●菜葉菜 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

菜葉菜 出演映画 ベスト10

 

1 64 ロクヨン 前編

事件の影が未だに深く影を落としているのは被害者の家族のみでなく、解決できないでいる警察や、捜査に関わった後に仕事を辞めた担当刑事、そしてその家族にまで及び、未だに昭和最期の数日間に引きずられている状態です。登場人物も多く、利害関係や関わりかたも複雑な中、非常にボリューム感のある内容の中、ストーリー展開はほぼ佐藤浩市演じる三上広報官の視点から動いているため、観客としては非常に感情移入しやすい形になっています。したがって三上の思いがビシビシ伝わってきて、記者たちとの闘い、上層部との闘い、そして行方の分からない娘との闘いなど、とにかく観ていて熱くなってしまうのです。敵対関係にある者、味方にある者と登場人物と三上との間の関係性も明確であるため、多くの人物が複雑に絡み合っているにしては分かりやすくもありました。菜葉菜は記者クラブの記者役。

 

2 追憶

北陸富山の冬景色、当事者たちだけの秘密の過去、交通事故で記憶もなくしてしまった女、苦しい会社経営、行き詰った夫婦関係、そしてすべてを抱え込んでしまったような岡田准一の常に重苦しい表情…とにかく負の要素だらけの作品は、独特重い空気に支配されているかのようです。恵まれない境遇で出会った3人に起きた過去のある出来事をフラッシュバックしながら、3つに分かれた今の人生を比べながら、それぞれが抱え続けた闇のようなものが少しずつ浮き彫りになっていきます。降旗監督×木村カメラマンの組み合わせということで、冒頭から昔ながらの昭和的映画のつくり方が、逆に今の時代に新鮮に映ります。結末は皮肉な結果となり、同じ秘密を抱えながらも、守りたい家族との間に新しい家族を得た者、その家族に裏切られた者、家族と距離を置こうとする者…。人生についていろいろと考えさせられるような濃厚な人間ドラマだったと思います。菜葉菜f

柄本佑演じる事件の被害者の義妹役。

 

3 ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

戦中の満州国と現在を行き来しながら、国のためにレシピを開発しよう使命に燃えていたはずが、隠された陰謀から何もかも失ってしまった祖父と、両親を失い施設で育った、ともに天才料理人の数奇な運命を描いているドラマです。結果として自分のルーツを訪ね歩く形で、天才料理人の末期を追うストーリーは、ミステリー仕立てで、最後まで目が離せませんでした。そしてそこに差し込まれる、独創性の強く、しかも最高の食材でつくられた料理の数々。目の前でおあずけを食らっているようで、結構苦しかったです。ドラマは数奇な運命のつながりを見せる形で、絡まった糸がほどけていくような心地よささえ感じるラストで、映画として面白く観られました。菜葉菜は児童養護施設の職員役。

 

4 ヨコハマ物語

派手な作品ではありませんが、じんわりと心に染み入る素敵な作品でした。一見見も知らぬ人同士が同居するなんて軽すぎないかとも思ったのですが、それぞれに事情を抱えた者同士が、互いに励まし合ったり喜んだりする中で固まってきた絆のようなものが、なんとも心地よく感じられるのです。家とは、家族とは、そんなものを改めて考えさせてくれるようでもあり、さしてこの映画が話題にならなかったことには、惜しい気がしました。

 

 

5 エリカ38

実際の事件をモチーフに、樹木希林が浅田美代子のために企画した作品ということで、個性的なキャスティングと合わせて、独特の空気感をもった作品となっていました。多くの人を信用させて支援金を集めるうちに、金集めの支持をしていた愛人が別の女と密会していたことをきっかけに、金をもって海外渡航。そこで若い現地の男に金を貢ぎ、いい仲に。返済を求められると、自らも被害者だと訴えながら素知らぬ顔でかわす捉えどころのなさ。意外にも浅田美代子がこの役にはまっていました。主人公の心理状態、考えといったものをあやふやにして見せなかったことは、敢えてなのでしょうか。実在の事件だけに、いい加減なことを出せないということでしょうか。そのあたりがすっきりしない点としてちょっと残りました。

 

6 RIVER

ドキュメンタリー風のリアルな表現で、廣木監督の想いと言うものが伝わる作品です。秋葉原殺傷事件、そして東日本大震災と実際の出来事を通じて、そこに流れる喪失感にやるせなくなります。なんとか亡くした彼氏を忘れ前へ無効としていた時に起こる大災害。とめどなく襲う悲劇はいつ止まるのか。菜葉菜はメイド喫茶の従業員。

 

7 ケアニン あなたでよかった

一言で言って新米介護士の成長物語です。いろいろ新しい出来事や困難にぶつかる中で、介護士のあり方を学び、ひとつ脱皮していくという中で、周りの先輩に助けられ、入所者に助けられ、その家族に助けられ、自信をつけていくわけです。新人君を見守る視線が優しく、小さい施設ならではのアットホームな温かさが、作品全体にも染み渡って、ちょっと悲しいけれど、ほのぼのとした作品になっています。もちろん入所するお年寄りに対する接し方も優しく、こんなところだったら、年を取ったら入ってもいいかななんとも思ってしまいそうです。

 

8 ヘヴンズ ストーリー

果たしてこれだけの時間を費やして訴えられないことなのでしょうか。むしろ長くし過ぎたことで、登場人物の中の誰にも共感できない、やるせないだけの作品になってしまったように思います。復讐はさらに復讐を産み、出口のない迷宮にはまり込んでその中を堂々巡り。言ってしまえばそんなことだとは思うのですが、如何せんキレが悪すぎます。無駄が多いし作品としてはもっと伝える力のある出来の良いものになり得たはずであり、そこがとても残念です。キャストは重鎮から無名の新人、別畑の意表をついた配役までバラエティに富んでいて、非常に考えたあとが見られるだけに、無理に長くしないで、オーソドックスに仕上げて欲しかったです。

 

9 ナミヤ雑貨店の奇蹟

時空を超えた手紙でのお悩み相談への回答が、相談者の未来を変えていく。そこにひとつの養護施設で繋がっていく不思議な関係性。かつてそこで過ごした者たちが、時代が違っても、ひとつの雑貨店を介して互いに影響し合って、未来を導いていくSFファンタジードラマです。冒頭雑貨店に忍び込む3人の若者たち。一見私欲から犯罪に走った無謀な若者という印象も、過去からの手紙のやりとりの中で、次第にその背景が見えてくるに従い、第一印象が違っていたこともわかってきます。自らが育った子供たちの養護施設。その存続のためにある意味立ち上がったわけですが、そこに数奇な運命的な関連が次々につながり、運命というものを考えずにはいられなくなるのです。結局亡くなってしまったミュージシャンを目指す青年は、果たしてもっとどうにかならなかったのかと、この答えでよかったのかと思い部分はありますが、足跡を残すという意味では、これが正解だったのかもしれません。わかりません。

 

10  赤い雪 Red Shadow

一言でいうと消化不良。すべて説明するのがいいとは言いませんが、作品中で放たれた疑問の数々の多くが回収されずに残ったままである感じがして、観終わってすっきりしませんでした。結局30年前の事件の真相が主観的な視点で断片的にしか示されないので、観ている方は想像し推理するしかないのです。なぜ娘は黙っていた?なぜ記憶喪失に?母親は今どこで何を?同居人がおかした他の罪は?偽名で取材した記者の真意は?映画として芸術性だかなんだか知りませんが、ちょっとカッコつけすぎでしょ。菜葉菜は誘拐事件の容疑者の娘役。