牧師映画 ベスト10
かなりたくさん当てはまったので、思いついたままに
1 ポセイドン・アドベンチャー
難破船でのサバイバルストーリーは、果たして誰が生き残るのかという点では面白かったです。脱出パニック映画の、すでに古典になりつつある名作です。最後は意外な結果も用意されていて、飽きることなく観られました。ただし、船内のセットの上下関係がやや分かり難いのが残念。ジーン・ハックマン演じる牧師が重要な役割を果たしています。
2 5枚のカード
ミステリー調の西部劇で一人一人殺されて行く展開にはスリルが十分。もちろん主人公は良識を持っていて、最後には敵を片付けるということは大前提にあるわけですが、これが現代劇だったら実に怖い復讐連続殺人劇になっているところ。西部劇という時代背景があってこそ、娯楽映画的な気分で観られるといったことでしょうか。単なる復讐劇に加え、ロマンスまで盛り込んでサービスもたっぷり。西部劇に抵抗のある者にとってもすんなり受け入れられるような映画でした。
3 ブリムストーン
話自体はかなりドラマティックかつセンセーショナルなものではあります。売春婦としての過去、世話になった友人の起こした殺人、そして彼女自身が殺され、それをきっかけとして別人へのなりかまし、舌の切断、父による近親相姦、母親の自殺、父による愛する人の殺害、夫の死、連れ子の死、父親の殺害、そして自らの死…。これでもかこれでもかと悲惨な出来事を投げ込んできて、よくもまあひとつの作品にしたなという印象です。しかも時制を4つのパートに分けて、3→2→1→4の順番で構成するから、余計に話は複雑に。ある意味かなり悪趣味ではあるけれど、退屈させられるということはなかったですね。ダコタ・ファニングも母親の役なんですね。それと胸糞悪い牧師を徹底的に演じたガイ・ピアース。なんとも評価しがたい作品でした。
4 ヤコブへの手紙
人の人とのつながりの温かさを感じる作品です。出所した孤独な女性、盲目の牧師、静かな田舎の土地と、泣かせの要素がきちんと設定され、やや作り過ぎ感はあるものの、頑なな気持ちが解けた瞬間の涙には、素直に心を動かされました。
5 我が道を往く
教会再建にやってきたちょっと型破りな牧師さんの心温まる話です。次第に回りの人々との交流を深めて行く様子は、みていて優しい気持ちになれる作品でした。
6 オスカーとルシンダ
7 教誨師
ほぼ9割が密室での会話劇。オリジナルの脚本。芸達者のベテランもいれば、まったくの素人もいるキャスト。かなり意欲的なそして独創的な作品となりましたが、きちんと作品として成り立っていることに、まず監督の力を感じました。死刑囚と牧師の会話、それだけなのですが、それぞれキャラクターも違えば起こしたことも違う。何をして何があって死刑囚となってしまったのか、詳細がわかる者もいれば、背景が見えてこない者もいるのですが、作り手の狙いはそこにはないのは、監督自身の説明からも明らかになりました。教誨師という仕事も初めて知りましたが、けっして明るい話でも、起伏に富んだ話でもないのですが、人間が人間を捌く中で、心の安定にもまた人間が必要とされる、またこれも人間社会のルールの中でいろいろと考えさせられる作品にはなりました。
8 ある少年の告白
一つの家族の物語でもあり、LGBTであることを未だに受け入れられずに、無理に強制しようとする社会に対する問題提起でもある、そんな作品となっています。当たり前の男として育てられた主人公の少年が、ある時から自分が男性を好きであることに気づいたときの葛藤、それを知った家族の思い(父親が牧師)、社会的な目線、それぞれの壁を越えて、自分らしくあるということは、やはり理解が進んできた今でも、簡単なことではないようです。両親の間でさえそんな息子への理解が異なるわけですから、そこに宗教なども絡むと、さらに物事は複雑になるようです。まだまだ社会としての理解をすすめることも必要なのだと、認識させられた映画でした。
9 ポリアンナ
町にやってきた無邪気な少女が頑なな人々の心をほぐしていくという、童話的な良心のストーリー。どこか説教されているような気になってくるのは、作品の中の牧師さんの説教があるばかりではないでしょう。ちょっと作りすぎというか出来過ぎな気はしますが、結局は子供には勝てませんね。
10 泉のセイレーン
裸満載の一見芸術映画風の実は単なるエロ映画というのが正直な印象。これまた一見、牧師を演じた主役のヒュー・グラントも実質出演の多い添え物といったところ。サム・ニ-ルもあまり出演はないし、ほとんどセリフもなく絵に向かっているだけ。妄想に振り回され、エロに開眼した不機嫌な妻が主役で、そのエロへの目覚めの過程を追うのが主題と思えます。絵の出展をやめさせるなどという口実は単なるきっかけにすぎない、なんとも風変わりな作品。