●女性料理人の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

女性料理人の映画 ベスト10

 

1 かもめ食堂

ゆったりとした展開で、台詞や俳優たちのかもし出す雰囲気をゆっくりと味わうことの出来るこんな映画に、癒しを感じるのでしょう。特別な能力を持つ人物でもなく、特別に驚くべき事件が起きるわけでもなく、特別に豪華な料理が出てくるわけでもないのですが、それでも不思議なことにちっとも退屈することなく、スクリーンに惹きつけられて目を離すことができないのです。それには、もちろん3人の力抜きに語ることは出来ません。特にもたいまさこが放つ独特の間は絶妙です。時間に追われあくせくと日々を過ごしているようなときに、この作品は一種の清涼剤になるのではないでしょうか。

かもめ食堂

 

2 バニラ・フォグ

突然料理の腕が増した若き女性シェフをサラ・ミシェル・ゲラーが可愛く演じています。最後に食べた人みんなが感動の涙を流すシーンは可笑しかったです。ロマンスの部分はやや雑なところもありましたが、総じて楽しいロマンティック・ファンタジー映画になっています。

 

3 バベットの晩餐会

味わい深い作品です。若い時にほんのひと時お互いに思い合った男女二組、そしてその女性の方は姉妹というわけなのですが、結局は結ばれることもなかったその縁が繋がって、晩年の盛大な料理による晩餐会へと結びついていくという、人生や運命の不思議を感じさせてくれます。そしてなんといっても食卓を飾る料理や最上級のワインやシャンパンの数々。ただひとり料理の素晴らしさを語る将軍と、周りの老人たちの反応の違いがどこかユーモラスでもあり、ほのかなわびしさを感じさせる描写でもあったりします。最後に明かされるバベットの秘密と彼女の意気にまたほろりとさせられます。

 

4 食堂かたつむり

田舎の風景の中で穏やかな作品になっています。演出としては、ややファンタジー色を強めに押し出してきていて、そのあたりで好き嫌いが分かれてきそうです。出だしの怒涛のバックグラウンド説明を見たところでは、もっと激しい展開が待ち受けているのかとも思いましたが、その後は意外に淡々とした動きで終わった印象です。原作を無視すれば、それぞれのエピソードをもっと映画的に、派手な展開のよりファンタジックなものにすることもできたでしょうが、やりすぎても嘘っぽくなるし、このあたりが限界だったのかもしれませんね。ファンタジックな映像をあれこれ差し込んだ割には、手堅くまとめたという気はしました。

 

5 マーサの幸せレシピ

全体的にはよくまとまって、いいと思える作品にはなっています。ただメインは姪との関係、サブが同僚との恋愛、そしてその次が仕事なので、その部分に緊張感や熱いものがもっと描き込まれていたら、より切れ味の良い優れた作品になっていただろうとは思います。それでもどこかくたびれた感じの美人シェフ役のマルティナ・ゲデックには不思議な色気が漂い、映画の魅力付けの要素のひとつとなっていることは確かですし、子役が下手に可愛くないのも逆にリアルで悪くかったです。

 

6 幸せのレシピ

オリジナルであるドイツ映画「マーサの幸せレシピ」と基本の構図は同じです。中盤まではほぼ似たような展開で進んでいくのですが、終盤を大きく変えています。米国のリメイクとしては、意外にもこちらのリメイク版のほうがあっさりとしたまとめ方で、オリジナルの方がヒロインと姪との間に育ってきた愛情を前面に押し出して、かなり情に訴えたものになっています。オリジナルを知らずにこちらを見ていれば、おそらくなかなかいいお話だなぁ…と単純に思えたのかもしれませんが、どうしても較べてみてしまうので、ちょっと物足りなさは感じました。ただ、こちらのすっきりしたラストの方が好きだと思うかたも当然いらっしゃるでしょうし、否定はしません。好みの問題でしょう。

幸せのレシピ

 

7 二ツ星の料理人

過去の傷をどこかで引きずりながらも、生まれ変わって一念発起、三ツ星レストランのシェフを目指す主人公。最初はあまりにも三ツ星にこだわり、野心が満々でギラギラしている印象だったのが、最後にはすっかり力が抜けて、彼本来の人間性がようやく表れたような形でめでたしめでたし。かつていろいろな人に迷惑をかけた中で、その彼を受け入れる者、密かに復讐を誓う者、あからさまにライバル心を燃やす者と色々でしたが、腕は確か。最後は落ち着くところに落ち着いたという展開で、全体的にはまずは観ている側の想像するとおりに進んでいった印象です。ミシュラン審査員のくだりも、実はそうではなかったというのは予想できたことで、そうだと知った時はやっぱりなという感じでした。もう少しシングルマザーの同僚の有能女性シェフとの関係が進むと、話としては盛り上がったかも。

 

8 ジュリー&ジュリア

楽しそうに料理を作っている二人の様子を観ているのは微笑ましい気持ちになれました。夫婦仲が二組とも良いのがいいですね。趣味の延長からなんとなくのめりこんで、「大作」を作り上げたジュリア。実話ということで、極端な脚色が出来なかったのか、最後がちょっと残念ではあったのですが、彼女の前向きな明るさには救われる思いでした。最近出演作がグンと増え、売れっ子になりかけているエイミー・アダムス。今作では庶民的な役ということで、メイクもシンプルではありましたが、普通の働く奥さんにすっかりなりきっていて、好感の持てる演技でした。メリル・ストリープはさすがの貫禄です。

 

9 しあわせのかおり

中谷美紀演じる女性が、デパートの営業から料理人に転じ、料理人として成長していく過程を描いたドラマです。師匠となる料理人が通じ合っていく様子のドラマがいまひとつ弱い印象はあります。また簡単に上手になり過ぎの感もあり、いまひとつ真実味が少ないのも難点。けっして悪いドラマではないのですが、わりと安易に行動に移しているような印象は覚えました。

 

10 ラーメンガール

今は亡きブリタニー・マーフィが日本の俳優たちとがっぶり組んで演技している姿に、どこかしんみりしてしまうところがあります。本当に若くしての死は残念です。米国の監督が作った映画としては、邦画らしい人情物語になっていて、ありきたりといってしまえばそうですが、やはりハリウッド女優が日本のラーメン屋を舞台らした作品に主演しているところが、不思議と感慨深く思ってしまうのでした。