●綾野剛 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

綾野剛 出演映画 ベスト10

 

いろいろと話題の綾野剛です。

 

1 白ゆき姫殺人事件

計算された構成、適材適所の配役(井上真央、綾野剛はもちろん、菜々緒、金子ノブアキ、蓮佛美沙子、小野恵令奈あたりは見事なはまりっぷり)、巧みな映像表現、込められた現代社会への風刺、そして魅力的なストーリー展開と、冒頭から結末までぐいぐいと惹きこんでいく力もまた見事。娯楽映画として観客を楽しませながらも、一方で現代の社会的病理をテーマとして送り込んでいく強かさ。ワイドショーでの取り上げ方など、多少の誇張は気にはなりましたが、全体としては些細なことに思えるほど、よく出来た作品でした。綾野剛はテレビ局の契約社員の役。

白ゆき姫殺人事件

 

2 横道世之介

懐かしくて、微笑ましくて、そしてせつない、まさに「CHA-CHA-CHA」や「MONOTONE BOY」がヒットしていた時代に、地方から上京して大学生活を送っていた身にとっては、たまらない青春映画です。2階建ての木造アパート、シャツインのファッション、連絡は固定電話、ねるとん、車…まるでタイムスリップをしたように、心はあの頃に連れて行かれました。バブル景気で世の中全体が浮かれている時代、そんな雰囲気もあちらこちらに出ていましたね。そんな背景の中での二人の恋愛模様も、進んだり止まったりで、どこかもどかしい感じが微笑ましかったです。そんな青春時代に差し込むように、10数年後に思い出として世之助が語られ、そして消息が明らかになる構成も、懐かしさを誘いました。短期留学に立つ祥子に「帰国後真っ先に見せる」と約束した写真が、10数年経って初めて祥子の目に触れた事実。そのことを思うと、映画のラストシーンのあと世之助と祥子に何が起きたのか、想像すればするほどさらにせつなくなるのです。世之介の友人役で綾野剛は出演。

 

3 怒り

配役と犯人の写真の作りかたがかなり巧妙で、3人のうちのだれもが犯人の可能性があるように思え、うまく映像を利用したところがまずは褒めたいと思います。日本の3か所で同時進行で進んでいる出来事。素性の分からない一人の男がそれぞれに現れ、そこで暮らす人の心の奥に入り込んでいく中、それぞれに信頼関係が生まれていきます。その中で東京と千葉においては、繰り返される殺人事件の報道、整形の写真、情報公開を求める番組等の中で、もしかしてという気持ちが芽生えることで、瞬間的にその関係が揺らいでいきます。しかしその疑惑が疑惑でしか分からなかった時に、相手を信頼しきれなかった自分を公開する大粒の涙が…。東京ではそれは取り戻すことができないこととなり、一方千葉では再度のチャンスが与えられるわけで、そのあたりの差はありますが、受け入れる側が信頼しきれなかった結果での展開ということでは一致しています。しかし残りの沖縄は逆で、信頼していたのに裏切られたというところから最後の衝撃的な第二の殺人事件に繋がってしまったわけで、その構図は他の2か所とは異なります。またよそ者の男が犯人ではないかと疑われることもなく、結果からみると、一番怪しくない人物が実は犯人だとか、結局人間性としては犯人たる性格の持ち主だったとか、その意味では真っ当で正攻法な結果だったのではないでしょうか。近年重い作品の続く李相日監督ですが、きちんと見せる作品に仕上げてくるところはさすがです。

 

4 64 ロクヨン 前編/後編

見応えのある犯罪ドラマでした。犯人、被害者の家族、捜査に当たった者…それぞれが抱えた14年の重さが一気になだれとなってのしかかるような、そんな重みを感じさせられます。一方でメンツを守ろうとする警察組織、そんな警察に不信感を募らせる記者たち、間に入り振り回される広報、それぞれの立場がぶつかり合った感情的なやりとりも緊張感に溢れていました。子供の命を他人に奪われそこで時間が止まったままの父親の無念、同じように娘の行方が分からなくなっている主人公の広報官にとっては、まさに他人事ではなかったのでしょう。自分の思いと被害者の父親の思いが重なり、最後の強行に走ってしまったのも充分に理解が出来ます。豪華キャストが揃い、前編後編合わせて、ひと時も興味がそれることなく、集中して鑑賞することが出来ました。綾野剛は警察の広報担当者役。

 

5 楽園

綾野剛主演。とにかく終始息苦しさを感じる作品で、このあたりはいかにも瀬々監督。解明されない少女失踪事件に関わる人々のその後の人生、だれをも幸せにすることのない事件はそれだけにとどまらず、関わった人々の生活にも影を落とし、時間がいくら経過してもそれは消えることなく、それぞれの人にのしかかってくるのです。一方で異質なものを排除しようとする昔ながらの凝り固まったコミュニティでは、個人での行動や新しく変えようとする意見は徹底的に叩き潰しにくるため、ちょっとしたことで独り孤立してしまいます。周囲の目が常に光る小さい限定されたコミュニティに戻ってきた男が、その孤立から起こした惨劇。冒頭の事件も明確な真実が明かされるわけでもなく、終盤の連続殺傷もその描写を最低限に抑え、犯行がどのような経緯で行われたかを明確には見せません。ただただ重く人々の心にのしかかり、なかなか人生を前へ進めることができない人々の胸の中の葛藤だけが伝わってくるのです。周りの人々の誰もが自分を知っているような濃密で狭い社会では、よいこともちろん沢山あるのでしょうが、この映画ではその生きにくさのようなものがよりクローズアップされ、重たい気持ちになるばかりでした。

