●冤罪復讐映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

冤罪復讐映画 ベスト10

 

自身や家族に濡れ衣を着せた相手への復讐を狙う、そんな映画を集めました

 

1 人魚伝説

白都真理が裸を厭わず、血しぶきを浴びまくりながら、夫を殺された上に、その犯人にされたこへの復讐のために殺しまくるシーンはとにかく強烈です。夫殺しに関わった人たちを殺していく最後には、あたりで逃げ惑う人、止めようとする人構わずに、手あたり次第に射しまくる狂気は実にすさまじいもので、優雅なタイトルとは似ても似つかぬ激しいものになっていました。原発建設に関係する利権争いの中で偶然殺人事件を目撃したことから殺されてしまった夫の恨みを晴らすべく、なりふり構わずに突進する姿、にとにかく圧倒されました。それにしても血しぶき上げすぎでしょ。

 

 

2 奴らを高く吊るせ!

イーストウッドのまさに独り舞台ではあるが、これがなかなか渋くてカッコいい。あくまでも無実な罪で吊るされたという私的な恨みからの復讐ではありますが、悪党への復讐のために保安官となったイーストウッド演じる主人公に感情移入したくなるような展開。いきなり冒頭で首を吊るされるという衝撃的なシーンで惹き付けておいて、あとはもう怖いものなし。悪党たちがちょっとだらしなくて、あっさりやられてしまうのが情けないですが、一方で牛を盗んだだけの少年が首吊りの刑にさられるのを阻止しようとする正義をテーマにし、全体としては快活な西部劇というよりは、やや重厚なそれこそ渋いという言葉がしっくりくる作品に仕上がっていました。

奴らを高く吊るせ 

 

3 ザ・シューター/極大射程

とにかく、殺す、殺す、殺しまくります。冷静に考えれば、これだけの殺人を犯せば、普通に外を歩けるわけはないのですが、まあ、それは映画の世界。罠にはめられたと知ったマーク・ウォールバーグ演じる射撃の名人中の名人が復讐を図るまでを、スリリングな展開で魅せてくれるサスペンス・アクションです。逃げる前半に対し追う後半と、メリハリをつけた展開で、最後まで飽きずに観られました。巨悪に立ち向かう中で「殺しまくる」ヒーローに、いつの間にか肩入れしてしまう、なかなか巧い構成。これだけ冷徹に人を殺す一方で、かつての相棒の未亡人に対して見せる人間的な側面と、その対象が主人公のキャラクターを魅力的なものにしているのかもしれません。さらにはダニー・グローヴァー演じる敵役の大佐がいかにもという典型的な嫌な奴に仕立て上げることにより、ヒーローとしての立場が完全に確立されているのです。よくよく考えれば「すべて敵を殺してしまえば復讐は完了、無念も晴らせる」という短絡的で残酷な思考はとんでもない単純なものでありますし、かつての相棒を死なせてしまったことを悔やみ続ける一方で、巨悪の命じるままに次々に攻め来る顔さえ見えない兵士たちを、なんの慈悲のかけらも持たずに殺しまくる非情さ。どうも賢い主人公には思えないのですが、この手のアクション映画で、そんなことを突っつくの野暮というものでしょう。とりあえず、緊張感ある展開にドキドキワクワクすることができれば、役目を果たしたということで良しとしなければ。マーク・ウォールバーグが、この手の超人的ヒーローに合うかどうか、いささか疑問もあったのですが、これがなかなかどうして。びっくりするほど役にはまっていて、さらに役者としての幅を見せてくれたことが収穫でした。

 ザシューター極大射程

 

4 霧の旗

見事なまでの復讐劇ではありますが、なんともいえない後味の悪さを残します。冤罪で死んだ兄の無念を晴らすべく、弁護の依頼を断った弁護士とその愛人を陥れていく執念。自らの体を怪我してまでも復讐を成し遂げようとする拠り所はなんだったのだろうか。ゾーッとする女性の怖さを知らしめされました。

 

 

5 華麗なるリベンジ

韓国映画らしい力技の法廷復讐劇が描かれています。罪を着せられた検事が5年後に詐欺で収監された男と組んで、見事に自らの罪を晴らし、最後はスカッと快活な気分で観終えることができます。まあどいつもこいつも金や地位に目がなく、警察内部はどうしようもない者ばかりというのがいかにもという印象はありますが、これも韓国映画では定番です。最後は突然飛び道具の新証拠が出てきてずるいとは思いますが、娯楽作としては楽しく観られるものになっていました。

 

 

6 フレンジー

犯人に仕立て上げられた男の、ヒッチコックによる巻き込まれ型サスペンスの典型。最後は真犯人が明るみになるという結末は見えているものの、ドキドキしてしまうのはさすがヒッチコック。

 フレンジー

 

7 ダブル・ジョパディー

してもいない夫殺しの罪で逮捕され、服役することになったアシュレイ・ジャド演じる人妻。ところが彼女をはめたのは死んだはずの夫だったと知り、服役後に復讐を果たすべく、夫を追います。一度償った罪では二度問われることはないという法を利用しての、スカッとする復讐劇でした。

ダブルジョパディ 

 

8 親切なクムジャさん

パク・チャヌク監督復讐3部作の最終章という映画で期待したのですが、前2作ほどの衝撃は受けなかったです。見慣れてしまったせいもありますが、今作については前2作に比べ、復讐の想いに対し共感できる部分が大きく、その分「なんでそこまで」という気持ちがあまり起こらなかったことに起因するように思いました。復讐される者が、誰もがこれは酷いということをしていただけに、たとえ残虐な復讐行為であっても、どこか「でも気持ちは分かる」という部分が残るのです。この映画に対しては「衝撃」というものを期待して観ているだけに、そこで物足りなさが残ってしまったのは評価を落とす要因になってしまいます。それからイ・ヨンエ。確かに今までの役よりは過激であることは確かですが、他作にみられる「凛とした」雰囲気の女性であることは実は共通しており、そこの部分で、こちらもそれほど強い衝撃を受けるものではありませんでした。

 

9 デッドフォール

当時元気な二大アクションスターの両雄が大活躍するアクション・スター・ムービーです。二人同時に罠にはめられ、罪を着せられたことから友情が芽生え、最後は自らの手で黒幕を退治し、汚名を返上するという快活な展開。二人の丁々発止のやりとりでテンポが良いです。

 

 

10 ニード・フォー・スピード

この手の公道レースものって、そもそもが違反行為。でもレースに興じる主人公を正当化しないと映画としては盛り上がらないわけで、そのためにはさらなる「悪」を担う敵役や強烈なライバルが必要になるのです。ということで今作はそれらをダブルで一人に背負わせた構図での展開になったわけですが、それでもやはり構図はシンプル。ストーリーに工夫があるわけでもなく、冷静に考えればはた迷惑で違法行為を繰り返す主人公の肩を持たなければならないのですから、車そのものやカーチェイスに興味があることが、この映画をための前提なのかもしれません。かっこいい改造車、激しいカーアクションそれらに興味を持てるか、おっ凄いと思えるかに尽き、そうでない人にとっては平々凡々な作品で終始してしまう、そんな感じの映画でした。