80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.50

 

山下達郎(作曲家)

そんなに他のアーティスへの曲の提供は多い方ではありませんが、その分山下達郎が曲を書きましたということが、余計に付加価値になってくるのですよね。特にジャニーズ(旧!)とは係わりも深かったようで、ランキングの中心はジャニーズ勢になります。そしてそのほとんどがプロの作曲家に徹していて、山下達郎色を前面に出してこないところがまたいいのです。

 

山下達郎作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 Amazing Love KinKi Kids 

(1位 25.5万枚 作詞 KinKi Kids作曲 山下達郎 2022年)

45枚目のシングルは原点に戻っての山下達郎作品ということになりました。そしてノルマの1位も達成。さすがにデビュー曲に比べると歌も大人っぽいものになっていますが、KinKiのふたりには山下達郎という存在は、相当大きいものなのでしょう。

 

9位 HAPPY HAPPY GREETING  KinKi Kids 

(1位 60.9万枚 作詞 松本隆 作曲 山下達郎 1998年)

KinKi Kids5枚目のシングルも山下達郎作曲となっています。新年を祝う歌ということで、ミディアムテンポの穏やかで優しい作品として伝わってきます。あまり達郎達郎していない感じで、KinKiにはKinKi用の曲をちゃんと仕上げてきていて、このあたりは自分が歌う曲とは違ったアプローチをしているように感じました。

 

8位 復活LOVE 嵐 

(1位 54.1万枚 作詞 竹内まりや 作曲 山下達郎 2016年)

なんと作詞が竹内まりやということで、夫婦共作となっています。しかも嵐の48thシングルです。ただ楽曲としては結構難しい曲で、曲を聴いただけでは竹内まりや&山下達郎という組み合わせを想像するのはちょっと難しいですね。同じジャニーズでも、歌い手によっていろいろと書き分けている感はあります。

 

7位 恋のブギ・ウギ・トレイン アン・ルイス 

(89位 0.8万枚 作詞 吉田美奈子 作曲 山下達郎 1979年)

初期に提供した作品ということもあってか、かなり山下達郎っぽさが表面に出た一曲となっています。『RIDE ON TIME』に似た感じもありますね、特にサビの部分が。

 

6位 FUNKY FLUSHIN’ 少年隊 

(10位 4.9万枚 作詞 吉田美奈子 作曲 山下達郎 1992年)

この曲はそもそも山下達郎が歌っていたものを少年隊がカバーした形になっています。敢えて少年隊がなぜこの曲をシングルとして選んだのか分かりませんが、作品としてはこれも山下達郎らしい一曲だと思います。

 

5位 WOMAN フランク永井 

(33位 8.8万枚 作詞 山下達郎 作曲 山下達郎 1982年)

超大御所のフランク永井に曲を提供し、当時話題になった作品ですが、これがなかなかのいい曲なのですよね。山下達郎らしさを十分に出しながらも、大御所の低音ボイスを引き立たせる一曲になっていて、実は作詞までも手掛けているのです。当時まだ新進アーティストといっていい山下達郎にオファーをすることもまた素晴らしいと思います。

 

4位 ハイティーン・ブギ 近藤真彦 

(1位 60.7万枚 作詞 松本隆 作曲 山下達郎 1982年)

『スニーカーぶる~す』『ブルージーンズ・メモリー』そしてこの曲という、たのきん映画の主題歌シリーズの流れで当然のように大ヒット。これを山下達郎が作曲しているわけですが、完全にマッチに合わせにいっているようなかっこいい出来栄えになっています。全盛期のマッチのど真ん中の作品ということで、こういう曲も作れてしまうのが、のちにジャニーズアイドルに重宝される要素なのかもしれません。

 

3位 永遠に秘密さ 近藤真彦 

(1位 23.9万枚 作詞 松本隆 作曲 山下達郎 1984年)

マッチにはもう一曲シングル曲を提供していて、こちらは4位曲とはまったく違った、ゆったりとした気だるさが心地よい作品になっています。この曲に関しては、山下達郎らしさも存分に表現できている印象で、マッチとしてもそれまでに歌ったことのないタイプの曲で勝負というところだってのでしょう、個人的にはこちらの曲の方が思い入れが強いので、『ハイティーン・ブギ』の上としました。

 

2位 ジェットコースター・ロマンス KinKi Kids 

(1位 93.4万枚 作詞 松本隆 作曲 山下達郎 1998年)

KinKi Kidsの3rdシングルは、それまでの哀しみを帯びたマイナーソングから、初めてポップで明るいさわやかなアイドルらしい曲となりました。デビュー曲で大きな実績を残した山下達郎でしたが、この曲も「俺は山下達郎だ」という自我を抑えた感じで、歌い手陣営に沿って曲を作り上げている印象でした。

 

1位 硝子の少年 KinKi Kids 

(1位 179.2万枚 作詞 松本隆 作曲 山下達郎 1997年)

やはり1位は売上枚数でも圧倒的なKinKi Kidsのデビュー曲でしょう。松本隆の詩も秀逸なのですが、それをドラマティックに盛り上げる曲の展開も素晴らしく、売れて当たり前でしょうという感じで、多くの人に歌ってもらえそうなメロディーになっていたと思います。作曲家山下達郎を語る上ではやはり外せない名曲です。