 

6 はさみ -hasami-

生徒たち一人ひとりと向き合い、心のケアにまで目を届かせる美容理容学校の教師と、そこに通う生徒たちと家族や周りの人々との関係を、丁寧に優しく描いた心に響く作品になっています。実際の学校がここまで親切かどうかは分かりませんが、心の通った生徒と先生との交流は、胸に響いてくるものがありますね。池脇がそんな専門学校の先生を好演、悩み苦しみそして笑う一つ一つのシーンがとても丁寧で、素晴らしい演技をしていました。こういった映画がもっと広く観てもらえるようになると嬉しいです。綾野剛は美容科の学生の彼氏役。

 

7 あぜ道のダンディー

父親として、どこの部分でかっこつけるのか。光石パパが意地でも貫くのは、地位とかお金とか仕事とかそういうものではなく、子供に余計な心配をさせないこと。そのためには子供の前で決して弱音を吐かず、お金の心配もさせず、好きな道を選ばせてあげる。そして結果的にそういった父の思いというものは、子供たちにも伝わるものなのですね。そういう意味で、やはりこの父親はかっこいいし、ダンディだと思います。彼の生き方には共感できるところもありますし、それに光石研がまた上手いのですよね。久々の主役ということですが、さすがです。作品としては構成的にも巧みで、前半は愛想がなく何もやる気がなさそうな息子・娘たちであったものが、後半には実はいい子なんだよといったことが明るみになっていき、そのあたりのひきつけ方も心憎く感じました。

 

8 ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

戦中の満州国と現在を行き来しながら、国のためにレシピを開発しよう使命に燃えていたはずが、隠された陰謀から何もかも失ってしまった祖父と、両親を失い施設で育った、ともに天才料理人の数奇な運命を描いているドラマです。結果として自分のルーツを訪ね歩く形で、天才料理人の末期を追うストーリーは、ミステリー仕立てで、最後まで目が離せませんでした。そしてそこに差し込まれる、独創性の強く、しかも最高の食材でつくられた料理の数々。目の前でおあずけを食らっているようで、結構苦しかったです。ドラマは数奇な運命のつながりを見せる形で、絡まった糸がほどけていくような心地よささえ感じるラストで、映画として面白く観られました。二宮君の料理シーンがもっとあれば、より説得力はあったかも。その友人役として綾野剛は登場。

 

9 リップヴァンウィンクルの花嫁

言ってしまえばこの主人公、どんくさくて要領が悪く、観ていていらいらするのは確か。人が良すぎて利用されてばかり。しかし様々な試練を乗り越えて強くなったうえでの最後の爽やかな旅立ちのシーン。きっとこれから先は素晴らしい人生に変わっていくに違いないと思わせるラストにはほっとさせられました。このようにとにかく黒木華演じる主人公の女性としての成長物語といった趣が強くなっていて、ほぼ出ずっぱりとなっています。3時間という長さはほとんど感じませんでした。ターニングポイントでその都度絡んでいく謎の男を綾野剛がまたいい役割を果たしています。依頼人(夫の母親だったり、心中相手探しの末期がん患者だったり)に対して忠実である彼は、ときに彼女を貶めるような結果になってしまいながらも、その彼女をまた救ってあげるのも彼。なんとも不思議な役どころでありました。

 

10 ヤクザと家族 The  Family

綾野剛主演。やくざに対する世の中の変化と、その中でやくざ自体も変わっていかなければ、飯を食っていくことができない。またかつてはやくざが取り仕切っていた仕事も、やくざではないものが務めるようになる、そんな社会におけるやくざの在り方がひとつのテーマにはなっています。またSNSで簡単に情報が流れてしまうというのも、やくざとその家族にとっては、生きにくくしているようで、この作品の中でも、せっかく家族3人でやり直そうとしているところで、不用意な発信から、職場にも地域にもいられなくなってしまうのです。一般目線でいうと歓迎すべきことなのでしょうが、当人にとってはやはり死活問題。やくざにかわる者が登場して、結局は同じことを代わりにやるだけだったりもするわけなのですね。ただその中でも止まらないのは復讐の連鎖。殺しが殺しを呼ぶ連鎖は、手打ちをしても、警察に捕まっても、組の人数が減って衰退しても、結局は止まらない。親から子へとつながっていく因果応報。この作品ではの輪の中に一度はいってしまうと、簡単にはぬけざせなぃ悲劇の連鎖が、なんともやるせない後味をのこすのです。

 

11 うさぎドロップ

12 閉鎖病棟 それぞれの朝

13 闇金ウシジマくんシリーズ

14 そこのみにて光輝く

15 影裏

16 日本で一番悪い奴ら

17 ワーキング・ホリデー

18 新宿スワン

19 クローズZEROⅡ

20 るろうに剣心