80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.64

 

沢ちひろ(作詞家)

すでにお亡くなりになっている女性作詞家で、80年代後半から90年代前半を中心に活躍。あまり詳細な経歴等はわからないのですが、アイドルや女性ボーカリスト中心に詩を提供していました。

 

沢ちひろ作詞作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 ふたり 沢田知可子 

(37位 2.5万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 山口美央子 1992年)

のちに揉めることになる沢田知可子にはたくさんの歌詞を提供。こちらは幸せ感あるラブソングとなっています。

 

9位 幸せになろう 沢田知可子 

(38位 13.4万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 沢田知可子 1994年)

こちらも10位と同系統のラブソングです。どうしても1位曲のイメージが強い沢田知可子ですが、ハッピーな曲も結構歌っているのですね。

 

8位 もいちど 西城秀樹 

(圏外 作詞 沢ちひろ 作曲 栗林誠一郎 1991年)

ようやくたどり着いた町で君を見つけたという大人のラブソングですが、チャートからももれてしまい、歌手西城秀樹としてどうしていくのか、試行錯誤が見られるような印象です。

 

7位 あふれる涙 BIGIN 

(圏外 作詞 沢ちひろ 作曲 BIGIN 1992年)

言葉が少なく抽象的な歌詞なので、その分いろいろと想像させられる面はあります。沢ちひろとBIGINという組み合わせが面白いです。

 

6位 メロディ 高井麻巳子 

(1位 16.3万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 明日香 1986年)

なぜか秋元康が詩を書いていない高井麻巳子のシングルでしたが、2thシングルは沢ちひろが作詞を担当。高井麻巳子のキャラクターに会った優しい歌になっています。

 

5位 ミッドナイト・シャッフル 近藤真彦 

(4位 70.2万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 ジョー・リノイエ 1996年)

近藤真彦復活の一発となったシングルですが、この歌の作詞が沢ちひろだったというのはちょっと意外でした。わりと観念的な歌詞ですが、男臭さが強めで、他の沢ちひろの作品とは違う雰囲気になっています。いずれにせよ、歌手近藤真彦に最後の花火を打ち上げさせたという意味では大きな仕事となりました。

 

4位 かげろう 高井麻巳子 

(1位 10.7万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 八田雅弘 1987年)

高井麻巳子4thシングルで沢ちひろが2度目の起用となりました。6位曲と世界観は似ていて、心の内に秘めた思いをせつせつと歌っています。うしろゆびさされ組での楽曲とはまったく違う路線で徹底している感がありありでした。

 

3位 NO WONDER 松本典子 

(29位 1.4万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 芹澤廣明 1986年)

当時迷走気味だった松本典子でしたので、セールス的にはパッとしませんでしたし、必ずしも彼女にピッタリの歌かといわれると、う-む…という感はあります。ただ作品としてはけっして悪くないし、しっかり歌詞を読むと、等身大の女の子の恋心が表現されていて、結構いい感じなんですよね。

 

2位 ラブ イズ Cash レベッカ 

(54位 3.8万枚 作詞 Nokko、沢ちひろ 作曲 土橋安騎夫 1985年)

沢ちひろが最初に世に出てきたのがこのあたりでしょう。レベッカとしては『フレンズ』でブレイクする直前あたりで、当時よりも後で知られるようになった曲です。NOKKOと共作というのもこの曲ぐらいで、いろんな意味で面白い存在の作品です。

 

1位 会いたい 沢田知可子 

(6位 105.6万枚 作詞 沢ちひろ 作曲 財津和夫 1990年)

ミリオンセラーを達成した沢田知可子の大ヒット曲がやはり1位でしょう。もっともこの曲については、のちに歌詞をめぐるゴタゴタがあって、みそをつけてしまいましたが、若くして亡くなってしまった彼氏への思いを綴った歌詞が、多くの人々の心を打ち、歌い継がれる作品となりました。