80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.59

 

飛鳥涼(作詞・作曲家)

もちろんCHAGE&ASKAの多くの楽曲の作詞作曲を手掛けていますが、他のアーティストへもたくさんの楽曲を提供しています。特に初期の光GENJIへの楽曲の提供は有名で、光GENJIの人気大爆発へ大いに貢献したことになります。それ以外にもいろいろなアイドルに詩や曲を提供し、チャゲアスへの楽曲とはまた違った感じの幅広い作品を作っているところには才能を感じさせられたものです。

 

飛鳥涼作詞作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 ふたり 少年隊

(2位 25.2万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1988年)

少年隊の2大バラードのうちの一曲ですが、これが飛鳥涼の作った歌という認識は、流行っている当時にはなかったですね。『君だけに』の路線でまたヒットを狙ったのでしょうが、惜しくも2位。飛鳥らしいといえばそう聴こえるし、らしくないといわれれば、そうかもなと思うような、そんな一曲でした。

 

9位 サカナ跳ねた 芳本美代子 

(31位 1.3万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1988年)

アイドル歌手としてはピークを過ぎたミッチョンでしたので、売上は伸びませんでしたが、せつなくもしっとりとした佳曲に仕上がっています。ちょっと変わったタイトルで気をひきますが、歌詞がなかなかユニーク。絶対自分の歌にはかかないような歌詞が、飛鳥涼の別の一面を見るようで面白いです。

 

8位 ゴールドウィンド 長山洋子 

(74位 1.0万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1985年)

長山洋子の中では目立たない曲なのですが、夏らしさ全開の浮かれたポップな曲調が個人的には好きなのですよね。あまり長山洋子のイメージにはないような楽曲ですし、歌詞も結構遊んでいるので、この感じが後の光GENJIの楽曲にも繋がっていったのではないかなんて思っています。

 

7位 フィルムの向こう側 南野陽子 

(1位 12.3万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1989年)

南野陽子最後のトップ1獲得シングルの作詞・作曲者が飛鳥涼です。いかにもアイドルソングという雰囲気のメルヘンチックで可愛らしい歌詞で、独特の世界を創り上げています。こういったファンタジックで童話的世界の歌詞が、飛鳥涼の他のアーティストへの歌詞の提供の中でよくみられるような気がします。

 

6位 Little Birthday 光GENJI

(2位 23.6万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼、佐藤準 1990年)

飛鳥涼が光GENJIに提供した最後のシングル曲で、それまでのわんぱくで幼い感じから、ちょっと落ち着いた感じになっています。とはいっても、プールを舞台にした恋愛のドキドキ感、そしてキラキラ感が半端なく伝わってきて、これがまたいいのですよね。飛鳥涼の作家としての引き出しの広さを認識させられました。

 

5位 おんなになあれ 森川美穂 

(18位 6.3万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1987年)

これまた飛鳥涼のイメージにはない作品に仕上げているという印象の一曲です。CMソングにも起用され、森川美穂自身のそれまでのシングルよりも多くの売上を残すことができました。春らしく、女性らしく、そんな歌詞にぴったりなメロディーです。

 

4位 1億のスマイル 酒井法子  

(2位 9.1万枚 作詞 森浩美 作曲 飛鳥涼 1988年)

酒井法子にはこの1曲、作曲のみでの提供ですが、前後の酒井法子の曲と比べてもまったく違和感がなくて、飛鳥臭をほとんど消してしまっている印象です。ちゃんとしたアイドルソングで、のりピーのキャラに完全に合わせ切っている、そういう意味では間違いなくプロの作曲家でした。

 

3位 パラダイス銀河 光GENJI 

(1位 88.9万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1988年)

光GENJIの人気が大爆発した3rdシングル。とにかくよくわからない「しゃかりきコロンブス」といったワードの使い方が冴えまくり。少年たちが現実を飛び出して冒険に向かうようなワクワク感があふれた一曲になっています。

 

2位 ボヘミアン 葛城ユキ 

(3位 41.4万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 井上大輔 1983年)

今は亡き葛城ユキにとって唯一のヒット曲という点で、大きな一曲になったことでしょう。飛鳥涼は作詞のみということで、珍しいパターンではありますが、歌詞についてはチャゲアスの雰囲気を感じさせるものになっていて、そういう意味では詩だけではあっても飛鳥「らしさ」の濃い作品ではないでしょうか。

 

1位 ガラスの十代 光GENJI 

(1位 68.1万枚 作詞 飛鳥涼 作曲 飛鳥涼 1987年)

ロングセラーとなった光GENJIの2ndシングルは、10代の傷つきやすい繊細な心を描いた作品となっていて、楽曲も良い出来栄えです。3位の爆発に向けた布石となった大事なシングルでもあり、この曲を1位にしました。個人的には振り付けを覚えて、一人光GENGIをカラオケで踊り、最大の武器にしていました。そのほか『荒野のメガロポリス』『STAR LIGHT』も飛鳥涼が手掛けたシングルです。

 

【その他の主な作品】

『Midnight Taxi』中山美穂、『Love Affair』清水宏次朗、『Dear コバルトの彼方へ』荻野目洋子など