●執事が登場する映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

執事が登場する映画 ベスト10

 

1 大統領執事の涙

フォレスト・ウィテカーの熱演は見事。若い年代から年老いて足元もおぼつかなくなる老年まで、むろんメイクの技術による助けはあるものの、それぞれの年代を自然に無理なく演じていました。そんな彼の熱演に支えられ、数十年にも渡る主人公と家族のドラマを、当時の社会情勢と黒人の地位との関連を盛り込みながら、重厚に描くことに成功しました。描く時代が長くに渡り、しかもテーマとしても重いものであるため、面白味という点では欠けるかもしれませんし、観ていて疲れることも否定はしません。それでも一人の執事の目を通して、米国における黒人の地位の向上のための歴史の一部分を学ぶことができるというでは意義ある作品となりました。

 

2 アルバート氏の人生

男性の職業である執事として働く孤独な女性。何と哀れな人生であろうか。偽りの人生から踏み出すことが出来ず、ようやく本来の自分であることに一瞬だけでも喜びを感じることができ、そして憧れの自分の店に手が届きかけた矢先なのに。ただその人生は他人から強制されたものでは決してなく、勇気と思い切りと強い意志があれば、抜け出すことができたはず。そう思うと、この主人公に共感とか感情移入とかはなかなかしづらかったですね。特にヘレンに結婚を言い寄るようになるに至っては、長い間男であり続けたことで、精神的にも病んでしまっていたとしか思えません。自分の秘密がばれたときのことをシュミレーションして分かっているのに、それでもなおかつ突き進む迷走ぶり。そんな意味では、話としては興味深かったけれど、到底理解できる範疇にはないもの。ただただやるせなさのみがあとを引きました。

アルバ―ト氏の人生

 

3 日の名残り

一人の貴族の館に仕えたアンソニー・ホプキンス演じる執事とエマ・トンプソン演じるメイドからの視点で、今と昔を交差させながら語る文芸映画です。さすがに芸達者な演技派だけに、その存在感だけでも作品の格がが増して感じられます。ストーリー的には政治的背景もからんで、重厚感もある一本でした。

日の名残り

 

4 ゴスフォード・パーク

英国郊外の屋敷ゴスフォードパークのパーティへ集まる人々を描く群像ミステリーです。アラン・ベイツ演じる執事が表側を仕切る中での事件。最大の難点は登場人物があまりにも多くて、人間関係を整理して把握するに労力を使ってしまうことでしょうか。それがなければ、この群像ミステリー劇はアルトマンらしいウィットに富んだ会話が繰り広げられ、またミステリーとしても見事で文句なしというところでした。

 

5 ジャンゴ 繋がれざる者 

サミュエル・L・ジャクソンが執事役で出演しているのでいれてみました。展開的には「キル・ビル」の焼き直しというような印象で、だとするとこの長さは少々だれてしまいます。本筋に関係ない無駄話の応酬はタランティーノ映画では常套ではあるのですが、舞台が1800年代ということで、お得意のマニアックなネタも不発。映画ファンをにやりとさせるようなセリフも難しいということで、屋敷での会話のやり取りは冗長にさえ感じられました。終盤の銃撃戦は見せ場としてそれなりの迫力はありましたが、これもどこかで観たような感じは否めません。決してつまらなくはないのですが、もう少しキレが欲しかったと思うのは、要求しすぎでしょうか。

 

6 コンフィデンスマンJP プリンセス編

豪華なキャストで安定の展開、キャラクターもそれぞれ確立されているので、余計な時間をかけることなく、展開を楽しむことができます。そもそも犯罪者が主役なわけですから、ほんとうはそこに共感してはいけないのですが、そこは映画の中だけの話。魅力的なキャラクターと、詐欺の対象になる相手が抱えている問題を同時に解決させることで、罪悪感を憶えさせない演出はすでにおなじみ。最後が読めるので緊張感こそないものの、ちょっとした感動エピソードを盛り込んだりと、そのあたりもそつがありません。そしてエンドロール後にもワンシーン残されていて、気楽に楽しめる一本になっていました。柴田恭兵が執事を演じていたので入れてみました。

 

7 黒執事

つまらなくはないけれど、結果的に収拾のつかなくなってしまったシーンがあったりと、まとまりの悪い作品になってしまいました。剛力彩芽の男装も中途半端だし、水嶋ヒロの存在もどうもしっくりこない。スケール感のある設定のわりに、変なところで理屈的だったり、小細工を仕掛けたりと、どうもちぐはぐ。必ずしもこの独特の世界を構築しきれなかったようで、変に現実的・人間的なシーンも気になりました。唯一の収穫は優香の悪役。今までほとんどなかったでしょうけれど、これが意外にはまり役。悪役の演技が上手くてびっくり。これは新境地を開拓できたのでは?

 

8 映画 謎解きはディナーのあとで

櫻井翔が執事を演じたドラマシリーズの劇場版。ドラマは未見ながら、ミステリー物のコメディとして期待していたのですが、残念な出来栄えでした。キャラクターもすでに築き上げられていますし、キャストも豪華絢爛、豪華客船と言う一種の大きな密室の中で起こる殺人事件を解決していくという、ミステリー好きにはいかにも興味をそそられる題材なのに、どうしてこうつまらなくなってしまったのか、とても残念です。キャラクター性を優先するのは仕方ないにしても、演出・脚本が粗すぎて、あまりに現実味のない展開。少なくとも大人の映画ファンを満足させるような代物ではなく、無理して映画化しなくてもよかったのでは?というのが正直なところです。

 

9 うちの執事が言うことには

所詮アイドル映画なので、なんとも緩い感じで終始して、映画としてはちょっと物足りなさが残りました。King&Princeファンはこれでいいのかもしれませんが、なあなあの結末で、ちょっと甘すぎるのも、おぼっちゃまならでは?という現実をわかっていないようなところがこの原作の特徴なのかもしれませんが、ミステリーとしてはパンチにかけるかも。交通事故まで起こした犯人が、エンドロールでは仲良くゲームをしているというのもなんというか。

 

10 ホーンテッド・マンション

簡単に言ってしまえば「たわいのない」映画。エディ・マーフィが出ているからすればだいたい予想はつきますが、コミカルなファミリー映画が基本線。ゾンビたちもいかにも遊園地のアトラクション的な脅かしにとどまり、血が飛び出たり、骸骨はあっても生首がとぶわけではなく、あくまでもお遊びの雰囲気は超えません。親子で楽しむにはいいですが、映画を本格的に楽しもうという向きにはまったくもって不満なものになったのでは。テレンス・スタンプ演じる不気味な感じで印象には残りましたが…。