●アダム・ドライヴァー 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

アダム・ドライヴァー 出演映画 ベスト10

 

あまり表情の変わらない印象の俳優さん。

 

1 J・エドガー

日本の一般人にとってはあまりなじみのない人物ではありますので、こうして映画で観て初めて知ることが多いです。強引な捜査、権力に物を言わせた言動や部下の選別、気に食わない相手への異常なほどの攻撃性、信頼する部下との愛情に近い異常な関係…ととにかくスキャンダラスな内容にびっくり。現在と回想部分とを行き来しながら、見応えのあるドラマにはなっていました。老け役のディカプリオもなかなか。無名のアダム・ドライヴァーはちょい役で出演。

 

2 フランシス・ハ

どこにでもいそうだけれど、ちょっと変わっている、もう若いとも言えなくなってきた27歳の等身大が描かれ、興味深く観ることができました。ダンサーになる夢を捨てられない一方で、突きつけられる厳しい現実。それを認めることが出来ず、さらにずっと一緒だった親友は新しい世界へ進もうとしているあせり。恋人もおらず、住む場所も安定しない。周りからはもう若いともいえない年齢だと言われ、意地と不安の間でゆらゆら。モノクロの映像に効果的に使われる音楽で、雰囲気も個性的。有名俳優も皆無ですが、現代の都会に生きる女性の生態のようなものが浮き彫りになって面白かったです。主人公のフランシスの友人役でアダム・ドライヴァーは出演。

 

3 スター・ウォーズ フォースの覚醒 

過去6作に最大限のリスペクトを持って作られていることはものすごく感じます。ハン・ソロ、レイア姫、ルークだけでなくC-3PO、R2-D2の登場シーンはそれぞれ待ってましたとばかりに工夫された演出で迎えいれており、拍手が起こるほど。乗り物や武器もそう。とにかく過去の作品のファンをまず喜ばせる、満足させることが第一に作られているようで、その点ではきちんとつかむところは掴んでいたという印象です。そのあとはファースト・オーダーとレジスタンスとの激しい戦いの中に、巻き込まれていくわけですが、結果として新3部作の序章といった内容で、まだまだ激しい戦いが今後待っているというワクワク感を持たせて終わっていくわけです。

 

4 沈黙 サイレンス

マーティン・スコセッシが長年温めていた遠藤周作の原作を映画化ということで、信教に関するとにかくずっしりと重いテーマですし、上映時間をとっても作り手の熱い気持ちがよく伝わってきます。キリスト教を広めようとやってきた外国人宣教師たちでしたが、想像以上の弾圧と、キリスト教が根付かない日本特有の文化に躓き、信教を不器用にまで通して死んでいく者と、屈辱の中で表面的に棄教し抵抗を諦める者、いずれの選択にしてもそれは実に重い選択だったことでしょう。斬首シーンなどかなり衝撃的なシーンもあるなど、拷問のシーンは観ていて辛いもので、これを目の前で仲間たちが受けているのは到底見るに堪えないものであることは想像に難くなく、そういう意味で踏み絵に応じたシーンはほっとしてしまったりもしました。なかなかこの時代の日本の宗教弾圧を描く作品というものは少なく、そういった意味では日本人でないスコセッシ監督がこの映画をつくったということは、やられたという感じさえしました。宣教師の弟子のひとりをアダム・ドライヴァーが演じています。

 

5 スターウォーズ 最後のジェダイ

ボリューム感いっぱいですが構図はわりとシンプル。とにかく反乱軍が追い詰められて、縮小していく様子と、マーク・ハミル演じるルークを介してのカイロとレイの関係性が主軸。カイロが善と悪の間で揺れているのか、悪に変わりきっているのか、表情を見ていったいどちらなんだろうかと思っていたら、まさかの展開。そこに唯一の意外性がありましたが、最後は完全に対決モードに。そんな中で今回のタイトルロールでの最初の名前はマーク・ハミル。最後はハミルの命を懸けた活躍で窮地を脱すわけで、レイヤ姫を含めて、二人へのリスペクトが如実に表れた作品といってもいいでしょう。本編としてはいよいよ残るは一作。果たして反乱軍の行方は?ということでしょうか。カイロ・レン役でアダム・ドライヴァーは出演。

