●清水崇 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

清水崇 監督映画 ベスト10

 

ホラー映画を得意とする監督ですが、

それ以外のジャンルにも挑戦したり、

海外の作品に挑んだりと、

意欲的な活動を続けています。

 

1 魔女の宅急便

1位は非ホラー映画を選んでしまいました。評価の高い人気のアニメ映画をそのまま実写にしても勝てるわけはないし、それ以上に作る価値もないわけで、実写なら実写の良さを生かした別の作品として制作するのが通常の手段。そんなことからすると、この実写版も決して悪くはないと思います。キキの印象もかなり逞しい感じにはなっていますが、主役に抜擢した小柴風花の堂々とした演技によるところも大きいかもしれません。新人らしからぬ安定感あふれる演技で、また今後の楽しみな逸材が現れたという印象です。アニメのときほどのあふれ出る心地よさはないものの、それでも清々しさの残るさわやかなファンタジー映画として楽しめる物ものにはなっていました。

 魔女の宅急便

 

2 犬鳴村

ダム湖に沈んだ村人たちの恨み…けっして目新しいストーリーではなく、むしろよくよく使われる設定でしたので、どこか既視感のようなものは否めませんでしたが、それでも清水崇監督のこのジャンルへの安定感があり、落ち着いてみることができました。ただホラー映画で落ち着きというものは、逆に言えば怖くないということにもなり、この映画は怖さというよりは不気味さで見せるホラーだったといえるでしょう。展開はある程度予測できる中ではあっても、それなりに楽しむことはできました。

 

 

3 輪廻

なるほど、こういったオチがつくのね、といった妙に納得してしまうようなオカルトホラー映画。あまり怖いという感覚はなく、現実と幻想、現在と過去が入り乱れた中で、どう収拾をつけていくのかに注目してみていました。優香演じる主人公の女優が事件関係者の誰かの生まれ変わりであることは最初から想像できましたし、演出の意図もその点を中心にあったのはみえみえなのですが、一方で香里奈演じる女子大生とのどこで繋がってくるのか、なかなか2人を重ねることをしない展開はあざとかったです。観ている側には先入観があるので、それに気付かないと最後の種明かしはハッと思わされるところはあります。優香が結構頑張っていて、そこそこリアリティも出ていて敢闘賞をあげたい。

輪廻 

 

4 こどもつかい

怖さはあったけれど、ちょっとだけ長かったなというのが正直なところ。奇妙な歌声とともに不気味な子供たちが、虐待やわいせつ行為を行った大人たちに襲い掛かっていくという恐ろしい出来事の連続から始まり、主人公カップルにその恐怖が迫ってくる。そんな中で訪れたサーカス団の宿泊施設の廃墟。このあたりまでは順調でしたが、その廃墟の中でのやりとりがちょっと緩かった印象で、後半失速したのは残念。それでも清水崇監督らしい安定した仕事を得意のホラー分野で見せてくれ、しかも意味ありげなラストといい、小技にも凝っていたところはさすがというところでした。

 

 

5 呪怨2

前作の残忍な殺人事件が前提であり、謎解きの興味や現実的な残虐さが薄くなっているますが、それぞれの立場からあるロケーションの前後を見せる見せ方で、なんとか飽きないで観ることが出来ました。不気味な男のこと女の出現の仕方には細かい部分も含めて工夫はされていますが、それ以上の恐怖には残念ながら結びついていません。主人公が出産まで殺されなかった理由はわざわざ説明しなくてもといった感じで、気づかなかった人もいるかもしれないように、説明を相当省いているのが特徴的。

 呪怨2

 

6 呪怨 パンデミック 

まあ、こんなものでしょう。米国版の続編ということで、「リング」のように動きになっているこの「呪怨」シリーズですが、さすがに日本で2作、米国で2作の計4作めともなると、新鮮味とか衝撃性などは薄れてきます。ゲゲゲという気味悪い声も、もはや「また出たか」程度のもの。その中で今回は、3つの流れのストーリーを組み合わせて構成することで、多少目先を変えて飽きないようにはしていました。日本を舞台にした2つの話と米国での1つの話、特に米国でのエピソードが日本で起きていることとなかなかつながってこず、さらには時間軸も多少いじっているため、それが最後にどう繋がってくるのかという意味では、多少興味を持って終わり近くまで見ることが出来ました。もっとも、その「謎」はあっけないものではありましたけれど。

 

 

7 ラビット・ホラー3D

ストーリー的にどうということはなく、清水崇監督としてはさほどキレを感じませんでした。芸達者を揃えながら、目新しさのない緩いホラーという印象は拭えません。しかし映像的にはかなり注目できるものになっていて、最初から3Dを前提に練られて作られたものだという納得感の強い映像になっていたのではないでしょうか。そのあたりクリストファー・ドイルを起用した意義は十分にあったと思います。あとからとってつけたような3Dが蔓延する中、物語のマイナス分を補ってくれるものはありましたね。

 ラビットホラー3D

 

8  THE JUON 呪怨

日本版を観ていればあえて観る価値はないような内容です。初めて観る者にとってはそれなりにみせる事はできそうですが、オリジナル版よりも、じとっーとして後にまで引きそうな君の悪さというものは薄れ、その場限りの恐怖感だけが残ったような感じ。

 

 

9 戦慄迷宮

10年前にお化け屋敷で行方不明になった少女が突然戻ってきた…。ありがちですが、ストーリーとしては広がっていきそうな設定で、しかもキャストもそこそこ揃っているのですが、いまひとつ盛り上がらずに終わってしまった感じです。

 戦慄迷宮

 

10 呪怨

シリーズ第1作がこの位置です。結局最後はなんだったのか良く分からなかったからです。それ以外にも構成的に非常に分かりにくくなっている。敢えて難解にする必然性のある題材とは思えず、その割に対して怖さを感じないので、なんとも???な印象しか残りませんでした。奥菜もいまひとつ恐怖が伝わってこず、お人形さん的な演技しか出来ていなくて、その他は無名俳優ばかり。それが悪いというわけではないですが、本筋にインパクトがないので、余計に寂しい印象を与えました。

 呪怨