっとセクシーなお姉さん路線の歌を続けていた時期の石川秀美に曲を提供。そんなコンセプトがあってかなくてか、他の加藤和彦提供作品群とはやや違った雰囲気の作品ではあります。
3位 卒業 沢田聖子
(50位 5.0万枚 作詞 三浦徳子 作曲 加藤和彦 1982年)★
イルカの妹分沢田聖子の一番売れたのがこの曲。この頃って「卒業」というタイトルの作品を出すと、それなりに売れるような雰囲気があって、その先駆け的な位置づけになったのがこの曲でしょう。
2位 不思議なピーチパイ 竹内まりや
(3位 39.2万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1980年)★
初期の竹内まりやは、プロの作家の作品を歌っていたのですが、特にこの作品は化粧品のキャンペーンソングということもあって、春らしいポップな曲調が支持された、竹内まりやにとって初めてのトップ10入りの大ヒットとなりました。しっかりと売れ線のメロディーを期待にどおりに仕上げてきました。
1位 愛・おぼえていますか 飯島真理
(7位 27.1万枚 作詞 安井かずみ 作曲 加藤和彦 1984年)★
アニメ映画との連動もあって、飯島真理にとっては大きなヒットとなった作品。彼女の透き通った声が、美しくゆったりとしたメロディーに見事に調和して、壮大かつ清らかな曲に。個人的に大好きな作品で、こちらを1位としました。