●サックス奏者の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

サックス奏者の映画 ベスト10

 

1 スウィングガールズ

「ウォーターボーイズ」の二番煎じを敢えて正面に打ち出した今作はまさにその踏襲型。そういった意味で安心してみられる部分と、完全に予想通りの展開に落ち着いて新鮮さにかける部分がありますが、それでも作品自体の力は充分持っています。最初から最後までだれることなく突き進む。前作同様突然上達したり、出発時には会場でといっていた吹奏楽顧問がいつジャズグループの不出場を知ったのか、どうして戻ったのか。電車はだめでバスはいいのか、などなど突っ込みどころはたくさんありますが、されでも力業でねじ伏せてしまうような勢いは感じました。上野樹里演じる主人公が担当する楽器がサックスということで、このテーマに入れてみました。

 

2 ニューヨーク・ニューヨーク

古き良き時代のニューヨークの雰囲気とライザ・ミネリのゴージャスなステージシーンがドラマティックな二人の関係の成り行きに華を添えています。そしてサックス奏者を演じるロバート・デ・ニ-ロがまだ若くてかっこいいのですが、とにかく色気があるのでよね。マーティン・スコセッシとしては決して成功作とは言えないのでしょうが、きらびやかな世界とその裏ののし上がろうとする世界の対比がどこか物悲しくもあり、ムードのある映像に仕上がっていて、個人的には好きな作品です。

ニューヨークニューヨーク

 

3 BLUE GIANT

ジャズの演奏シーンがふんだんにちりばめられ、ジャズ好きにはたまらない青春音楽アニメ映画になっていました。背景も演奏歴も違う3人がジャズに魅せられ、上達しながらひとつひとつ階段を上っていく様子が熱くさせられます。実写ではなくてアニメということで、いくらでも一流の演奏をかぶせられるという利点もあり、ジャズに造詣のない者でもその演奏を堪能できました。才能的には3人3様の中、ラストライブのあとの展開も気になりました。

 

4 異動辞令は音楽隊!

現場一筋パワハラ刑事が左遷された先が音楽団ということで、その音楽団で今までの自分の態度の悪さに気づき、頭を下げることを覚えていく主人公の成長を描いたコメディですね。あれほど嫌がっていていた楽団での練習ですが、わりとすっと上達していき、みんなをまとめるにまで変わっていくスピード感がわりとあっけなくて、もう少しはっきりとしてきっかけが描かれるとおもっていましたが、悪化していた娘との関係にも光が見えたりと、早かったです。予定調和的な展開はまあこの手の作品では仕方ないところですが、作り物っぽさがこの作品の限界のようには感じました。サックス担当の元刑事を高杉真宙が演じています。

 

5 バード

ジャズを好きな人にとってはたまらないでしょう。全編音楽が散りばめられ、それに乗って一人の短い生涯を送った奏者の人間模様が雰囲気たっぷりに描かれていました。特に時代を感じさせるセットは古き良き時代を偲ばせるようなムードあるものになっていて印象的。難をいうと、2時間40分はやや長いでしょうか。音楽を相当聞かせようとしたところで、この長さが必要になったのかもしれないですが、ジャズに興味のないものにとってはドラマ部分がとびとびになってしまって、集中力を持続させるのが辛いところ。

バード

 

6 ルル・オン・ザ・ブリッジ

 文学ロマンス的な作品ではありますが、最後のオチにはがっかりしてしまいました。それまでは、サスペンスも絡めながら、どういう結末になるのか予想のつかない展開で、まずまず興味を持って観られたのですが…。確かに予想外の結末ではあるのですが、それまでをすべて無にしてしまうような終わり方は、やや唐突な印象は拭えないです。はーヴェイ・カイテル演じる主人公がサックス奏者です。

 

7 キャバレー

雰囲気はわかるがストーリーはヤクザ構想に巻き込まれた若きサックス奏者の周囲を描いたというだけで、特に面白味のある展開ではありません。それでけにいかに夜の裏側の世界で生きる人たちの闇を本格的に描けるかという部分にかかってくるところなのですが、そこは角川映画。キャストのバランスが悪く、ベテランと若手がちぐはぐ。変に豪華なキャストが顔出しをして、結局何を第一に見せたかったのか、いまひとつ狙いが不明確。

 

8 ラストラブ

田村正和が田村正和を演じる田村正和ファンのための映画という本質を受け入れられれば、それはそれで面白いのではないでしょうか。普通の俳優が演じたリアリティある恋愛映画を期待すれば、突っ込みどころ満載の、浮きまくりの作品に感じてしまうでしょう。しかし、これは俳優田村正和を楽しむための映画だと割り切れば、十分に田村正和を楽しむことができます。14年ぶりに、万を辞してスクリーンに復帰した田村正和、14年間田村正和を映画の中で楽しむことができなかったことを思えば、こういう作品も「あり」ではないでしょうか。その田村正和の役がサックスプレイヤーです。

 

9 この世の外へ クラブ進駐軍

残念ながら、心に訴えかけてくるものが今一つ感じられなかったです。ノスタルジーを感じさせる映画としての期待もあったのですが、5人の関係の描き方が浅く、また兵士との心の交流もどこか途切れ途切れの印象で、全体として中途半端なものになってしまった印象。キャラクターがそれぞれあまり立っておらず、強いて言えば酒場でくだを巻く徳井優だけが、三枚目担当として良い味を出しているにとどまってしまいました。阪本順二らしい人間臭さも充分に出し切れなかったとは思いました。萩原聖人演じる主人公がサックス奏者となります。

 

10 ラウンド・ミッドナイト

サックス奏者のデクスター・ゴードンが主演し、テナー・サックス奏者デイル・ターナーの伝記映画ということになります。ただジャズに造詣がないと、なかなか楽しむのが難しい映画ではありました。