●波瑠 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

波瑠 出演映画 ベスト10

 

1 檸檬のころ

進路や恋愛に悩む高校3年生、未来に対する夢や不安、不確かな自信…、誰にも経験があるような、いつの時代にも普遍的なティーンの悩みが等身大に描かれ、好感が持てます。田んぼのみえる帰り道、人気のない夜の商店街、文化祭の賑わい、春休みの校庭、卒業式を終え新たなスタートを切るまでの人生たった1回の春休み…どれもこれも懐かしいシーンで、なんとなく感傷的にもなってしまいました。コミカルな部分とシリアスな青春の悩みとをうまく配合して、甘酸っぱく素敵な青春映画に仕上げていました。波瑠は学生バンドのメンバーの一人として登場。

 

2 弥生、三月 君を愛した30年

お互いにお互いを好きでありながらも、その思いをはっきりと伝えられず、親友のまま過ごした30数年間。その間、結婚や離婚、夢の挫折や大切な人の死など、様々な経験をしてきた二人は、時に再会し、時に連絡を絶ち、思いとはうらはらにすれ違いを繰り返していきます。その二人の歩みと、それぞれの時代の文化や世の中の出来事と重ね合わせていくことで、観ている側もそれぞれの出来事とその時代の自分とも重ね合わせ、どことなくしみじみとした気持ちになってくようなそんな作品でした。そしてその節目節目で二人に影響を与えたのが、高校時代に亡くなった親友の存在。30年以上経って、二人に遺されたメッセージを聞く場面は、せつなくて涙を誘います。そしてエンドロール後のふたりのまさに本当の出会いのシーンで、運命で結ばれた二人であったのだと実感するわけです。個人的に好きなタイプの作品で、素直に良かったと思えました。高校生からアラフィフまでを演じた波瑠と成田凌、特に年を取ってからはさすがに難しかったかもしれません、若く見えたのは目を瞑っておきましょう。

 

3 ソフトボーイ

いくら下手なことが前提であっても、俳優たちのソフトボールの所作はかなりぎこちない。しかも「くささ」を演出したとはいえ、演技も拙い。部員もイケメンがたくさん揃い、そこに極端なキャラクターのデブ、ガリ勉、黒人留学生とあまりにもコント的。しかしながらそれらが、必ずしも映画の魅力づけという点からすると、必ずしも失敗にはなっていないのです。むしろそれが、不思議な力となって惹きつけてくるのです。昔ながらの王道的な青春スポーツコメディなのですが、それこそが王道が王道たるゆえんなのかもしれません。やはりなんといってもノグチのキャラクターが魅力的でしたね。波瑠は女子マネージャー役。

 

4 女の子ものがたり

ほろ苦い女の子同士の友情物語だったのですね。ノスタルジックな雰囲気を漂わせる田舎の街並ともあいまって、しみじみとさせられてしまう、なかなか素敵な作品でした。家庭環境に恵まれない同士の3人が仲良くなりつつも、いつまでもなにもかもが同じというわけにいくはずもなく、次第に互いに違和感を覚えていくその過程が丁寧に描かれていますし、ふとしたきっかけによる青春時代の失くし物を、年月が経過して探しに行っているような形で、今と過去を交差させた構成も見やすかったと思います。貧乏でも、先行きが不安で仕方なくても、仲の良い友人達と時間を忘れて過ごす時間が、とてもキラキラしたものに映り、それを観ているとこちらの方も、長い間忘れていたことがよみがえってきたりするのでした。ただ、他の方の指摘がありましたが、貧乏な小学生にしては、こぎれいな格好でしたね。あと、20年ほど前のファッションが懐かしかったです。主人公の友人の高校時代を波瑠が担当。

 

5 グラスホッパー

殺し屋たちと裏のチーム、超悪女、そしておどおどしどおしの元教師とまさに群雄割拠(?)。複雑に絡み合った鎖が絡み合いながらも一つの場所に集結し、そこで行われる惨状は、どぎついところもありましたが、先の読めない展開でワクワクもさせられました。そして最後に待っていたあっという意外な真実。かなり乱暴で時に嫌悪感を抱かせるような血まみれの殺し合戦もありましたが、その中で唯一常識人的な感覚を持ち合わせていた生田斗真演じる元教師の存在がクッションになって、安心感を与えてくれました。子供を助けようとして暴走車に殺された女性が波瑠。

