80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.52

 

NOBODY(作曲家)

そもそもNOBODYとは二人組ロックバンドだったのですが、次第に作曲の仕事が増えていき、80年代に多くのヒット曲に関わるほどになりました。当然ながらロック調の作品が多くなりますが、初期の吉川晃司には特に大きな役割を担いました。そんなNOBODY作曲の10曲。

 

NOBODY作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 NIGHT OF SUMMER SIDE 池田政典 

(7位 7.4万枚 作詞 売野雅勇 作曲 NOBODY 1987年)

池田政典唯一のオリコントップ10入りシングルは、ハイウエイを舞台にした疾走感あふれるトレンディ・ラブソングといったところでしょうか。バブル絶頂期に向かって浮かれまくっているこの時代の空気感がビンビンと伝わってくる一曲です。

 

9位 サヨナラは八月のララバイ 吉川晃司 

(6位 22.3万枚 作詞 売野雅勇 作曲 NOBODY 1984年)

初期の吉川晃司に曲を提供することの多かったNOBODY。この曲は大ヒットしたデビュー曲に続く2ndシングルで、曲の感じとしてはデビュー曲を踏襲した形になっていて、スピード感とそこはかとない哀愁の両方を感じさせる曲になっています。

 

8位 モニカ 吉川晃司 

(4位 33.9万枚 作詞 三浦徳子 作曲 NOBODY 1984年)

デビュー曲でいきなり吉川晃司という存在を世の中に知らしめることとなったヒット曲。このあとの吉川晃司の原型を作り上げたともいえる曲で、それを作ったのがNOBODYということになります。巻き舌気味に歌うサビの歌詞にのったメロディーが強く印象に残りました。

 

7位 六本木心中 アン・ルイス 

(12位 29.6万枚 作詞 湯川れい子 作曲 NOBODY 1984年)

1983年から1986年頃のアン・ルイスは作曲にNOBODYを起用することが多くて、ロック色の特に強い時期だったともいえるでしょうが、その中でもやがてカラオケのスタンダードとなり、アン・ルイスの代表曲になったのがこの作品です。アン・ルイスの良い意味でのケバさと楽曲の派手さ華やかさが見事にマッチした結果がヒットに繋がったのでしょう。

 

6位 C-Girl 浅香唯 

(1位 27.8万枚 作詞 森雪之丞 作曲 NOBODY 1988年)

浅香唯にも何曲か曲を提供しているNOBODYですが、その中でも最大のヒットとなり、アイドル浅香唯としての頂点を極めた一曲がこの作品。夏の化粧品のキャンペーンソングということもあり、これぞ夏のアイドルソングといったド直球の作品をNOBODYが送り込んできました。

 

5位 LUV-YA アン・ルイス 

(25位 11.1万枚 作詞 吉田美奈子 作曲 NOBODY 1983年)

NOBODYのアン・ルイスへの提供曲の中では個人的に一番好きなのがこの作品です。とにかくカッコよくて、短めのイントロからのサビ頭のところで、いきなり心をガチっと掴まれました。『六本木心中』や同じくNOBODY作曲の『あゝ無情』ほどのハードさ、派手さはないのですが、その分キレがあって鋭い感じがあります。

 

4位 フラミンゴ in パラダイス 荻野目洋子

(7位 14.6万枚 作詞 売野雅勇 作曲 NOBODY 1986年)

『ダンシング・ヒーロー』の次のシングルということで、大事なところにNOBODYを起用してきた荻野目洋子陣営。前作ほどのキャッチーさはなかったものの、荻野目洋子はこの路線で行くぞというのを示したという意味では重要な曲になりました。そしてセールス面でも、アーティストパワーもある程度確固たるものになったことを明確にしました。そのほか荻野目洋子には『Dance Beatは夜明けまで』『ストレンジャーtonight』でNOBODYが曲を提供しています。

 

3位 You Gotta Chance 〜ダンスで夏を抱きしめて〜 吉川晃司 

(1位 31.0万枚 作詞 麻生圭子 作曲 NOBODY 1985年)

とにかく吉川晃司が好きで、この頃は歌も全部覚えましたし、テレビもよく観ました。4thシングルのこの曲も、今まで以上にカッコいい出来栄えで、NOBODYと吉川晃司の相性の良さを感じさせました。映画ともリンクして初のオリコン1位も獲得。くどいようですが、カッコいい曲でした。

 

2位 にくまれそうなNEWフェイス 吉川晃司 

(1位 26.0万枚 作詞 安藤秀樹 作曲 NOBODY 1985年)

よくこの歌はカラオケでも、吉川晃司の振りをまねて歌ったものです。さすがにNOBODYとは4曲目ということで、吉川晃司の見せ方を心得ているという感じでしたね。見ていてカッコいいし、歌っていても気持ちよい。NOBODY作曲のシングルはこれが最後になりますが、初期の吉川晃司の確立に果たした役割は大きなものがありました。

 

1位 セシル 浅香唯 

(1位 22.9万枚 作詞 麻生圭子 作曲 NOBODY 1988年)

浅香唯には『恋のロックンロール・サーカス』『NEVERLAND』とタイプの異なる曲を提供していますが、なんといってもこの『セシル』は名曲といっていいでしょう。NOBODYのイメージとはちょっと違う感じなのですが、こんなしっとりとしたラブソングでもいい曲に仕上げてくるのはさすが。大ヒットした『C-Girl』の次の曲で、浅香唯としてはまったく違う曲調で攻めてきたのですが、結果としていい曲に巡り合って、これも代表曲の1つになったわけで大成功でしょう。

 

【その他の主な作品】

『浮気な、パレット・キャット』ハウンドドッグ、『Tonight』早見優、『奇跡の女神』光GENJI、『いちごがポロリ』本田理沙などがあります。