●阿部純子 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

阿部純子 出演映画 ベスト10

 

吉永淳時代の作品も含めて。

 

1 孤狼の血

面白かったです。警察やくざの間の微妙なバランスの中での綱渡りの攻防。命を削り、法的に一線を超えながらも、堅気の人間が巻き込まれないようにということを第一に、無用な抗争を阻止しようとするベテラン刑事。その刑事の常軌を逸した行動に、スパイとして送り込まれた大卒の若手刑事の正義感との間での葛藤。やくざ同士の抗争だけでなく、警察内部での護身のための駆け引きや、警察とやくざの間でのギリギリの交渉。緊張感のある中でさまざまなドラマが織り込まれ、見どころの多い作品となっています。そこに作品の中で一つのオアシス的な役割を果たした果たす阿部純子の存在に、安らぎを覚えるのですが、これもラストシーンで裏切られるわけで、そういう意味では仕掛けにも凝った作品になっています。ただ乱暴な抗争が繰り広げられるだけでなく、そこに係る内面も描き出したという意味で、他のやくざ映画と死はまた一味違った作品になっていました。阿部純子は薬局で働くヒロイン役。

 

2 罪の声

実際のグリコ森永事件をモチーフにしているのはある年代以上の人にとっては明白ですが、事実がこんな風だったらという想像もしながら観るのは、またひとつの実話モチーフのフィクションの醍醐味かもしれません。登場人物も多く、過去の事件の真相を暴いていくストーリーはなかなかの見応えで、十分に堪能することができました。3億円強奪事件をモチーフにした作品は何本か生まれていますが、グリコ森永もそろそろこういった題材に扱われる事件になってきたのだと、時間の経過をまざまざと認識させられる思いはありました。また犯罪の一端を担わされることになった家族、ことにわけもわからず言われるままに従っただけの子供たちが、その後の人生で想像を絶するような負担を背負わされて生きていかなければならなかったということ、そしてそのことを35年経って初めて犯人の一人が知ったということをとってみても、やはり犯罪の重さというものを改めて認識させられるのでもありました。星野源演じるテーラーの店主の母親の若い頃を演じたのが阿部純子。

 

3 あぜ道のダンディ

父親として、どこの部分でかっこつけるのか。光石パパが意地でも貫くのは、地位とかお金とか仕事とかそういうものではなく、子供に余計な心配をさせないこと。そのためには子供の前で決して弱音を吐かず、お金の心配もさせず、好きな道を選ばせてあげる。そして結果的にそういった父の思いというものは、子供たちにも伝わるものなのですね。そういう意味で、やはりこの父親はかっこいいし、ダンディだと思います。彼の生き方には共感できるところもありますし、それに光石研がまた上手いのですよね。久々の主役ということですが、さすがです。作品としては構成的にも巧みで、前半は愛想がなく何もやる気がなさそうな息子・娘たちであったものが、後半には実はいい子なんだよといったことが明るみになっていき、そのあたりのひきつけ方も心憎く感じました。光石研演じる主人公の娘役で阿部純子(当時吉永淳)は出演。

 

4 燃えよ剣

見ごたえある幕末時代劇で、新選組の土方歳三を中心に据え、その生きざまを濃密に描いた作品になっていました。新選組とはいっても、それぞれの思いというものは千差万別の中、自ら憎まれ役を買って出て、その統率に力を注いだ土方の熱い気持ちというものが十分に伝わる内容で、一方でそのためには残忍な殺戮をも厭わない冷徹さも垣間見られ、この時代を生き抜く厳しさというものも実感しました。決してきれいごとだけでは済まされない、明日を生きるか死ぬかのぎりぎりの中で、冷静な判断力と人を見抜く力によって、組を率いてきた姿は、りりしく感じられました。名前だけに頼らないキャスティングも興味深かったです。沖田総司と想い合う芸妓役で阿部純子は出演。

 

