●オペラ映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

オペラ映画 ベスト10

 

1 ワンチャンス

夢と情熱とユーモアと思いやりにあふれた素敵なサクセスストーリーです。誰もが難しいことを考えずに素直に主人公を応援でき、爽やかな気持ちになれる作品ではないでしょうか。気持ちよく鑑賞することが出来ました。ジェームズ・コーデン演じるポールの醸し出す人のよさそうな雰囲気がいいですし、それ以上に彼を支える奥さんや上司のキャラクターもまた味わいがあります。特にこの奥さん、彼にどんなことが起ころうと、才能を信じて背中を押してあげ、応援し続ける姿は実に素晴らしく、まさに妻の鑑、彼女いてこそのポールという感じです。こんな素敵な奥さんに巡り会えて、羨ましいとさえ思ってしまいました。オペラに造詣が深くなくとも十分に楽しめるでしょう。

 

 

2 アマデウス

モーツァルトの拡大解釈ということで、かなり大袈裟ではありますが、物語としてはひかれました。なんといっても、主役二人の演技が見事。舞台俳優ということで、それらしい振る舞いでしたが、それだけでも一見の価値アリ。

アマデウス 

 

3 歌劇王カルーソ

オペラ歌手エンリコ・カルーソの人生を描いた伝記映画ですが、伝記にありがちな暗さがないのは、主人公のキャラクターでしょうか。最後の死も抑え目に表現されていて好感がもてました。登場する女性陣もチャーミング。

 

 

4 マリア・カラス 最後の恋 

マリア・カラス一人の映画のような邦題ですが、原題の表現が正しくて、カラスと海運王オナシス二人の長い期間の関係を描いたドラマでした。歌手としてのマリア・カラスというよりも、一人の女性としてのマリア・カラスにスポットを当てた、恋愛映画といってもいいでしょう。それにしても大富豪オナシスの贅沢三昧の生活模様はなかなか興味深く、豪華クルーザーや、華やかなパーティー、美しい調度品や美術品などなど、ため息の出るようなものばかり。しかしいくらお金があり、世界の注目の対象になったとしても満足できない彼の性分が、結局のところ二人の関係の行く末を決めてしまったというのがなんとも皮肉です。成功と名誉と富を求めたオナシス、一方何よりも愛を求め、仕事をやめてでも愛する彼と一緒にいたかったカラス、二人の求めるものがあまりにずれていたことで、やはりうまくいかない運命だったのでしょうか。

 

 

5 ベル・カント とらわれのアリア

テロリストと人質たちが閉鎖された大統領邸の中でともに時間を過ごすうちに、友情に近い感情が生まれてきたり、中には男女の恋愛関係になってしまったりと、ともに傷つけないで解決策を見出していこうという空気が強くなってきた矢先の、突然の政府軍による乱入と犯人グループの抹殺作戦。中で起きていることは当然外からはわからないもので、作戦を遂行した大統領は、人質の中にも犠牲者を出したにもかかわらず、得意げに成功を国民にアピール。なんともやるせない結末は、空しい余韻を最後まで残していきます。これがリアルかどうかと問われると、ちょっと犯人側も甘いし、人質側の緊張感も薄いのではないかと思ってしまうところもありますが、しかしそれは映画の中の話。結局は権力者が最後には力に物を言わせてすべてを片付けてしまうということですね。

 

 

6 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い

主軸となるストーリーと劇中劇とのつなぎ方が巧みで、上手に融合されていたと思います。セット全体がどこか舞台の雰囲気で作られていて、独特の世界観を表現していますし、オペラオペラしていないので、オペラを知らない人でもそれなりの楽しみ方はできますし、もちろんオペラの知識があったらもっと興味深く観られたでしょうけれど。多少長さを感じる部分はありましたが、手堅く纏め上げた印象です。

 

 

7 アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール

その出生から歌手として世界で活躍するまでの長い期間を描いた正統派の伝記映画です。オペラファンではなくても、映画として理解できる内容で、職業はともかく、視力を失っても自分の信じた道で成功を収めたひとがいるということを知らしめるだけでも、意義のある作品だとは思います。作品としては長い期間を描いている分、ひとつひとつのエピソードを深く突っ込んで描くことができず、出来事を追っていくだけのやや浅いドラマになったのは惜しいところですが、アンドレア・ボチェッリ入門映画としては十分なものだったとは思います。

 

 

8 マルクス兄弟 オペラは踊る

60年以上も前の作品なのに、意外古さを感じさせない作品です。さすがのマルクス兄弟。ドタバタ喜劇なのですが、思わずくすくす笑ってしまうシーンも多々あり、気分も爽快に。ホテルの部屋のシーンがお気に入りです。

 

 

9 カルテット!人生のオペラハウス 

ストーリー展開自体は平坦で凡庸であるので、オペラに造詣が深くない者にとっては、そんなに楽しめないのではないでしょうか。こういったお年寄り用のホームを舞台にした作品はいくつかありますが、ここの場合は音楽家限定。その時点で、一般人からみると壁があるようで、感覚としては遠く知らない世界の出来事を観ているようなもの。身近なドラマとして、共感しながら鑑賞するとうことはしづらかったですね。音楽家の顔も名前も知らないし、唄を聴いても、せいぜいどこかで聴いたことがあるなぁという程度。どうやらお呼びでなかったようです。

 

 

10 永遠のマリア・カラス

伝記的映画としてはやや重みにかけるのは、カラスという人物のある一部をほんの切り取っただけだからなのでしょうか。自分に正直なところを、やや我侭なキャラクターとして描いているのですが、その深くにあるであろう苦悩というものが、あまり浮かび上がってこないのが残念でした。ジェレミー・アイアンズ演じる、理解あるプロモーターもあまりに優し過ぎて、人を許してばかりいるところが、どうも共感を得にくいのですよね。結局作品として単調で凡庸としたものになってしまったのは、その題材からすると物足りなさが残りました。