●チョン・ドヨン 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

チョン・ドヨン 出演映画 ベスト10

 

韓国の演技派女優を取り上げます。

 

1 スキャンダル

決して品の良い映画ではありません。それでも使い古されたストーリーながら、韓国時代劇にアレンジされて、全く違和感のない艶のある作品に生まれ変わっています。ある意味次々に女を落としていくウォン(ペ・ヨンジュン!)は男にとって羨ましい存在でもあり、女優陣とラブシーンを重ねるのをみるだけでもため息が出てしまうのですが、とにかくエロティックな香りが漂う見応えのある映画に仕上げた力量と勢いを感じました。チョン・ドヨンも体をはって奮闘していますが、ペ・ヨンジュン演じる女たらしの毒牙にかかってしまいます。

 

2 接続~ザ・コンタクト

ピンポイントでこの時代ならではの、洒落た恋愛映画です。なかなか会わない二人が見ていてじれったいのですが、それが製作者側の狙い。音楽をところどころ効果的に使って、ムードを盛り上げています。日常の中での孤独を上手に感じさせながら、男女がやっと巡り合うクライマックスまでを盛り上げていて、およそ当時感じていた韓国映画のイメージとは違う洗練された雰囲気を見せてくれました。チョン・ドヨンはヒロインを演じています。

 

3 ハウスメイド

なかなか面白いじゃないですか!チョン・ドヨンは相変わらず、思い切った演技を見せてくれますね。この映画、そのドヨン演じるヒロインに感情移入しやすいように工夫されていて、優しく誠実なメイドと、対する主人一家が如何に変わっていて酷い人達であるか、そんな構図で観ている者を取り込んできます。でもよくよく考えてみると、確かにこの一家の面々には行き過ぎの部分はありますが、実は感情的には理解できないでもないのですよね。妻の妊娠中にメイドにふらっと体が惹かれてしまう、夫や娘の夫を寝取った女を懲らしめたい…。一方でこのヒロインも普段の優しさに騙されてしまいますが、よくよく考えるとなかなかの食わせ物。なかなかずうずうしくてしぶとい。そして彼女が選んだ韓国映画らしいラストを見ると、強烈な性格が確かになります。でも、観ている間はそれに気づかせないのが、チョン・ドヨンの存在感と演技なのですよね。当然私もこのメイドさんに肩入れしてしまうわけで、そんなところで実は巧みな映画だったのではないかと思いました。

 

4 ユア・マイ・サンシャイン

一目惚れした彼女が、売春行為をしてようと、冷たい態度をとられようと、昔の男が現れようと、エイズになろうと、黙って姿を消そうと、再び売春に足を染めようと、逮捕されようと、面会を拒絶されようと、とことんまで愛し続ける主人公の強い愛情には恐れ入ります。ここまでされてもなお一人の人を愛し続けるということは、正直なところ完全に理解はできないのですが、これだけ真っ直ぐに気持ちを貫く姿を見せ続けられると、最後には嫌が上でも応援してあげたくなります。ようやく叶った刑務所での面会シーンは、この映画のハイライトでもあり、二人の心が通じ合う場面として、感動を誘ってくれました。映画の流れには起伏がありますし、その中で二人の、特にチョン・ドヨン演じるヒロインの心の変化をうまく映し出しているので、自然にスクリーンの中に引き込んでくれます。ただ、2時間2分は若干長く感じ、あと10~15分ぐらい短く纏めると、よりしまった作品になったようには思います。

ユアマイサンシャイン

 

5 シークレット・サンシャイン

これはチョン・ドヨンのためにあるような作品といってもいいかもしれません。彼女の持つ才能を遺憾なく発揮させるために用意されたシナリオ、そんな感じがしました。この役をできる女優は、韓国映画界にもそうはいないでしょう。知らない土地で子供を殺されたシングルマザーの心理を描いたこの作品、死んだ夫の故郷で必死に頑張る第一段階、子供を殺され神に心酔していく第二段階、神にも反発し自分をコントロールできなくなってしまう第三段階とその変化を見事に演じ切っていました。作品自体は重くすっきりしないのですが、ソン・ガンホと二人の演技が救っていたように思いました。

シークレットサンシャイン

 

6 君の誕生日

チョン・ドヨンとソル・ギョング、演技派二人の喜怒哀楽の感情表現が素晴らしく、それだけでも観る価値はあるかもしれません。韓国では大変な社会的問題となった沈没事故による遺族のその後を映画化、時間を経ても癒えないその心のうちを繊細に描き出しています。特にチョン・ドヨン演じる死んだ高校生の母親の悲しみは、他の遺族に比べてもはるかにダメージが深く、その様子に久しぶりにベトナムから帰ってきた夫は困惑するばかり。時々我を忘れたように泣いたりわめいたりする妻に対し、表情を亡くしたように眺める夫が対照的ではあったのですが、誕生会のシーンで、大声で泣き出す夫の体にそっと手を差し出す妻のシーンは、二人が初めて同じ気持ちになった場面として、印象的でした。

 

7 メモリーズ 追憶の剣

総じてまあまあといったところ。進行中の話に回想を交えたり、登場人物が名前を変えたりしているので、字幕で追うのにやや疲れるところは難でありますが、恨み合いながらも愛情を捨てきれない男女の悲しい性と、親たちの争いに巻き込まれる娘の逃れられない悲しいさだめがやるせなく響いてきます。チョン・ドヨンは高麗末期の3剣士の一人として出演。

 

8 ハッピーエンド

不倫が原因で夫に殺されてしまう妻の運命を描く。不倫ものらしく、どんよりとしたムードが漂う思い雰囲気の作品になっていますが、夫婦のマンションでの会話の様子が実に生々しいです。どう考えても妻(チョン・ドヨン)が加害者ということで描くことで、ラストの犯行を正当化しているようにも思えるのですが、なんとなく終わっていくラストシーンもまた、この映画らしい。ハッピーエンドという題、非常に皮肉が利いています。

 

9 無頼漢 渇いた罪

刑務所上がりのやくざ者のふりをして、犯人逮捕の為に事件の鍵となる女にちかづいた刑事。嘘だと分かりながらも、刑事であることは見抜けず、次第に惹かれあっていくのですが、最後はやはり使命があるわけで、正体を明かす時が来ます。惹かれ始めていて、一緒に暮らそうとまで言われただけに、なおさら男に対する裏切られたという気持ちが大きかったのでしょう。最後のシーンがとても切なくやるせなく映ります。事件の鍵となる女を演じるチョン・ドヨンはさすがの貫禄。

 

10 男と女

ダブル不倫の映画ですが、なんといってもチョン・ドヨンの他の作品以上の美しさが際立ちます。秘められた恋に落ちた女の美しさというものが、彼女の表情からあふれ出ていて、今までに見たことのない色気を出していました。ラストは実に切なく、ダブル不倫の両者の出した結論が反対のものであった時、すべてをなくしてしまった一方のぶつけどころのない悲しさというものが、とにかく切なくて仕方ありませんでした。