●尾藤イサオ 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

尾藤イサオ 出演映画 ベスト10

 

1 青春デンデケデケデケ

一言でいってしまえば爽やか青春映画。ありがちなどろどろした関係がいっさいなく、親子も兄弟も教師生徒も友人も男女も、とにかくすべての関係が丸く収まっているようなのんびりした社会の中で、伸び伸びと好きなことに打ち込む高校生達が清々しい。二昔前のエレキギターの音色がノスタルジーを誘い、晴舞台の学園祭でのシーンは自分の高校時代を思い出し、ついつい感傷にひたってしまいたくなるのです。とにかく周囲の見守る目が温かく、ありがちな保守的な大人との確執という構図も一切出さなかったことが成功したといえうです。浅野忠信演じる高校生の父親を尾藤イサオが演じています。

 

2 衝動殺人 息子よ

実際にもこの映画が追い風となって、犯罪被害者への補償を行う法律が施行されたということですから、映画の作り手や演じてはもちろん、モデルとなった事件の被害者の人たちの思いが伝わったといってもいいのでしょう。しかしこの映画が作られた時点では、立法の目途が立っているわけでもなく、その意味で、木下監督らをはじめとする映画に関わった人々の、なんとかしなければという意思は、かなりのものであったことでしょう。交通事故でも労働災害でも残された遺族に助けとなるお金は出るのに、非もなく犯罪で殺された人には何も出ない。そればかりか、忌み嫌われ、世間からも避けられてしまうことさえあるといい、悲惨な生活を余儀なくされることも珍しくないという事実。その矛盾、不公平さにメスを入れたということで、実に意義の深い作品に仕上げられていました。必要以上に脚色してスリルを煽ることもなく、とにかく自分の足で歩いて何とかしなければならないという主人公夫婦の必死な思いが伝わり、改めて今ある様々な法律の前には、似たような人々の尽力があったであろうことも、改めて気づかされた思いです。主人公を支える親戚の役で尾藤イサオは出演。

 

3 シャ乱Qの演歌の花道

この映画、確かDVD化されていないのですよね。なので観直したくても観直すことができないのです。ただ面白かったことだけは良く覚えています。尾藤イサオはそもそも歌手ですから、それを生かして演歌歌手岬一郎役で出演して、笑わせてくれました。

 

4 の・ようなもの のようなもの

空気感は森田芳光のコメディを引き継いでいて、どこか緩い感じのコメディがくすくすと笑えて楽しかったです。登場人物のキャラクター(松山ケンイチ演じる主人公は森田芳光の遺作のキャラクターをそのまま引き継いでいます)や名前、そしてワンシーンだけ登場する森田映画にゆかりのある俳優陣達。森田映画になじみがあるほど、面白く懐かしく観られるのではないでしょうか。ただ逆に思い入れがない人にとっては、落語界を舞台に描いたシンプルで刺激の少ないコメディとしか映らないかもしれません。それでも先の見通しも明るくないので、のんびりと落語界に身を置く主人公のゆったりとしてスタンスは羨ましくもあり、そのゆるさが心地よく感じられました。尾藤イサオは落語の師匠役。

 

5 紳士同盟

ラストは大団円で丸く収まるまでの準備や駆け引きを、見せる部分と見せない部分を混ぜ合わせて、登場人物も、観客も一緒に騙してしまおうというコン・ムービーの一種といっていいでしょう。バブル絶頂期直前の時代の空気があちらこちらに垣間見え、当時の浮かれた雰囲気が、よりこの手の金に絡む詐欺にとっては、取り組みやすくしていたのだろうなと思ってみたりもしました。脇役にもかなりのメンバーが揃い、アイドル映画とは思えない演技派そろいのキャストではありましたが、作品的にはそれなりに面白さはありますが、毒や刺激はわりと少なく、展開的にもわりと想像してように進んでいく部分はありました。尾藤イサオは家具店の主人を演じています。

 

6 居酒屋ゆうれい

役者陣の演技が達者ですね。ショーケン、室井滋、三宅裕司、橋爪功…そしてなんといっても山口智子が魅力的。毎日同じ客で満席の居酒屋というのもどうかとは思いますが、幽霊をただ追い返すだけでなく、そこに生まれるやり取りに温かみが感じられて良かったです。山口智子演じる後妻の兄役で尾藤イサオは出演。

 

7 エクレール・お菓子放浪記

多くのシーンにおいて、演出の不自然さが気になりました。アキオ少年のいかにも作ったような表情、そして「間」、ばあちゃんのあまりに極端な言動とその裏に隠された本音の不自然さ、再会のシーンは挙げるのも億劫なほどすべてに「変」だらけ。さらにいうと、脚本的にも突き詰めていくと納得いかない細部が多すぎです。揚げ足取りになるので、いちいち列挙するのはやめておきますが、説明が足りず腑に落ちない設定が目立ちましたね。ただ、それでも話としては悪い話ではないし、大変な時代だからこその人の温かさ・優しさが伝わるところも多く、もう少しきちんと映画を作れる人が携わったら、もっとちゃんと伝わる映画になったと思うと残念です。

 

8 のど自慢

町にやってきたNHKのど自慢に挑む人々が、どういう思いで、どういう背景をもって本番に臨むのか、そんな人情群像劇です。高校生特に役の伊藤歩が「花」を歌う場面は涙も誘います。大友康平、竹中直人、尾藤イサオとそれぞれがキャラクターを生かした役どころを好演し、楽しい映画になっています。尾藤イサオは室井滋演じる売れない歌手のマネージャー役です。

 

9 やくざ戦争 日本の首領

豪華且つ濃いいかにもヤクザ映画的なメンツが揃って、建前の底に隠された本音と陰謀がうごめく、どろどろねばねばのドラマとなっています。娘婿の医師が次第にやくざの世界に近づいていく様子がなんともいえない怖さを感じ、最後に解散声明を書こうとする辰己にモルヒネを打って息を引き取られた後、佐倉に「死因はなんだったのか」と尋ねられ「わたしも佐倉ファミリーの一員です」「ありがとう」のラストの会話にはゾクッとしました。組長付運転手を演じていたのが尾藤イサオ。

 

10 男はつらいよ ぼくの伯父さん

今回は完全に吉岡秀隆が主役の回といった感じで、寅さんもすっかり甥っ子のサポートに回るという役どころ。後藤久美子の初々しさが印象的。そのまま芸能界に居続けたらと思わずにはいられませんでした。