●鳩が登場する映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

鳩が登場する映画 ベスト10

 

重箱の隅をつつくようなテーマですが…

 

1 Laundry ランドリー

現代のおとぎ話といったところでしょうか。自分勝手で「ありがとう」さえろくに言えない傷心の疲れ切った小雪演じる女性が、次第に表情が解きほぐれていく、それも少しずつ、迷いながら。それが伝わってきて、ほっとするようなラストシーン。窪塚の演技はやや過度に純粋に見せようという部分が見えてしまう部分もあって、必ずしも手放しで賞賛できるようなものではないですし、ストーリー的にもあまりにもリアリズムが不足しています。このような欠点があるにも関わらず、ラストシーンには素直に感動を覚えてしまうのは、この作品が持っている力なのだと思うのです。たくさんの白鳩を飼う仕事を主人公が手伝うシーンが印象に残っています。

ランドリー 

 

2 リトル・ヴォイス

誰とも口を利かなくなった少女を演じるジェーン・ホロックスがなんとも不思議な魅力を放っています。逆にレース鳩の飼育が唯一の趣味という青年を演じるユアン・マクレガ-は、単なる添え物という感じで、出番の割に印象が薄いような気はしました。物語は風変わりだがなかなか面白いです。ラストの鳩が飛び立つシーンは象徴的かつ印象的。

 

 

3 愛と希望の街

まだ日本が貧富の差が大きい時代、身分や生活レベルの差による価値観の違いが大人たちの心に根付く中、まだ純粋さを信じる少年と少女のやるせない思いを描く、時代を感じさせる作品でした。どこかフランスやイタリア映画の雰囲気も持ちあわせていますが、1時間あまりの短い作品の中に丁寧に登場人物たちの心情を丁寧に描いていました。鳩を売ってもらった少女の心のうちをおもうと切なさを感じずにはいられません。

愛と希望の街 

 

4 銀嶺の果て

サスペンスの中に、次第に人間らしさを取り戻して行く男を、完璧にまでの悪人の男との対比を通して描く、黒沢の脚本らしい作品となっています。三船敏郎演じる男が伝書鳩を殺してしまうことで、残忍な性格を表現しています。

 

 

5 レッドクリフ PartⅡ 

前振りを受けての2作目ということで、戦闘シーン中心に迫力ある映像。かなり娯楽に徹したつくりで、時代劇としては派手すぎるぐらいな印象で、うそっぽい感じになってしまっているが、それはジョン・ウーらしさなのかもしれない。1作目の鬱憤はこれで晴らされたような感じでしょうか。良くも悪くもアクション大作です。序盤に伝書鳩にメッセージを託すシーンがでてきます。

レッドクリフPartⅡ 

 

6 クライム&ダイヤモンド

クライムムービーであっても派手なアクションはない小作ではありますが、どことなくうらびれた雰囲気が映画全体に漂っていていい感じ。特にオープニングのコテコテの音楽と画面は、なんともいえないわくわく感を誘ってくれます。ストーリーは特にオリジナリティがあるわけではないですが、時間が短いせいもあって、メインストーリーを真っ直ぐに説明していてくれてテンポは良い。最後がやや分かりづらいことはありましたし、こんなことあるかというくらい警察が間抜けなのですが、それでもどこか愛らしさを感じずにはいられないのです。そしてさらに映画への思いというのも充分感じ取ることができるのです。ここでも伝書鳩が登場。

クライム&ダイヤモンド 

 

7 ブレス・ザ・チャイルド 

キム・ベイシンガーの熱演が光る異色のオカルトサスペンス。窓ガラスにぶつかってぐったりした鳩が、何事もなかったように生き返って羽ばたくシーンが印象的。

ある子供 ブレスザチャイルド

 

8 ホームレス中学生

小池徹平の起用につきましては、原作者田村裕とのあまりものイメージの違いや、22歳の彼が中学生を演じるということに対しいろいろ批評はあるようですが、どうやら大衆向けの爽やかな作品が目標のようなので、一つの選択として「あり」ではないかと私は思いました。真夏の野外において汗まみれ汚れだらけになり、食べられそうなものなら何でも食べる、最低レベルの暮らしさえできない日々をリアルに描くことはもちろん可能でしょうが、目指すのはマニアックなところではないはず。悲劇の主人公を嘆き悲しみ同情の涙を流す、そんな映画にしようというわけではなかったのでしょうから、うんこのシーンも、鳩のえさをもらうシーンも、ダンボールを食するシーンも、小池徹平が演じることでリアルな汚さや悲惨さ惨めさを和らげ、なんとなく笑って観られるようなものになったということはあるでしょう。

 

 

9 中国、わがいたみ

あまりに真面目すぎて、映画として根気良く観られるような作品ではなくなってしまっています。歴史的な意味合いはあるかもしれないが、もう少しドラマティックであってもいいように思いました。鳩に囲まれ暮らしていた老師が、鳩を殺されたことで自殺してしまうのが悲しい。

 

 

10 ホワイト・バレンタイン

退屈。ブームに乗って1999年制作の作品が5年経ってでてきたわけだが、深みが感じられないこの作品、当然佳作であればもっと早く出て来てしかるべきなので、当然といえば当然。どこか垢抜けないチョン・ジヒョンも、今見れば初々しいが、それなしに観ればどうということもない。たびたび出てくる伝書鳩が大きな役割を果たしています。