 

6 みなさん、さようなら

同級生たちが成長しみんなが順々に団地を去っていく経過と、賑やかだった団地が次第にさびれていく月日の流れがリンクし、その中で一人取り残されていく主人公を思うと、とても切なくなってきます。その主人公を悲しみと可笑しみの両面濱田岳が巧みに表現し、まさに彼なくては成立しない作品であったかと思います。団地から出られないという「セミ引きこもり」的な状況であっても、悲愴感はないし、人並みに恋もすれば性欲もある。特異な設定の中での普通っぽい面を、一人で子供時代から大人までを演じるという無茶な要求の中でも出し切ったところは、彼ならではというところでしょう。作品的にはみんなが去っていくまでの同級生たちとの交流は面白く観ることができましたが、最後の一念発起するところは、ややとってつけたような感じで、ちょっとだれてしまいました。それでも、現実として多くのこうした団地が住人の高齢化や老朽化が問題化していることを思い浮かべると、この主人公どうこうよりも、コミュニティとしての栄枯盛衰を観ているようで、どこかさびしい気持ちにさせられ、感傷的になったりもしてしまいました。主人公のクラスメイト役で波瑠は出演。

 

7 ちーちゃんは悠久の向こう

あ、これシックスセンスの青春版ですねというのが最初の感想。声が聞こえない、あとあとなるほどと思うわけで、ただ全体として甘酸っぱい青春映画としてのさわやかさを持ち合わせ、心地よい作品になっていました。波瑠はちょっと謎めいたクラスメイト役を演じています。

 

8 アゲイン 28年目の甲子園

原作が重松清ということで、誰にも分かりやすい人間ドラマが丁寧に描かれていました。ベタといってしまえばそれまでなのですが、離婚により娘と疎遠になってしまった父親としての思いと、高校時代に思わぬことで中途断念せざるを得なくなった甲子園への思い、そして死んだ友へのわだかまり、そういった要素が繋がり合って、観ている者がどこかに共感できるような話になっていたのではないでしょうか。どこか人生の停滞感に襲われる年代の人々に、まだまだ続く人生へのリセットのチャンスはあるのだと背中を押してくれるような作品でした。元高校球児の主人公の元チームメイトの娘を演じたのが波瑠。

 

9 ガール

色んな生き方をしている女性たち、その誰もがそれぞれに悩みや不安を抱えながらも頑張っているんだなということを改めて認識させられました。夢や希望はある、でも一方で目の前にある現実。何かをとると何かを失う…女性ならではの選択に揺れる女性心理が分かりやすく描かれていて、興味を持って観られました。ただ演出としては、やや大げさで強引なところが気になりました。彼氏の職場に押し掛けたり、上司をまったく無視して商談が進められたり、突然プレゼンをひっくりかえしてもそれが受け入れられてしまったり、ほかにも挙げればきりがないのですが、こんなのないよという演出がちょくちょくみられて、やや漫画的。もう少しリアリティを追求した演出で見せてくれたら、もっと彼女たちを近くに感じることができたかもしれません。波瑠は不動産会社のOL役。

 

 

10 コーヒーが冷めないうちに

タイムスリップとそれにかかわる特異なルールをうまく活用して、ややトリッキーなラストのオチに持ってきたというところですね。一つ一つのエピソードは恋愛だったり、夫婦愛だったり、姉妹愛だったり、過去に戻り相手の本意を知ることで、これからの未来を変えることに繋げるというど真ん中の人間ドラマですが、そこにSFチックな技を使って、オリジナリティを出し、こうして映画にもなったということで、まあよく考えたなというのが正直なところ。ただただお涙頂戴の感動ドラマだけではないところで、逆に素直に観られたような気がしました。喫茶店を訪れる客の一人のキャリアウーマンを波瑠が演じています。