 

6 マリッジ・ストーリー

既に離婚が決定した二人(スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライヴァー)。しかし離婚調停の場ではそんなにことが簡単に運ぶわけでもなく、お互いに少しでも有利な条件を引き出そうと、弁護士ともども必死になるわけで、その繊細なやりとりがリアルに描かれています。一度は愛し合って子供までもうけたふたりですが、こじれてしまった関係は、本人たちにしかわからないものもあるようです。二人で部屋の中で静かに会話を始めるシーン、次第に互いに感情が高ぶって声が大きくなり、ついには男が大声で罵ってしまい、ふと冷静に戻って自己嫌悪に陥るシーン。実に生々しいやりとりです。それでもこの作品の救いは、一人息子がどちらにつくでもなく、両親の状況を受け入れながらも、自然体で過ごしていること。離婚にハッピーエンドはないでしょうが、それでもいわゆる「円満離婚」が読み取れるラストで、後味の悪さを残さずに終わったことは良かったです。

 

7 テリー・ギリアムのドン・キホーテ

テリー・ギリアムらしく癖の強い作品ではありますが、アダム・ドライバーの飄々とした雰囲気が主人公にはまって、どこかコミカルなテイストの時代活劇となっています。ドン・キホーテと自分を思いこむ地元の老人や、囲われ娼婦と化したかつて愛した女、やたらと誘惑してくる上司の妻などなど、出てくるキャラクターもみんな強烈で個性的。彼ら彼女らのおかげで作品自体がどこか騒々しくなっていることが、また楽しい雰囲気を生み出しているのです。そして結末がまた洒落たオチとなっていて、冒頭のシーンにも繋がってくるわけで、その意味でまとまりはないものの、ニヤッとさせるような味わいのある映画になっていたのではないでしょうか。

 

8 リンカーン

よく言えば正攻法、悪く言えば面白味のない伝記映画。米国にとっては、今の自由主義国家の根幹部分を作った「超」重要人物であることからすると、当然こういう描き方になるのは仕方ないところではありますが、リンカーンという人物への思い入れがさほどではない日本人からすると、「ふーん、そうなんだ」で終わってしまうような描写に終始しています。確かにダニエル・デイ=ルイスのなり切りぶりは見事ですが、そこばかりが前面に立ってしまっている印象で、私にはダニエル・デイ=ルイスが頑張って演技しているなぁというように見えて仕方ありませんでした。ストーリー的にも想定内の展開で、上映時間の割には心を動かされることも少なく、無難に他難い作品で終わってしまいました。アダム・ドライヴァーはチョイ役での出演。

 

9 ブラック・クランズマン 

スパイク・リー監督らしく人種差別問題に切り込んだ社会派ドラマの要素を織り込みながら、風刺と皮肉がきいたサスペンスとしても楽しめる作品になっています。どこか飄々とした二人の刑事が作り出す空気感がなんともいえない味わいを醸し出していて、結構重いテーマでもどこかくすくすと笑えるようなところがあります。最後は自ら仕掛けた爆弾によって自滅してしまうあっけなさがバカバカしくもあって、人を食ったような面白さを楽しめました。アダム・ドライヴァーは刑事役。

 

10 デッド・ドント・ダイ

とにかくキャストが豪華で、この手のB級ゾンビ映画なのに、ゲスト出演的なキャストも含めて、冗談かと思わせるほどのキャストが揃っていることに驚きました。ただそのわりに、肝心の内容は、結構ゆるゆる。本気で怖がらせようというタイプのゾンビ映画ではなく、バカバカしさを笑ってもらおうという類のゾンビ映画なので、それはそれでありではありますが、そのゆるくバカバカしいことを一流俳優やミュージシャンがまじめに取り組んでいるのがいいですね。