●男同士のライバル映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

男同士の因縁のライバル映画 ベスト10

 

1 ROCK YOU! 

時代劇に現代音楽を使って、映画自体がスポーティ・ポップな感覚のコスチューム劇に仕上がっています。平民が貴族にのし上がって行くサクセスストーリーに、ライバルとの争いやロマンス、友情に親子ドラマもからめて、分かりやすい構図。仲間のキャラクターや掛合いもコミカルで、見ていて飽きさせません。敵役をルーファス・シーウェル一人におしつけて、ほかの人達は身分に関わらず皆物分りのいい人というのは、いささか都合が良過ぎるということもなくはないですが、時代劇にありがちな重厚な感じは薄く、現代のスポーツのツアーのような感覚で槍競技を扱っているため、とっつきやすくなっています。惜しいのは、ロマンスの相手に魅力を感じないこと。鍛冶屋の娘サンの方が、よっぽど可愛いと思うのだけれど。

 

2 レヴェナント 蘇えりし者 

瀕死の重傷の主人公がなんとか復讐を果たそうとする一念から必死で生き残ろうとする姿がとにかく生々しくリアルです。生肉を食いちぎったり、怪我の体に熱い鉄のようなものを押し付けたり、馬の内臓を取り出してその中に入り込んで寒さをしのいだり、歩けない体で川を泳いだり…。寒さだけでもたいへんな撮影だったでしょうが、口の周りや体を土まみれで熱演するディカプリオの姿は、まさにオスカーに値する体を張った挑戦であったと思います。トム・ハーディが完璧な悪役に仕立て上げられ、当然観ている方も主人公に肩入れし同情し共感したくなるのが自然の流れ。観客をディカプリオに同化させることに成功すれば、あとは目的を成し遂げるまでの過程を一緒になって辿るのみ。とにかく過酷、極寒のサバイバル劇に圧倒されました。

 

3 ラッシュ/プライドと友情 

F1にあまり知識がない人、興味がない人にも分かるように、専門的な技術や駆け引きよりも、二人のレーサーの関係性をメインにドラマを描いている点では、比較的万人向けに作られていたと思います。ただその分最初から最後までを時間を追いながら、こんなことがあった、あんなことがあったと、平均的に淡々とエピソードを連らねたという印象は残ります。二人の関係にしろ、それ以外のエピソードにしろ、それぞれをあまり深く突っ込まないでいるので、出来事の繋がりとしては非常に理解しやすいのですが、そこにある心情の描き方がやや弱い! ですので、観ていて心を揺さぶられたりとか、強く感情移入させられるとか、そういう部分がないのは、ドラマとしては物足りなさを残します。浅く広くか、狭く深くか、映画のターゲットであったり、エピソードの取り上げ方だったり、どちらをとるかは難しいですが、この作品の場合は前者をとって、結果として手堅いけれど無難なところに落ち着いた感じですね。

 

4 トップガン

爽やかアイドルスターを主役に据えて、いかにカッコよくみせられるか、それが見事にはまった結果がこの作品といった感じ。恋愛の相手には上の立場の大人っぽいケリー・マクギリスを配することで、可愛い可愛いではない、ちょっと背伸びしたところでトム・クルーズをより大人のスターとして見せていこうという意図も感じました。クライマックスのの航空シーンは、カットが細かく、またヘルメットをかぶっているため、ちょっと観にくかったのは残念。また敵役のヴァル・キルマーにはもうちょっと活躍して欲しかったです。

 

5 リベンジ・マッチ

ロートルというにはなかなか迫力のあるボクシングシーンでした。ともに「レイジング・ブル」「ロッキー」という名作を持ってる同士の意地が観られたのではないでしょうか。ボクシングだけでなく、家族愛やかつての恋人へとった態度への後悔といったものもドラマとして盛り込まれて、手堅い作品にまとまっていたと思います。

 

6 ロッキー

言わずと知れたボクシング映画で最も影響力のあった作品。1作目は恋愛の要素も結構多めではありますが、ライバルとの壮絶な戦いの末にアメリカンドリームを掴む展開は、スポーツ映画の王道といえるでしょう。

 

7 ヒート

まさに熱い、濃い男のドラマが繰り広げられるサスペンス・クライム・バイオレンス。パチーノとデニーロというあくの強い二大俳優がそれぞれ善悪 攻守分かれてぶつかり合うのは、それだけで汗が飛び散ってくるようでむんむんとした熱気に包まれます。

 

8 狂っちゃいないぜ!

管制塔で働く男がライバル登場を期に心理的に混乱を招いていき、復活するまでを描く物語。もうちょっと混乱状況を極めていればもっと面白かったとは思います。アンジェリーナ・ジョリーの存在が中途半端でもったいない気も。

 

9 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 

二人のキャラクターを対照的に描きながら、回想シーンを交えて、ボルグとコーチや恋人との関係、マッケンローとライバル選手たちの交流等も交えながら、興味深く描いています。当時の試合を観ていた者にとっては、懐かしい思いにさせてくれます。二人の戦いの裏にこんなことがあったということは、知るというだけでも面白かったです。惜しむらくはテニスの試合のシーン。いろいろ工夫して頑張っていますが、やはり本物の試合には叶いません。俳優も頑張ってはいますが、プロのトッププレイヤーの見せるスピード感や技のキレにはとても及ばず、そのあたりはもう一工夫、技を使っても、リアルにみせるものが欲しかったです。

 

10 あしたのジョー

ライバルを演じる山下智久・伊勢谷友介の意気込みといったものは十分に伝わってきましたし、ボクシングフリークの香川照之はいつも以上に力が入っていました(ちょっと力み過ぎなぐらいな)。ストーリー的にも、誰が見ても分かるように最初から順序立てて構成し、良くも悪くも特定の部分だけにスポットを当てて集中的にドラマを描くということも避けたようです。一方映像面では、実際のボクシング競技としてのリアリティに近づけるというよりは、コミックとしてのあしたのジョーに近づけるというところを目指した映像になっていたように思います。スローモーションやストップモーションを多用した映像は、好き嫌いは別れるかもしれません。ボクシング競技をよく観る人にとっては、漫画チックな印象に映る部分もあったでしょう。また劇中の中継放送の中で、時代背景に合わない実況や映像があったことも気になる部分で、その点からも、リアルなボクシング映画というよりも、名作コミックを誰に対しても分かりやすいように撮ったというこの作品の方向性が現れていたと思います。