●溝端淳平 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

溝畑淳平 出演映画 ベスト10

 

美少年もいつの間にか三十路です。

 

1 君が踊る、夏

主軸となるストーリーは古今使い古されてきたような、夢を取るか大事な人を取るかという王道のストーリー(実話を元にしているということで、極端な脚色もできないでしょうけど)ではあるのですが、メインキャストを支える周囲の絡め方のバランスが良く、非常に人どうしの繋がりを感じる作品になっていたと思います。地方を舞台にしていることが、そこに大きく生かされていたのではないでしょうか。メインとなる二人ですが、溝端君は誰が見ても正統派のイケメン俳優なので、作品でのキャラクターもそれに沿ったもの。対してその相手役に抜擢された木南晴夏は、「20世紀少年」で気にはなっていましたが、これだけ出番の多い役はやはり「抜擢」といっていいでしょう。結果からすると、この役に合っていて正解だったと思います。けっして美人ではないですし、パーツのひとつひとつを見ても地味なルックスなのですが、自分のことよりもまず人のことを考え、さらに主人公のことを密かに思い続ける一途さ・健気さというものは、いかにも女優然とした女優さんでは無理でしょう。なんといっても表情の豊かさが魅力的で、香織役にはぴったり、観ていて思わずキュンとしてしまいました。演出的にはところどころ、やりすぎだろうと思う部分もありましたが、それ以上に人々の優しさが心地よく、非常に好感の持てる作品で気に入りました。

君が踊る夏 

 

2 七つの会議

とにかく濃く熱い2時間でした。作品自体も企業の不正をテーマに、売上のために偽装を行い、そしてばれたら隠蔽しようとする組織に対し、独り立ち向かう主人公を描き、観ている側を引き込みやすい善悪の構図にすることで、ぐいぐいと引っ張っていきます。そしてその熱い内容に負けないのが、出演者たちの濃厚な演技。野村萬斎をはじめ、香川照之、鹿賀丈史、片岡愛之助、岡田浩暉、北王路欣也…と、とにかくお互いに濃厚同士がぶつかることで、誰かが浮くこともなく、同じ土俵で対峙しているのがいいです。顔芸ともいわれているようですが、とにかく感情むき出しの表情を、顔の筋肉を最大限に動かしてアップに応じているのが、とにかく印象的です。ストーリー的には池井戸潤らしい企業物語。出世争いという企業の中の男同士の確執もひとつの背景に織り込みながら、会社の中では紅一点朝倉あきと及川光博が、ややこの面々の中では色合いの番う役柄を演じることで、ひとつの緩衝材のような役割になっていて、ほっとさせてくれるようなところもきちんと押さえています。とにかく見どころ十分の作品でした。溝端淳平は老夫婦の息子役。

 

 

3 麒麟の翼~劇場版・新参者~

正統派の推理ものは、ありそうで意外に少ない昨今の邦画の中にあると、かえって新鮮な印象さえ受けますね。原作が東野圭吾ということで、組立もそつがなく、安心して観ることが出来ましたし、最初から最後まで全く飽きることもありませんでした。それでいて東野らしく、現代的な孤独の中にある人と人の絆も事件の謎解きと交差するように盛り込まれ、ドラマとしてもきちんと鑑賞できるものにもなっています。キャストもチョイ役まで含めてなかなかの豪華メンバー。ベテランから売出し中の若手までバランスよく配置され、そのあたりも手堅さを感じました。阿部寛演じる刑事の相棒役で溝端淳平は出演。

 

 

4 祈りの幕が下りるとき

2と同じシリーズですが、本格的なミステリー映画として見ごたえのある作品でした。構図は結構複雑で、ともすると説明を急ぎすぎて観ている者がついていけないケースも多々あるのですが、二組の親子の絆のドラマを絡めながら、しっかりした組み立てで、観ている側にも伝わりやすいように組み立てられています。ともに母親が家を出ていく過去を持つ似た経歴の男女ですが、立場や残った父親との関係性は実に対照的。事件の全容が少しずつ明らかになるとともに、二組の親子の事情も次第に分かっていくような構成で、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていきました。なかなかこうした本格的ミステリー映画で最近成功することが少ないのですが、加賀恭一郎シリーズ1作目に引き続いて今作も、面白くしかも心を揺さぶるような映画に仕上げてきたのはさすがです。

 

 

5 ハルフウェイ

北乃きいが女子高生を演じた瑞々しい青春映画です。好きで好きでしょうがないという気持ちがあふれるように出てきて、ほほえましくもせつなくも、うらやましいような気持ちになります。前半、自分のことしか考えない女の子に少々反感をもちながらというところもありましたが、この結論なら納得です。当時の北乃きいと岡田将生でこそ成立する作品であったのかもしれません。製作にかかわる岩井俊二色もはっきりと出ています。岡田将生演じる生徒の親友が溝端淳平。

