●田宮二郎 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

田宮二郎 出演映画 ベスト10

 

1 巨人と玩具

激しい企業戦争。製菓メーカーのライバル関係の中で、お互いに情報を取り合うように交流を深めながら、その裏でちょっと隙があればすぐに出し抜く。要するにどいつもこいつも利用できる相手はとことん利用して、用がなくなれば冷たく切り捨ててしまう。これはスカウトされて人気の出てしまった貧乏娘も同じこと。昭和30年代、日本がいけいけどんどんの時代感も、ギラギラに光る都会の風景や、仕事に燃える姿に現れていたようにも思います。会社内での出世争い、誰についてどんな功績を挙げていくか。一方でつい最近までの友人が突如自分を裏切ってライバルの側にまわる現実。なかなか面白かったです。田宮二郎は学生役のちょい役での出演。

 

 

2 白い巨塔

田宮二郎主演。見応えのある社会派サスペンスに仕上がっています。なんともいえないやるせない終わり方のクライマックスが、なんともこの映画の雰囲気に合っていて、すっきりしないことが返って作品の重みを増しているようでもあります。結局正義はエゴの前に勝つことが出来ず、それが現実的でもあり、より考えさせられる内容になっていました。

白い巨塔

 

3 お嬢さん

たわいのない浮気騒動なのですが、展開が軽快で楽しく観られました。いいところのお嬢さんである若尾文子演じる主人公、会社のお偉いさんである父親のもとにちょくちょく遊びにやって来る3人の若い男の中から選んだのは、遊び人でいろいろな女性とくっつき離れたりしている遊び人の男。しかし探偵のいい加減な調査もあって、結婚はあっというまの電光石火に決まります。ただ結婚してからも浮気への疑念はなくならない。ところがそれは誤解で、夫婦円満めでたしめでたしというオチ。結婚する相手の過去を知りつつ結婚を決めただけに、元カノが訪ねてきたりしても、知っているというのはある意味強いのかも。この時代としては、現代的な若者の恋愛事情も垣間見えて、面白かったです。主人公に好意を寄せる男性の一人として田宮二郎は登場。

 

4 大悪党

増村保造らしく人間のドロドロした厭らしい部分が全面に出たサスペンス映画になっています。出てくる人間がみんな厭らしいといいますか、自分の利害や欲望のためだけに、物事を収めようとする奴ばかり。金を手にしたい、できるだけ払いたくない、地位を守りたい、困ったものを排除したい…、やくざも人気スターもそのマネジャーも弁護士も、どいつもこいつもといった感じです。そんな奴ばかりに囲まれていれば、せいぜい自分を好きな男に思わせぶりな態度を重ねた上に振ってしまうぐらいの悪さで済んでいたヒロインが、自然に感化されてしまうのも仕方ないのかもしれません。様々な修羅場を潜り抜けて、強い女になって最後に出ていく姿、これこそ増村映画ですね。田宮二郎主演作。

 

5 不毛地帯

当時の実際の事件を髣髴させる硬派の内容でありながら、企業と政界の情もない冷徹不条理な世界を浮き彫りにし、意欲を感じる作品に仕上がっています。なんともやるせないラストが、実際の社会を映し出しているようで、辛いです。航空機部長役で田宮二郎は出演。

 

6 青空娘

なんといってもはつらつとして若尾文子の瑞々しい魅力。このあとの色気ムンムンの大人っぽい若尾文子もいいですが、これから大人になっていこうとする元気な若尾文子もまた魅力的。新人の田宮二郎がチョイ役で出演。

 

 

7 その夜は忘れない

広島を舞台に、原爆の後遺症でいつ病気が発症するかもわからない状態で、しかも体にケロイドを負っているという、女性としては絶望的な状態。そんなときに現れた、素の自分を愛してくれ、プロポーズまでしてくれた相手(田宮二郎)。ついていきたい、でも病気のことを考えると…そんな揺れる女心と、そんな心の奥をつゆとも知らず、思いのままに愛情をぶつける男。原爆を浴びてさえなければ、普通の幸せな結婚生活が待っていたかもしれないと思うと、罪のない普通の若い男女をこんな悲しい目に合わせた原爆というものに対し、また違った憎しみがわいてきました。プロポーズされたその夜のことを大事に、幸せに感じて亡くなっていったことを思うと切なすぎます。結ばれない悲恋の物語でした。

 

8 華麗なる一族

3時間30分という長さはともかく、硬派で重厚なドラマになっています。ビジネスの裏側を深く抉り出し、その中で生じるさまざまな駆け引きを、ある一族を中心にどろどろした世界を描く作品。キャストも豪華、小説を読んでいるようなカチッとした印象は受けますが、ぐいぐい退きつけて行く力強さを感じることもまた事実。中でも長男でありながら実際には父親の子供である息子を個人的感情から窮地に追いやる銀行頭取と、訳のわからないうちにその罠に巻き込まれて行く長男との確執がスリリング。頭取の長女の夫が田宮二郎。

 

9 悪名

勝新太郎らしい人情味や男気にあふれ、そして豪傑なキャラクターがいかにもという作品です。田宮二郎はヤクザ役での出演。

 

10 夫が見た「女の小箱」より

テーマは男の夢と愛するものとどちらをとるかという話し。夢を捨てて女を選んだやくざあがりの男の悲劇的な死、地位を捨てきれずそれでいて妻とも別れられない男の間でさまよう女、昔ながらのストーリー。田宮二郎はバー経営の男の役。