80年代音楽界を彩った作詞家作曲家たち vol.7

 

桑田佳祐(作詞・作曲)

言わずと知れた日本が誇る偉大なミュージシャンです。もちろんサザンオールスターズやKUWATA BAND、或いは自身のソロ活動の中で多くの楽曲を作り続けていますが、他の歌手への提供はさほど多くありません。その中でもサザンのアルバムに収められた曲を、あとから他の歌手が歌うというパターンが多くて、書き下ろしはもっと少ないですね。今作はそんなカバーによるパターンも含めて、他の歌手がシングルとして歌った曲からセレクトしました。

 

桑田佳祐作詞/作曲作品・ベスト10

★=80年代発売

 

番外 アミダばばあの唄 アミダばばあ&タケちゃんマン 

(47位 4.8万枚 作詞・作曲 桑田佳祐 1983年)★ 

シリアスとコミカル、純愛と性愛、サザンの楽曲だけみても、その振れ幅の大きさには毎度感心させられるのですが、この曲が桑田佳祐の作詞作曲だと知ったときは、かなり驚きました。

 

 

10位 ブッダのように私は死んだ 坂本冬美 

(12位 作詞・作曲 桑田佳祐  2020年) 

21世紀になってからは、他のアーティストへの提供というものがほとんどなかったのですが、超久しぶりに楽曲提供することになったのがなんと坂本冬美だったのですね。近年の坂本冬美は演歌にこだわらずも幅広いアーティストと積極的に組んでいる中で、桑田佳祐とのタッグは新鮮でした。

 

9位 シャボン 長山洋子 

(65位 1.7万枚 作詞・作曲 桑田佳祐1984年) 

サザンオールスターズのアルバム『人気者で行こう』に収録されていた原由子がボーカルをとった曲のカバーです。実力派アイドルとしてデビューした長山洋子の2ndシングルで、高田みづえや研ナオコの成功例を追って、新人ながら桑田佳祐の楽曲を採用した思い切った戦略でしたが、あまり売れなかったです。

  

8位 ハートせつなく 原由子 

(16位 11.5万枚 作詞・作曲 桑田佳祐 1991年)

当然といえば当然なのですが、原由子にもたくさん曲を提供しています。自身の参加しているバンドではなく、あくまでもソロ原由子への楽曲提供というということで、ランクにも入れさせてもらいました。ちょっとオールディーズっぽい雰囲気もあって、ノスタルジーを感じさせるような楽曲です。メロディーが良いですね。

 

7位 じんじん 原由子

(24位 作詞・作曲 桑田佳祐 14.2万枚 1991年)

原由子の曲としてはわりと激しめですが、歌詞なんかは桑田佳祐らしさにあふれているような感じです。でも原由子がボーカルをとるサザンの曲ではなく、あくまでも原由子のソロ楽曲という、その線引きが絶妙。

 

6位 ためいきのベルが鳴るとき 原由子 

(35位 2.2万枚 作詞・作曲 桑田佳祐 1989年)★ 

一番彼女のことをわかっている人が作っているわけですから、いかにも原由子らしい世界をしっかりと作り上げているのは当然と言えば当然です。メロディーも美しく、原由子の曲の中でも最も原由子らしい楽曲の一曲ではないかと思っています。

 

5位 そんなヒロシに騙されて 高田みづえ 

(6位 30.6万枚 作詞・作曲 桑田佳祐 1983年)★ 

サザンのアルバム『綺麗』に収録された原由子ボーカルの楽曲のカバーで、サザンのカバーは高田みづえにとって2曲目ということになります。そして思惑通りにこの曲もヒット。売上が低迷しかけたところで桑田佳祐の力を借りて息を吹き返すというパターンで、高田みづえにとっては足を向けて寝られないのではないでしょうか。

 

4位 夏をあきらめて 研ナオコ 

(5位 37.7万枚  作詞・作曲 桑田佳祐 1982年) 

サザンのアルバム『NUDE MAN』に収録されていて桑田佳祐がボーカルをとった楽曲のカバー曲です。男性目線の歌詞を女性の研ナオコが歌うというところが、他のカバー例とは異なるところ。それでも楽曲の良さにより、研ナオコ久しぶりのヒット曲となったわけです。

 

3位 恋は、ご多忙申し上げます 原由子 

(5位 24.7万枚  作詞・作曲 桑田佳祐 1983年)

化粧品のキャンペーンソングにも起用された作品で、サザン色が完全に消された原由子のための楽曲といった印象です。秋のキャンペーンソングではありますが、どこかウキウキと楽しくなるような作品で、原由子のソロ曲としては最大のセールスを記録しています。

2位 恋人も濡れる街角 中村雅俊 

(5位 47.7万枚  作詞・作曲 桑田佳祐 47.7万枚 1982年)★ 

数少ない書き下ろしのシングル曲の一つ。中村雅俊の粘っこい歌い方と、どこかエロティックな雰囲気の歌詞とが異常にマッチして、見事に大ヒットに繋がりました。

1位 私はピアノ 高田みづえ 

(5位 49.3万枚 作詞・作曲 桑田佳祐 1980年) 

 

サザンのアルバム『タイニイ・バブルス』に収録されていた原由子ボーカルの楽曲を高田みづえがカバー。オリジナルは間奏にはいる男女の会話のやりとりなど、どこかおちゃらけた雰囲気もあったのですが、それらを一切排除して、完全にシリアスなラブソングにしてしまったことがうまく高田みづえにはまったように思います。歌詞のセンスといい、メロディーのすばらしさといい、桑田佳祐の才能とセンスがあふれた一曲だと思います。