●ホテルマン・ホテルウーマンの映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

ホテルマン・ホテルウーマンの映画 ベスト10

 

ホテルで働く人々が主人公の映画の特集です。

 

1 ホテル・ルワンダ

アフリカのルワンダで起きた内戦にからむ大量虐殺。石油利権がからむ中東地域の紛争は大国が絡み、世界に逐一その動向が伝えられるのですが、これといった資源のない小国での出来事は、こうして映画が作られない限り、世界中の多くの人に知られることもないのです。もちろん大量虐殺の悲惨さや無意味さ、そしてその中で民を守るために家族を守るために力を尽くした主人公の姿を映し出すのが主題ではあるでしょうが、利益が絡まないと悲惨な状況下の人々の救出にも消極的な先進国の情けない姿も同時に伝えたかったのでしょう。ホテル支配人役のドン・チードルがまさに熱演。実際にこういう人がいたかと思うと驚きです。問題作ではありますが、一瞬たりとも気を抜く場面がない、観ている者を惹きつける大きなパワーを持った映画でした。

 

 

2 ホテル・ムンバイ

冒頭にそのテロリストたちがタクシーに乗り込み、駅で銃を乱射するシーンから始まり、最後の最後まで一瞬たりとも息をつく暇さえなかった怒涛の展開ですが、これが実際の悲劇であるから、これ以上に恐ろしいものはそうはないでしょう。この場に居合わせた人の恐怖は、想像を絶するものだったでしょう。ホテルの客、ホテルの従業員、地元の警察官、そしてテロリスト。それだれの立場で集まってきたホテルの中で繰り広げられる凄惨な殺戮劇、フィクションであればメインキャストは困難の末なんとか生き延びるのでしょうが、事実は容赦がないです。ロシアのVIPであろうと、幼い赤ん坊をもつお父さんであっても、重傷を負った恋人と離れてしまった女性であっても、一瞬の間に命を奪われてしまうのです。その中で生まれたばかりの赤ちゃんの子守の女性が最後まで耐え抜き、母親と再会した場面は、この映画の中で最も心が救われたシーンでした。見せる映画としてはスリリングでスピード感は抜群、ホテルマンたちのプロ意識というものも十分に見せつけられ、あとはこのテーマですから、テロという行為に対する何らかの意思表示が示されていたら、作品に深みが加わったようには感じました。

 

 

3 THE 有頂天ホテル

総支配人、副支配人、アシスタント・マネージャー、客室係、ウェイター、ベルボーイ…ホテルマン・ホテルウーマンが多数登場、困った客たちらとのてんやわんやを描く三谷喜劇です。次から次へと出てくるキャラクターが登場し、シーンが目まぐるしく動いていくので2時間16分があっという間です。複雑にからみあった人間関係がうまくまとまっていて、三谷の脚本はさすがという感じです。豪華キャストももちろん魅力ですし、それぞれがそれぞれの役割を果たし。とにかく賑やか。

 THE有頂天ホテル

 

4 マスカレード・ホテル

殺人事件捜査を主軸にしながらも、単なるサスペンスやミステリーとして終わるのではなく、事件の捜査とは関係ない客とのエピソードを挟むことで、ホテルマンとしてのプロ意識と矜持を浮き彫りにする人間ドラマとしてもきちんと見せてくれるのです。キャストも豪華。ちょっとだけしか登場しないお客様役も含め、ホテル側、刑事側もそうそうたる面々。その中でも松たか子の老婆の変装姿も、1回目に登場した時にはわかりませんでした。原作の魅力を損なわずに、よくまとめたし思います。

 

 

5 アルバート氏の人生

なんと哀れな人生であろうか。偽りの人生から踏み出すことが出来ず、ようやく本来の自分であることに一瞬だけでも喜びを感じることができ、そして憧れの自分の店に手が届きかけた矢先なのに。ただその人生は他人から強制されたものでは決してなく、勇気と思い切りと強い意志があれば、抜け出すことができたはず。そう思うと、この主人公に共感とか感情移入とかはなかなかしづらかったですね。特にヘレンに結婚を言い寄るようになるに至っては、長い間男であり続けたことで、精神的にも病んでしまっていたとしか思えません。自分の秘密がばれたときのことをシュミレーションして分かっているのに、それでもなおかつ突き進む迷走ぶり。そんな意味では、話としては興味深かったけれど、到底理解できる範疇にはないもの。ただただやるせなさのみがあとを引きました。

 

 

6 英国王給仕人に乾杯!

ホテルを渡り歩きながらキャリア・アップしていった主人公、コミカルな味付けでその数奇な人生を描いた作品です。悲しいことがいっぱいなのに、なぜかポジティブな小さい主人公が愛らしいです。

 

 

7 フォー・ルームス

ティム・ロスがホテルのベル・ボーイを演じたナンセンス・コメディ。シュールな寸劇が各部屋で行われますが、どれもこれもナンセンス。独特のセンスで、ちょっと人は選ぶ感じ。違う監督ながら統一感があるのは、この手のものでは珍しいかも。

 

 

8 クローバー

けっしてつまらなくはないのですが、漫画を映像化すると、どうしても現実離れしてしまいます。漫画だから許される世界であって、リアルな映像でこれをやってしまうと実に陳腐になってしまいます。それも中高生による学園ものだったら、夢見る頃の夢のような話として受け入れることはできるのですが、これがいい年下大人がオフィスでしているとなると、やっぱり馬鹿馬鹿しく見えてしまうのです。武井の役も大倉の役も子供っぽさが抜けず、大人の鑑賞にはちょっと耐えづらい作品でした。

 

 

9 バラ色の選択

ラブ・コメとしてはちょっと中途半端。サクセスストーリーかと思いきや、それもあやふや。やり手のホテル・コンシェルジュを演じたのが童顔のJ・フォックスでは、なんとなく子供のお遊びという感じで。

バラ色の選択 

 

10 グランド・ブダペスト・ホテル

レイフ・ファインズが主人公のコンシェルジュを演じたコメディ作品。監督のウェス・アンダーソンが私、どうも苦手で…