80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.41

 

小室哲哉(作詞・作曲家)

やはり全盛期は90年代になりますが、80年代後半から、作曲家として頭角を現してきています。80年代のうちは作詞をほとんど行わず、作曲だけをおこなっていましたが、やがて作詞も覚えてこなすようになったところは、才能だけでなく、その努力も垣間見ることができます。今回は80年代限定でのベスト10です。

 

 

その前に90年代以降の小室哲哉作詞・作曲作ベスト10 

自身の母体であるTM NETWORKとGlobeの曲は除きますが、With tはOKとして。

10位 恋しさとせつなさと心強さと 篠原涼子 (1位 202.1万枚 1994年)

9位 Be Together 鈴木あみ (1位 87.0万枚 1999年)

8位 Body Feels EXIT 安室奈美恵 (3位 88.2万枚 1995年)

7位 CRAZY GONNA CRAZY  trf (1位 158.7万枚 1995年)

6位 Hate tell a lie 華原朋美 (1位 105.9万枚 1997年)

5位 Chase the Chance 安室奈美恵 (1位 136.2万枚 1995年)

4位 TOO SHY SHY BOY! 観月ありさ (4位 36.3万枚 1992年)

3位 survival dAnce~no no cry more~ trf (1位 137.6万枚 1994年)

2位 WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント H Jungle with.t (1位 213.5万枚 1995年)

1位 BOY MEETS GIRL trf (3位 128.5万枚 1994年)

 

では本題。

80年代限定 小室哲哉作曲作・ベスト10 

★=80年代発売

自身の母体であるTM NETWORKや自身のソロシングルは除きます

 

10位 愛を今信じていたい 堀ちえみ

(35位 2.5万枚 作詞 秋元康 作曲 小室哲哉1987年)

堀ちえみのアイドルとしての最後のシングルを小室哲哉が作曲しています。楽曲としては完璧なほどに小室節が炸裂。もっと違う時期であったら、もう少しセールスも残せていたのでしょうが、堀ちえみとしてすでにアーティストパワーの落ちた時期でしたので、あまり陽の目を見なかったのは残念でした。

 

9位 Teenage Walk 渡辺美里 

(5位 19.8万枚 作詞 神沢礼江 作曲 小室哲哉 1986年)

若い女性の本音を歌う代弁者的な作品の多かった初期の渡辺美里。前作でブレイクし、その勢いでいどんだのがこの作品です。同じメロディーの繰り返しによる多用とその中での転調という、こちらもいかにも小室哲哉的なメロディが耳に残ります。

 

8位 ドリームラッシュ 宮沢りえ 

(2位 34.1万枚 作詞 川村真澄 作曲 小室哲哉 1989年)

当時人気絶頂だった宮沢りえのデビュー曲に起用されたのが小室哲哉です。おそらく宮沢りえであれば、曲はどんなでも売れたのでしょうけれど、TM NETWORKのブレイクとともに名前も知れ渡り始めた小室哲哉の作曲家としての安定感を信頼したのでしょう。曲自体は極めて普通です。

 

7位 Good Morning-Call 小泉今日子 

(2位 17.0万枚 作詞 小泉今日子 作曲 小室哲哉 1988年)

小泉今日子のシングルではこれ一曲のみの係わりになりますが、オリコン2位とノルマは果たした感じです。小泉今日子自身が作詞をしていて、そこにいかにも小室哲哉風サウンドがのっかった感じです。

 

6位 BELIEVE 渡辺美里  

(2位 20.6万枚 作詞 渡辺美里 作曲 小室哲哉 1986年)

渡辺美里の飛躍には小室哲哉が欠かせなかったわけで、都会の冷たい空気感がヒリヒリと伝わってくるようなこの曲も、それまでの提供曲とはまた違う雰囲気の作品になっています。

 

5位 ムーンライトダンス 渡辺美里 

(2位 18.5万枚 作詞 渡辺美里 作曲 小室哲哉 1989年)

どこか懐かしさを感じさせるメロディに渡辺美里の歌詞がしっかりとはまり、情感のある作品に仕上がっています。お得意の同じメロディへの繰り返し+転調で小室哲哉らしさも全開。渡辺美里とのコンビネーションもすっかり板についてきて、見事な作品に仕上がっています。

 

4位 My Revolution 渡辺美里 

(1位 44.5万枚 作詞 川村真澄 作曲 小室哲哉 1986年)

渡辺美里にとっても小室哲哉にとっても、世に出る大きなきっかけとなった作品がこれでしょう。渡辺美里にとって最大の代表曲にもなりましたように、多くの人の心に届く楽曲として時代を越えて残っていますね。

 

3位 50/50 中山美穂 

(2位 21.1万枚 作詞 田口俊 作曲 小室哲哉 作曲 小室哲哉 1987年)

人気安定期の中山美穂に提供した作品で、シングルでは2曲目の作曲になります。南のアバンチュールを楽しむ大人の歌は、南国っぽいムードを醸し出したリゾート感あふれる作品に仕上がり、中山美穂のクールな魅力を際立たせています。

 

2位 JINGI・愛してもらいます 中山美穂 

(4位 13.8万枚 作詞 松本隆 作曲 小室哲哉 1986年)

こちらは最初に中山美穂に小室哲哉が提供した曲で、アイドル歌謡らしいポップな作品になっています。この年の中山美穂はアイドルらしく女の子っぽい楽しい作品が多く、その路線の中に小室哲哉の作品もぴったりとはまった印象で、たにかく聴いていて楽しくなります。小室哲哉のアイドル達への提供曲の中でも、もっともアイドルらしい作品といえるでしょう。

 

1位 悲しいね 渡辺美里 

(2位 17.5万枚 作詞 渡辺美里 作曲 小室哲哉 1987年)

冬の名曲です。凍てつくほどの寒さ中で感じる人恋しさと君への思い。渡辺美里自身による歌詞も素晴らしいのですが、100%小室節というメロディがさらに切なさを増幅させ、心に響いてくるのです。渡辺美里には多くの曲を提供している小室哲哉ですが、その中でもこの曲が一番好きです。