80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.22

 

小室みつ子(作詞家)

小室哲哉の曲によく詩をつけていたことで、姉弟じゃないかとか、夫婦じゃないかとかいわれた小室みつ子ですが、実際にはたまたま同じ苗字だったということです。ただ何か縁というか運命を感じさせるものはあります。実際小室みつ子の作詞したヒット曲のほとんどが小室哲哉とのコンビなのですよね。ですからランキングもTMのオンパレードという結果になりました。

 

小室みつ子作詩曲・ベスト10

★=80年代発売

 

10位 OUR DAYS 鈴木あみ 

(1位 46.7万枚 作詞 小室哲哉・小室みつ子 作曲 小室哲哉 1999年) 

鈴木あみのシングルでは3番目に売れた曲で、恋人と別れる際に、あなたのいない明日以降のことをいろいろと思い浮かべては胸を痛めている、そんな悲しい内容の歌詞になっています。

 

9位 RUNNING TO HORIZON 小室哲哉 

(1位 18.9万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1989年)

小室哲哉のソロシングルにも詩を提供している小室みつ子。ただこの1作のみで、次作からは自分で作詞をするようになっています。歌詞の世界としては、TM NETWORKのものとそう大差はありませんが、ボーカルが変わるだけで、曲の雰囲気はゃっぱり変わるものですね。

 

8位 WILD HEAVEN  TM NETWORK 

(1位 39.9万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1991年)

なんとなく聴いていて或いは歌っていて気持ちの良い歌詞です。情感よりもカッコよさ、聴き心地、リズムに乗るか、それらを重視した歌詞で、TMの楽曲の一つの形にはまるものになっています。

 

7位 SEVEN DAYS WAR  TM NETWORK 

(3位 21.8万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1988年)

映画の主題歌ということで、映画の内容を意識したような歌詞となっています。若者たちが大人たちに対して、或いは社会に対して立ち向かって自分たちの場所を掴むんだというような気持ちが込められた歌詞ですね。権力への対峙を歌うという形もまたTMの得意のひとつになっています。

 

6位 Get Wild  TM NETWORK 

(9位 23.1万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1987年)

ご存じTMがブレイクするきっかけとなったシングルで、今もTMの一番の代表曲となっています。セールス的にはさほど良くはないのですが、やはりイントロから始める音のカッコよさに見事にはまった歌詞が効いているのではないでしょうか。特に英語詩の部分ですよね。なんとかカッコよく歌えないものかと、まねをして練習したものです。

 

5位 BE TOGETHER 鈴木あみ 

(1位 86.9万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1999年)

鈴木あみのシングルで最も売れた曲ですが、もともとはTM NETWORKのアルバムに入っていた曲で、12年経ってカバーして大ヒットになったわけです。クラクション、セラミック、プラスティック、リアリティ、エモーション、フォルテシモ、カサノバ、ペナルティ…ところどころで挿し込まれるカタカナの言葉が、リズムの中でわりと強いインパクトを与え、独特の端切れを作り出しています。ですから、ほんとは宇都宮隆の方が私は好きです。

 

4位 KISS YOU  TM NETWORK  

(4位 11.1万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1987年)

当時としてはまだ少なかったラップを取り入れた意欲作。当時の社会とか文明とかを風刺するようなワードを並べていて、歌詞としても面白みを感じます。ただ曲の印象としてはかなり斬新さが際立ち、オリコン順位は高いものの、セールス的にはあまり伸びなかったです。でも私は好きです。

 

3位 RESISTANCE  TM NETWORK 

(6位 11.6万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1988年)

アルバムの収録曲からのカットシングルということもあって、ドラマの主題歌に起用されたわれにセールスは伸びなかったのですが、個人的にはカッコいい曲だと感じていて、かなりお気に入りです。明日を見つめて力強く進もうとする君にエールを送るような歌詞ではありますが、レジスタンスというちょっと激しめの尖った言葉の響きが立ち向かう強さを際立たせているようでもあります。

 

2位 DIVE INTO YOUR BODY  TM NETWORK

 (2位 30.3万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1989年)

TM NETWORKの他の曲とはちょっと違った味わいの真夏の夜のリゾート感を味わえる作品となっています。光のピラミッド、ゼブラが夜空に飛ぶ、踊る地上の熱帯魚、真夜中に昇る太陽などなど独特の描写がワクワク感を掻き立て、不思議な世界の中に引き込まれていきます。

 

1位 Self Control  TM NETWORK 

(33位 3.9万枚 作詞 小室みつ子 作曲 小室哲哉 1987年)

私がTMにはまったきっかけとなった曲で、7位のところでも書きましたが、彼らの一つの得意形である権力への反発的な精神が《教科書は何も教えてはくれない》《自由のナイフでとらわれた心を粉々にするさ》あたりにしっかりと組み込まれています。ボニー&クライドあたりを持ち出すところなど、小室みつ子のセンスなのでしょうか。十代の自分には結構刺さる歌詞でした。