●孤児の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

孤児の映画 ベスト10

 

1 ブランカとギター弾き

盗みをしながら路上で生活する気の強い女の子と、淡々とギターを毎日弾き続ける盲目の老人の交流にここらが温かくなる作品です。どこか気が合うところもあったのでしょう、老人だけに見せるブランカの優しさがとてもいとおしくても互いになくてはならない存在であることがよく分かります。老人はそれでも必要以上にブランカに対し干渉することはなく、ふらっと離れたまま何日もの間、違うところで過ごしていても、また戻ってくるという、つかず離れずの関係。ラストもまた素敵です。老人のいうことを聞いて孤児院に入ることを決めたものの、一人となった彼がまた心配で仕方ない。老人と別の少年とが楽しそうに過ごしているところを見て安心したラストシーンのブランカの笑顔が素敵でした。

 

2 約束のネバーランド

人里離れた場所の孤児院という閉鎖された空間は、そこでの生活がすべてとなり、社会がどうなっているのかまったく情報を得られないところが、こういった奇抜な設定をも成立させるのですね。今作もわりと早い時間に明かされるとんでもない孤児院の秘密をめぐり、子供たちが脱走しようといろいろ策を練る中、それを察知した管理者側との静かな攻防がなかなかスリリング。北川景子ママが珍しい悪役を演じていますが、これがなかなかのはまり役。さらに途中現れる渡辺直美が、敵なのか味方なのか微妙な立ち位置で、怪演をみせ、インパクトを残します。さらにその渡辺直美の魂胆を察知してか、突如外へ追いやる北川景子ママのぞっーとする冷たさ。最後の最後で、少しだけ人間らしいところを垣間見せるのではありますが、冷徹に徹していたらどうなったか、そんな結末も観たかったとは思いました。怪物が登場し、現実的な話ではありませんが、最後まで目が離せず、面白かったです。

 

3 サイダーハウス・ルール

トビー・マグワイア演じる孤児院育ちの主人公が、院長の思いを継いで、当時認められていない堕胎の医術を身につけた中、孤児院を出て農園で暮らす中、いろいろな人たちと出会いながら成長していく物語です。淡々と進む中にも、終盤は望まぬ妊娠と近親相姦という重いテーマを抱えているこの映画。一人の医師として、そして大人としての決断を下す姿に、ひとつまたたくましくなった主人公の姿に、彼の未来を応援したくなるような気持ちになりました。

 

4 スラムドッグ$ミリオネア

よくまとまっているとは思いますが、オスカーを獲得するほどの感銘までには至らなかったですかね。面白いとは思いますし、欠点もないのですが、わりとスラーッと流れてしまった印象でした。

スラムドッグミリオネア

 

5 あずみ

遊び心いっぱいのカメラワーク、CGを使ったアクロバチックなアクション満載。いささかSFチックな展開もあるが、それは原作が漫画、ある程度は我慢しましょう。どぎつい殺しのシーンや死体の山々は確かに目を被いたくなるのではあるが、いきなり始まるバトルロワイアル時代劇編から、サバイバル合戦の展開は結構ワクワクしてしまいます。最後に主人公が勝つ事は分かっていますが、それでもその過程が気になりました。また実存の歴史上人物とまったく漫画チックなキャラクターが入り混じって繰りなす復讐合戦はそれはそれで面白い。最後の最後に敵同士がわけの分からなくなって同士討ちをするところは頂けないですが、「2」がありそうなラストシーンもまた興味深く感じました。

あずみ2

 

6 カーリー・スー

おちゃめなカーリーを演じるアリサン・ポーターがなんとも愛らしいし、ケリー・リンチがなかなかいい感じで、ハ-トウォーミングな温かく優しい気持ちになれる作品になっています。

カーリースー

 

7 パワー・オブ・ワン

南アフリカを舞台に、人種差別に闘う英国少年と黒人たちとの交流を、恋愛もからめながら描いている、メッセージの強い青春映画です。題材がまじめなテーマで実直に表現しています。

 

8 家なき子 希望の唄声

子供向けの作品ではないかと侮ることなかれ。良い人悪い人いろんな人との出会いを通して強くたくましくなっていく少年の成長ぶりがまぶしかったです。特に彼を助けてくれる優しい人々との交流が素敵で、とてもやさしく温かい気持ちになります。もちろん中には財産のために彼を殺してしまおうとする悪い奴も出てくるのですが、やはり味方がいざとなると助けてくれたりするのですね。最後の最後に産みの親と巡り合え、しかも育ててくれた母親にも再会できて、恩人の死を除くとハッピーエンド。すがすがしい気持ちになれる映画でした。

 

9 ジェーン・エア

何度も映画化されるだけの魅力が原作にあるということなのでしょう。分かっていても、それなりに惹きつけられてしまいます。今作では、少女時代の描写は最低限に削り、成長したジェーンの生き方に軸を置いて描いている分、どうしても主演のミア・ワシコウスカに負担がかかってしまうのですが、不幸な生い立ちにも負けず、身分が上の者に対しても決してへつらうことなく、凛として対峙する姿勢は、なかなかかっこよかったです。ほとんど表情を崩したり、感情的になって理性を失ったりすることがないながらも、女性らしい優しさを持ち合わせる難しい役どころを好演していたと思います。そのおかげで、また他の「ジェーン・エア」とは違った見どころのある作品になっていたのではないでしょうか。

 

10 オリバー・ツイスト

過去の作品ではアカデミー作品賞の「オリバー!」を観ていますが、ミュージカルでもあった「オリバー!」は子供にも観てもらえるような少年への賛歌的な要素の強い作品でした。対して当作品ではストレートな子供たちへの応援映画ではなく、社会には悪人も多く善人が必ずしも報われるとは限らない、闇の部分も強烈に印象づけますし、かなり皮肉的な描かれ方もしています。ややサスペンス映画的要素も含んだような、大人向けの作品になっているのは、ポランスキーならではの味付けに思えました。しかし一方で、終始人への「恩」というものを強く意識して描こうしている意志のようなものも感じます。相手が法律的・社会的には悪人に分類されようとも、主人公のオリバー少年は困っている自分を助けたくれた人たちのことをけっして裏切ることはしません。助けてくれた金持ちの老夫婦が強盗に会いそうになると自ら危険を犯しても防ごうとします。「オリバー!」においては実は血が繋がっていた(孫であった)というその助けてくれた老人ですが、ここではそういった背景を描いてません。血のつながりを敢えて排除することで、「恩」に対する少年の感謝の気持ちを強く描きたかったのではないでしょうか。そしてラストシーンにおいても、受けた「恩」に対する主人公の気持ちが強く表現されているのです。よくある御伽噺のように「悪者から逃れ幸せになって良かったね」だけで終わらず、観終わった後にちょっとやるせない気分になるポランスキー版のオリバーでした。

オリバーツイスト

 

11 エクレール・お菓子放浪記

12 リトル・プリンセス 小公女 

13 ワン・セカンド 永遠の24フレーム

14 ウェルカム・トゥ・サラエボ

15  PAN ネバーランド、夢のはじまり

16 汚れなき悪戯 

17 ベル&セバスチャン

18 ライラの冒険 黄金の羅針盤 

19 足ながおじさん

20 オリバー!