80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.30
山口美央子(作曲家)
シンガーソングライターとしても活躍しながら、作曲家としても多くの曲を提供。基本的には女性歌手に曲を提供することが多く、特にアイドル歌手への作品が目立つランキングになっています。
山口美央子作曲作・ベスト10
★=80年代発売
10位 いつか 斉藤由貴
(50位 1.1万枚 作詞 斉藤由貴 作曲 山口美央子 1992年)
2年以上のブランクがあって久しぶりにリリースした斉藤由貴のシングルを作曲したのが山口美央子です。ブランクはあまりに大きく、セールス的にはかつての全盛期が嘘みたいにショボい結果に。曲はけっして悪くはないですが、ファンの聴きたい曲というよりは、本人が歌いたい曲を選んだという印象です。
9位 さよならのチャイム Qlair
(72位 0.7万枚 作詞 西尾佐栄子 作曲 山口美央子 1992年)
あまり売れなかったアイドル3人組の3rdシングルですが、この曲は王道のアイドルソングという感じで、特にサビのメロディーは美しく、もし他の人気のある人が歌っていたら、もっと陽の目を見ていたのかもしれません。そういう意味では提供した先がちょっと残念だった一曲です。
8位 風の中の少年 光GENJI
(2位 16.3万枚 作詞 秋谷銀四郎 作曲 山口美央子 1991年)
今回の10曲の中では唯一の男性ボーカル曲。山口美央子の作る歌はやさしいメロディーが多いので、あまり男性ボーカルとはなじみが悪かったかもしれません。それでも、全盛期を過ぎたとはいえ、さすが光GENJI。チャート上位に食い込む売上を残しています。ただあまり山口美央子らしさは感じられないなあというのが正直なところ。
7位 EQUALロマンス CoCo
(7位 11.9万枚 作詞 及川眠子 作曲 山口美央子 1989年)★
女性アイドルのソロ中心からグループ中心になってきた89年代末期、その代表的存在であったCoCoのデビュー曲を山口美央子が手掛けています。デビュー曲らしく、色のついていない爽やかな楽曲になっていて、まずは無難で手堅く行こうといった製作側の意図が見え隠れしています。
6位 微成年 藤谷美紀
(21位 1.8万枚 作詞 及川眠子 作曲 山口美央子 1989年)★
美少女コンテストでグランプリをとってデビューした藤谷美紀の4thシングルを山口美央子が作曲。デビュー曲がトップ10入りした以降は、セールスが伸び悩んでいた中、いい曲なのですが、地味だったでしょうかね、少し。個人的には結構好きな歌なんですけれど、歌詞が面白くないかな…
5位 WAKE UP! BaBe
(18位 2.4万枚 作詞 森雪之丞 作曲 山口美央子 1988年)★
元気なBaBeのイメージに合わせて、プロの作曲家らしい作品を提供しています。それまでのBaBeの流れをしっかりと汲んだ曲ではありましたが、セールス的には初めてのトップ10外となってしまい、残念な結果に。元気が出るような明るいいい曲ですけれどね。
4位 夏の友達 CoCo
(3位 11.4万枚 作詞 和泉ゆかり 作曲 山口美央子 1990年)
『EQUALロマンス』に続いての2曲目のCoCoへの提供。タイトル通りの夏唄ですが、CoCoのグループとしてのキャラクターらしく、キャビキャビと浮かれている感じではなく、爽やかで穏やかな夏のアイドルソングになっています。
3位 もう夢からさめないで 渡辺満里奈
(9位 3.3万枚 作詞 あさくらせいら 作曲 山口美央子 1988年)★
どこか懐かしさを感じさせるようなメロディーが気に入っています。渡辺満里奈の勢いが下降線に入ってからの曲でしたので、ギリギリトップ10入りというセールスではありましたが、派手ではないけれど切なげで哀愁を漂わすメロディー提供してくれる山口美央子の作曲センスにあふれた一曲。
2位 くしゃみ ともさかりえ
(10位 23.3万枚 作詞 秋元康 作曲 山口美央子 1996年)
この中では一番新しい(とはいっても1990年代ですが…)曲ですが、ともさかりえの持つファニーな魅力を上手にそして楽しく表現したポップなアイドルソングになっています。今回の中では最も明るくテンポの良い作品で、売上枚数では最も実績を残しています(時代の違いが大きいですが)。
1位 テンダー・レイン 高井麻巳子
(3位 5.3万枚 作詞 森本抄夜子 作曲 山口美央子 1987年)★
そして一番がこの曲。優しいメロディーが心地よく耳に入ってきて、高井麻巳子の雰囲気にもピッタリな曲になっています。歌詞の通りの優しい雨が通り過ぎていく感じがメロディーからも感じられるのです。山口美央子の作曲家としての能力を改めて感じさせられました。