80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.43
伊秩弘将(作詞・作曲家)
80年代の終盤から90年代を中心に作曲や作詞、プロデュースで音楽界に爪痕を残しました。作品の中心は90年代ですが、80年代にもかかっていますので、今回取り上げてみました。
伊秩弘将作詞・作曲作・ベスト10
★=80年代発売
10位 IT’S TOUGH 渡辺美里
(2位 14.9万枚 作詞 渡辺美里 作曲 伊秩弘将 1987年)★
言葉数が多くでノリのよい渡辺美里の曲の中ではファンキーな感じの楽曲になっています。同じような曲調を続けないようにというところが当時の渡辺美里のシングルのラインアップには見られて、この時はこういった曲調の曲を求めていたのでしょうか。
9位 SNOW! SNOW! SNOW! KinKi Kids
(1位 31.7万枚 作詞 秋元康 作曲 伊秩弘将 2005年)
男性への提供というものが実はそんなに多くなくて、ヒット曲というとさらに限定的になります。そんな貴重な一曲がこれです。タイトル通り冬の曲なのですが、タイトルからくる印象よりもずっと重くて難しい曲になっています。
8位 「男」 久宝留理子
(8位 51.1万枚 作詞 久宝留理子 作曲 伊秩弘将 1993年)
それまで全く売れなかったのが、この曲で一気にブレイクして大ヒット、紅白にも出演と、そういう意味では久宝留理子にとっては恩人ともいえそうな伊秩弘将。強気で超上から目線の歌詞が話題になりましたが、曲の方もそれに合わせてインパクトも十分。
7位 恋したっていいじゃない 渡辺美里
(2位 24.6万枚 作詞 渡辺美里 作曲 伊秩弘将 1988年)★
10位の『IT’S TOUGH』とし同系列の曲調で、その路線を狙っての伊秩氏の起用となったのでしょうか。ノリがよくて憂いを感じるところがあまりない、「陽」に徹した作品は、渡辺美里のシングルではあまりないのですよね。そんな貴重な一曲です。
6位 GET SMILE 森高千里
(28位 1.4万枚 作詞 伊秩弘将 作曲 島健 1988年)★
タレントとして歌手としての方向性がまだ定まっていない初期の森高千里の3rdシングルです。当時はロック色の強めな楽曲を歌っていて、これもその流れにある作品でしょう。伊秩弘将は作詞だけを担当しているという珍しいパターン。ディスコとかカード電話とか外車とか、当時のバブルで浮かれた世相を映し出すような歌詞を今改めて読むとまた面白く感じられます。
5位 18のSecret 杉浦幸
(43位 0.8万枚 作詞 伊秩弘将 作曲 伊秩弘将 1987年)★
デビュー当初の勢いがすっかりなくなり、セールス的にもまったく伸びなかったシングルですが、作詞と作曲の両方を伊秩弘将が行っています。それまでは尖った路線の歌を歌うことが多かった杉浦幸にとっては、それまでのイメージを一新する女の子らしくて可愛い曲で、個人的に好きな歌です。伊秩弘将の他の曲と比べても、ちょっと雰囲気が違う印象ですね。
4位 クリスマスまで待てない 渡辺美里
(12位 9.5万枚 作詞 渡辺美里 作曲 伊秩弘将 1991年)
それまでに渡辺美里に提供した2曲とは打って変わって、落ち着いていてスローなテンポから始まるクリスマスソングで、冬のリゾートを背景に恋する気持ちにあふれた暖かいラブソングになっています。
3位 SO BLUE 森高千里
(7位 27.0万枚 作詞 森高千里 作曲 伊秩弘将 1996年)
歌詞の中でオリジナルの世界を確立していた森高千里だけに、こちらは作曲だけを伊秩弘将が担当。失恋ソングだけに切なくて悲しげなメロディーになっていますが、どこか強い意志も感じさせるような値聴き心地の良い作品です。
2位 NEW SEASON 森高千里
(23位 4.4万枚 作曲 斉藤英夫 作曲 伊秩弘将 1987年)★
森高千里デビュー曲で、当時はシンセドラムを叩きながら歌っていましたね。いきなり大ヒットとはなりませんでしたが、これがなかなかいい曲なんですよね。伊秩弘将は作詞のみですが、過去を振り切って、新しい気持ちでスタートしようという気持ちが伝わってきて、前向きになれる一曲です。
1位 White Love SPEED
(1位 184.4万枚 作詞 伊秩弘将 作曲 伊秩弘将 1997年)
SPEEDとは切っても切れない関係であった伊秩弘将。プロデューサーでしたから、当然多くの楽曲の作詞作曲を担当していたわけですが、その中からやはり最も売れたこの曲を1位に持ってきてみました。このタイトル、実は英語としては?らしいですが、まあ雰囲気ですから。『MY GRADUATION』『ALL MY TRUE LOVE』『STEADY』がミリオンを達成など、大ヒット連発でがっぽりか。