5 わたしのハワイの歩きかた

メインの二人が、よくあるいい子でもなければオーバーに演出された極端な性格でもなく、等身大に描かれていたのが良かったです。どこにでもいるようないい面もあれば悪い面も、打算もあれば情もある、普通の若い女性というところで、わりと入り込みやすかったです。特に最初は不機嫌で怒ったりつんけんしていることの多かった榮倉奈々演じる主人公が、終盤になって穏やかな笑顔が多くなり、その表情を観ているだけでも、気持ちの変動をうかがえることができました。基本ラブコメディなので、展開としては予定調和的ではありますし、今どきの女性にらしく結構行動が軽かったりと、必ずしも共感できるとはいいづらいことはありますが、所詮リゾートを舞台として娯楽映画。キャラクターもきちんと立っていて、それなりに楽しく観られたので満足です。当時吉永淳、マコちゃん役で登場。

 

 

6 昨日より赤く明日より青く CINEMA FIGHTERS project

オムニバス映画はなかなかうまくいかないですが、今作はわりといいエピソードがあって、まずまず良かったです。兄弟ドラマあり、恋愛ものあり、ホラーあり、で色合いもそれぞれ。個人的には一番最後の、見知らぬ男女が一晩だけぶらぶらと街を歩く一編が好みです。関口メンディ―と阿部純子という異色の組み合わせが新鮮で面白かったです。

 

7 サムライマラソン

物語としてはひっかかりもなくスムーズに流れた印象ですが、その分いまひとつ深みが足りなかったのは感じました。江戸からやってきた兵たちの迫力がやや不足、一方守る側の藩士たちも、将来を嘱望されている一番手が「遠足(とおあし)」大会にずるしてみたりと、いまひとつ頼りない。主人公以外の江戸の隠密たちもあっけなかったですし、もっと戦いにおける駆け引きや、技のぶつかりあいのようなもので、バチバチ火花のぶつかる展開があれば、もっと面白くなったのではないかと思うと惜しい気はしました。染谷将太の奥さんが阿部純子。

 

8 461個のおべんとう

ミュージシャンのシングルファーザーという独特の設定で、息子の高校3年間の弁当を休まずに作り続けたということを、その間のいろいろな変化を絡めた描いた父息子のストーリーです。その父息子を新旧ジャニーズで演じているわけですが、イノッチも高校生の父親役を演じる年齢になったのですね。ただおよそ父親らしくないキャラクターで、とにかくポジティブで、沈んでいる姿を一切見せないところが、ある意味尊敬に値する父親像といっていいのかどうかわかりませんが、なかなかいないタイプのお父さんですね。そんな父親を持つ息子はごくごく普通の高校生。先輩に恋敗れ、いつも心配してくれる身近な女の子の大切さに気付いていくという高校生らしいエピソードも挟みながらも、崩れかけた親子関係も修復。温かくて優しさにあふれた作品になっていました。井ノ原快彦演じる主人公に思いを寄せる女性の役で阿部純子が出演。

 

 

9 リアル鬼ごっこ2

原作とは異なるパラレルワールドを1作目で作り出しておき、それを生かしての2作目ということで、これはこれで面白かったのではないでしょうか。2つの世界で追いかけられる彼らをリンクさせながらの構成は、飽きないように工夫されていたと思いますし、あまりロジック的に難しくならないように、そのあたりは親切に作られていたとも思います。1作目で期待するハードルはそう高くないところで設定されていたというのもあって、まずは面白く観させていただきました。とにかく走る走るの連続で、出演者は大変だったでしょう。息遣いも辛そうでしたしね。それから、すぐ挑発に乗って、しとめる寸前の獲物を放り出して全員で追っかけていく、やや知能レベルの低い鬼たちには、ちょっと笑えました。主人公(石田卓也)の妹役が吉永淳。

 

 

10 2つ目の窓

河瀬監督の作品なので、こんな感じと言うのは覚悟の上。奄美独特の風土と言うものが作品全体を包み、独自の世界を作っていたと思います。ただその分ここでの生活に浮世離れしたようなものを感じ、ボーイフレンドに積極的にセックスに誘うヒロインに対しては、正直なところ違和感を禁じ得ませんでした。吉永淳はヌードにもなっています。