80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.21

 

織田哲郎(作詞・作曲家)

基本的には90年代をメインに活躍、ビーイング系を中心に大ヒット曲を連発した作曲家ですが、何曲か80年代にもヒットを出し、作曲家としての頭角を現し始めていましたので、この企画の中で取り上げてみました。あまりに作品が多いので、1アーティスト1曲限定でランクを作成しました。たまに作詞も手掛けています。

 

織田哲郎作曲作・ベスト10  ※1アーティスト1曲限定

★=80年代発売

 

10位 PARADISE IN SUMMER 清水宏次朗

(10位 3.3万枚 作詞 秋谷銀四郎 作曲 織田哲郎1987年)

当時ビーバップシリーズへの出演で人気絶頂だった清水宏次朗、その清水のシングルの多くを織田哲郎が手掛けています。『Summer of 1985』『Love Balladeは歌えない』あたりもいい曲ですが、夏ソングとしてポップでノリのいいこの作品を選んでみました。メロディーもいかにも織田哲郎らしい感じで仕上がっています。

 

 

9位 すれ違いの純情 T-BOLAN 

(2位 74.3万枚 作詞 森友嵐士 作曲 織田哲郎 1993年) 

T-BOLANには他に『サヨナラから始めよう』『JUST ILLUSION』を手掛けている織田哲郎ですが、中でも一番売れたのがこの曲。以外にもテンポのゆっくり目の曲での曲の提供となりましたが、T-BOLANの他の曲の中に入ってもまったく違和感はないですし、しっかりと作曲家としての力を見せつけた作品になっています。

 

 

8位 恋心 相川七瀬  

(2位 112.9万枚 作詞 織田哲郎 作曲 織田哲郎 1996年) 

相川七瀬についてはプロデュースも行っていたこともあり、作詞まで担当しています。『夢見る少女じゃいられない』『LIKE A HARD RAIN』『BREAK OUT!』『トラブルメイカー』『Sweet Emotion』『彼女と私の事情』などなどと多くのヒット曲を織田哲郎が手掛けていますが、その中でミリオンセラーを達成したのがこの曲。それまでの曲よりより女性らしさが前面に出た作品となり、多くの支持を得ました。

 

 

7位 シーズン・イン・ザ・サン TUBE 

(6位 31.0万枚 作詞 亜蘭知子 作曲 織田哲郎 1986年)

『SUMMER DREAM』『ビーチタイム』と合わせて初期のチューブの夏曲を作曲し、夏イコールチューブという原型を作るのに織田哲郎が貢献しました。特にこの曲はチューブの代表曲でもあり、夏の定番曲として今なお聴かれ続ける作品になっています。サビから始まるメロディーは、いきなり夏全開を感じさせ、夏のドライブにもピッタリ。うまく時代にもはまったのではないでしょうか。

 

6位 チョット 大黒摩季 

(4位 84.0万枚 作詞 大黒摩季 作曲 織田哲郎 1993年) 

ほぼすべてのシングル曲を自分で作詞作曲している大黒摩季ですが、この曲だけは織田哲郎が作曲を行っているのですよ。前作『DA・KA・RA』でブレイクし、一発で終わるか、人気アーティストの地位を確固たるものにするのか勝負どころの曲ということで、ヒットメイカーの力を借りたのでしょうか。そしてそれにこたえるようにこの曲も大ヒット。見事織田哲郎は役割を果たしたのでした。

 

5位 咲き誇れ愛しさよ Wink 

(9位 33.7万枚 作詞 大黒摩季 作曲 織田哲郎 1993年)

作詞大黒摩季、作曲織田哲郎ということで、6位の『チョット』と同じ組み合わせ。人気も低下していたWinkが久しぶりに復活し、Winkのシングルとしては5番目の売上となるヒットとなり、織田哲郎のヒットメイカーとしてのまさに面目躍如といったところ。ロシア民謡風のテイストがWinkのふたりの新しい一面を引き出し、大黒摩季の歌詞とも不思議な調和をみせ、印象に残る作品となりました。

 

 

4位 瞳そらさないで DEEN 

(1位 103.8万枚 作詞 坂井泉水 作曲 織田哲郎 1994年)

『このまま君だけを奪い去りたい』『翼を広げて』『Memories』『ひとりじゃない』『素顔で笑っていたい』とDEENへの曲の提供は多くあった織田哲郎ですが、2枚目のミリオンとなったこの曲もそのうちの一曲。この曲はポカリスエットのCM曲に起用されましたが、織田哲郎の曲はそのポカリスエットのCMに多く起用され、ヒットに結びついています。映像との相性も抜群でした。

 

 

3位 愛を語るより口づけをかわそう WANDS 

(1位 112.1万枚 作詞 上杉昇 作曲 織田哲郎 1993年)

WANDSでは『世界が終るまでは…』とこの曲の作で作曲をしている織田哲郎。この曲はWANDの中でもポップでキャッチー、とっつきやすい楽曲になっていると思います。当時わりと長めのタイトルの曲がちょっとしたブームになっていて、Bz『愛のままに~』、大黒摩季『別れましょうあなたから~』、DEEN『このまま君だけを~』なんとありましたが、その流れのタイトルだったのでしょうかね。個人的にも好きな曲です。

 

2位 心を開いて ZARD 

(1位 74.7万枚 作詞 坂井泉水 作曲 織田哲郎 1996年) 

Zardには『Good-bye My Loneliness』『不思議ね…』『もう探さない』『眠れない夜を抱いて』『負けないで』『揺れる想い』『きっと忘れない』『この愛に泳ぎ疲れても』『あなたを感じたい』『マイ フレンド』『君に逢いたくなったら…』『風が通り抜ける街へ』『息もできない』『My Baby Grand ぬくもりが欲しくて』など多数の作品で作曲を担っていた織田哲郎。その中で一番好きなのがこの曲。この曲もポカリスエットのCMソングとして起用され、映像との相性の良さを感じさせます。

 

1位 Baby Rose 近藤真彦 

(6位 9.4万枚 作詞 織田哲郎 作曲 織田哲郎 1986年) 

 

織田哲郎ナンバー1はやっぱりこの曲。当時先輩たちが「今度のマッチの新曲いいね」と話しているのを聴いた後にこの曲を聴き、なるほどカッコいいと納得したのを思い出しました。とにかくカッコいいのです。ドラムのリズムだけのイントロからいきなり心を鷲掴みされ、そこからはまさに大人のマッチ。このあと90年代になってヒット曲連発の織田哲郎ですが、こんな感じの曲ってあまりないような気がして、それだけこの曲のカッコよさが際立ちます。

 

【その他の主な作品】

上記のアーティスト以外にも多数作品を提供しています。主なものを挙げておくと、以下の通り。

酒井法子『碧いうさぎ』、Mi-Ke『想い出の九十九里浜』『サーフィンJAPAN』『悲しきテディ・ボーイ』、南野陽子『KISSしてロンリネス』、西城秀樹『走れ正直者』、KinKi Kids『ボクの背中には羽根がある』、浅香唯『Chance!』、上戸彩『愛のために。』、AKB48『鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』、ZYYG『君が欲しくてたまらない』『ぜったいに誰も』等々