 

 

6 DIVE!

この森絵都の原作を読んだとき、「これ映画になるといいだろうけど、実際には難しいだろうな」と思いました。なぜなら飛び込みという特殊の技能を必要とする競技、しかもオリンピックを争うような高い技術を持つ選手が何人も出てくるとなると、俳優では無理ではないかと思ったのです。しかも小説自体もかなりの長さで、瑞々しさを残したままでストーリーを2時間程度に押し込むことができるかどうか、それも困難なのではないかと。ですから映画化されると聞いたときは、少々びっくりしました。どこまで見せてくれるか、とても楽しみにしていた反面、不安も大きかったのです。さて、実際に映画を観終わった感想ですが、「なかなかよくまとめていたじゃない!」といったところでしょうか。スポーツをテーマにした青春映画としては、奇を衒わずに、正攻法に作ってきたと思います。飛び込みというスポーツを軸にした競い合いと友情、そこに親子関係やちょっとした恋愛要素も落とさずに入れ込んで、青春映画らしくさわやかに仕上げています。主要キャストも皆鮮度が高く、その部分でも瑞々しさをうまく表現できていました。溝端君も選手の一人として出演。

DIVE 

 

7 高校デビュー

出だしのところでは、とんでもない映画を観ることになるのかとかなり不安な思いに駆られました。ヒロインに抜擢された初めて見る素人っぽい女の子、まるで板についていない危なげな演技、幼稚な恋愛ごっことしか思えなかった設定、と不安材料ばかり。ところが不思議なもので、観ているうちにこの特異な世界に慣れ、逆にどんどん引き込まれていったのです。ヒロインの描き方が終始一貫していてぶれておらず、キャラクターとして魅力的に描かれていたのがうまくいったのではないでしょうか。ぎこちない演技も、このキャラクターでこの演出ならなんとか許せるものだったと思います。映画にするほどの作品かどうかは疑問もありますが、結構笑いどころもあって、面白かったです。このあと大野いとさんを調べてみたのですが、写真に写っている印象とは全く違う雰囲気で驚きました。モテモテの先輩役で溝端淳平は出演。

 

 

8 赤い糸

いわゆる「ケータイ小説」の映画化ということですから、めまぐるしいといいますか、すさまじい展開は前提として織り込み済み。とにかく人が死んだり、自殺を図ったり、いじめに会ったり、男女がくっついたり離れたり、展開の速さには唖然とさせられるものの、それを承知で映画化し、そしてこちらも観ているわけなので、それをとやかく言うのはあまり意味がないでしょう。ただ演出的な面で言うとしたら、一つ一つの出来事は相当重いはずなのに、ちょっと時間が経過するとケロリと忘れているような、或いは何事もなかったように解決してしまっている軽さは気になりました。物語を展開するためには仕方ないのかもしれませんが、この映画を中高生が観るものだとしたら、もう少し慎重な描き方をして欲しかったとは思います。南沢奈央とともに学生カップルを演じているのが溝端淳平。

 

 

9 ボクは坊さん。

お坊さんあるあるを映画にしましたというスタンスの作品で、時々お坊さんの生活や仕事についての解説も入ったりするわけですが、ストーリーとして起承転結がはっきりしているわけでなく、日常の出来事をつらつらと綴っているだけ。基本コメディではありますが、葬式だったり、植物人間になってしまったり、離婚したり、引きこもったりと、実は暗い出来事が多いので、いまひとつのりきれません。伊藤淳史もあまりお坊さんという雰囲気がしませんでしたし、どうせなら跡継ぎを決めた時の葛藤とか、自分の子供でない赤ちゃんを引き受けたときの様子とか、もう少し突っ込んだ心理描写をしてくれないと、あっさりと浅く描いている物足りなさが目立ってしまいました。主人公の幼なじみを溝端淳平は演じています。

 

 

10 黄金を抱いて翔べ

井筒監督作としてはスマートすぎ、粗削りな粗野さがあまりみられなかったのが残念。キャストも、いつもは新人を使ったり、或いは畑違いの芸人を使ったりと、名前よりも雰囲気を重視した配役をするのに、今回はほとんどが名の通った本職俳優ばかり。やり過ぎじゃないかと思われるバイオレンスシーンも今回は控えめということで、有名俳優相手にいつものような思い切った演出ができなかったのでしょうか。或いはこの話を2時間強に収めないといけないということで、余裕もなかったのでしょうか。ごくごくありきたりなクライム・ムービーの凡作に留まってしまった印象です。登場人物の描写についても、この掠奪作戦に対する強いこだわりというものがうまく表わせておらず、展開を追うことに終始。いまひとつ脚本も練られていなかったようで、正直なところあまり面白くなかったです。金塊強奪計画のために集められたメンバーの一人として溝端淳平は出演。