80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.48

 

横浜銀蝿…翔、TAKU、Johnny、嵐(作詞・作曲)

今回はちょっと変則的に、横浜銀蝿メンバーの他のアーティストへの提供曲の特集をしてみます。自分たちの曲だけでなく、他の銀蠅一家のアーティストや、それ以外のアーティストへも結構提供しているのですよね。中には、ぇっ?これ銀蠅?なんていうのもあり、意外とメロディメイカーだったりするわけです。4人とも作詞か作曲の一方またはどちらかを行っていて、それぞれ得意分野も違い、そういった意味ではいいバランスだったように思います。

 

横浜銀蝿メンバー作詞作曲作・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 怪傑ぶんぶんガール 山瀬まみ 

(47位 1.3万枚 作詞 森雪之丞 作曲 浅沼正人 1987年)

浅沼正人というのがJohnnyのことです。正統派路線で楽曲もいい曲をそろえていた山瀬まみですが、なかなか売れずに焦れたか、突然コミカル路線に転じた一曲です。ちょっと意外な作品に関わっていたので、10位に入れて観ました。

 

9位 ぶりっこRock‘ Roll 紅麗威甦 

(6位 16.6万枚 作詞 翔 作曲 翔 1982年)

当時の世相を茶化して歌った、銀蠅一家の弟分グループのデビュー曲です。この路線はやはり翔の作詞作曲になっていて、コミックソング的な要素は本家の『ツッパリHigh School Rockn Roll』シリーズとも戦略的に重なります。

 

8位 大輔・哲太のRock’n Roll 嶋大輔・杉本哲太+1

 (6位 14.6万枚 作詞 翔 作曲 翔 1983年)

銀蠅一家のメンバーを3人そろえての企画ソング。嶋大輔と杉本哲太が三枚目になり切っての掛け合いが楽しい、こちらもコミカルな作品となっています。コミカル担当はやはり翔の作品となります。以外に売れていたのですね。

 

7位 ドリームドリームドリーム 岩井小百合

 (19位 10.2万枚 作詞 TAKU 作曲 TAKU 1983年)

銀蠅一家が送り出したアイドルのデビュー曲ということで、当然楽曲も銀蠅メンバーのTAKUが手掛けたものになっています。TAKUはこういったポップで乗りの良い楽曲を得意としていたように思います。岩井小百合については、2nd『ドキドキHeartのバースデイ・パーティー』が作詞翔・作曲Johnny、4th『恋・あなた・し・だ・い!』が作詞作曲TAKUと、計3曲を銀蠅メンバーが作っています。

 

6位 ホンキでLove me Good!! 三原順子 

(28位 5.4万枚 作詞 TAKU 作曲 TAKU 1982年)

TAKUの作品ということで、ノリの良いポップな作品になっています。三原順子はこの曲で紅白歌合戦に初出場しました。銀蠅自身は当然といっていいか分かりませんが、紅白には出られませんでしたので、自分たちの楽曲がNHK紅白で歌われたというのは、うれしかったのではと想像します。

 

5位 男は道化師さ 嶋大輔 

(18位 7.3万枚 作詞 嵐ヨシユキ 作曲 鈴木キサブロー 1983年)

いろいろな女性の名前を連呼する歌詞が印象的ですが、作詞を嵐が担当。この女性の名前を連呼したパターンは、中島みゆきや後にゴールデンボンバーも使っていますが、名前にも時代が表れていて面白いです。誰でもひとりふたりはその中に身近な人と同じ名前があって、自分と重ねてみたりするのでしょうね。

 

4位 お前だけ I Love You 嶋大輔 

(4位 13.3万枚 作詞 嵐ヨシユキ 作曲 Johnny 1982年)

メロディラインがきれいな曲はJohnnyが担当していることが多いです。この曲は嵐が作詞、Johnnyが作曲という組み合わせですが、せつなげなメロディーが個人的には気に入っています。自身もソロシングルでヒットさせているJohnnyですし、のちにプロデューサーとして活躍することになるのですが、やはり売れるためのセンスというものはメンバーの中でも光っていたと思います。

 

3位 だって・フォーリンラブ・突然 三原順子 

(11位 24.9万枚 作詞 横浜銀蠅 作曲 TAKU 1982年)

紅白で歌った6位よりも、実際にヒットしたのはこちらの方。なぜこれを歌わなかったのかは未だに不明です。それでも、デビュー曲のヒット以降下降していた三原順子が息を吹き返すことができたのは、この曲のノリの良さが三原順子の新しい面を引き出したといえるような気がします。

 

2位 男の勲章 嶋大輔 

(3位 37.7万枚 作詞 Johnny 作曲 Johnny 1982年)

当時はまさかこの曲が後に歌い継がれる歌になるとは想像もしていませんでしたが、今でもたびたびテレビなどで使われるということは、やっぱり名曲なのでしょう。嶋大輔の2ndシングルでしたが、最初聴いた時にこれは売れそうと思いましたからね、実際。さすがJohnnyといったところです。

 

1位 セクシー・ガール 西城秀樹 

(10位 14.2万枚 作詞 横浜銀蠅 作曲 横浜銀蠅 1981年)

この曲、大好きなのですよね。そしてまったく銀蠅のイメージを消してしまっているところが凄いです。作詞も作曲もグループ名での提供になっているので、おそらく共作なのでしょうけれど、作詞の中心は嵐かな、この感じは。そしてきれいなメロディラインの作曲担当の中心はJohnnyでしょうか。西城秀樹のそれまでの歌にはない感じなのも良かったです。